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Red13のブログ一覧

2022年02月27日 イイね!

2月の読書

2月の読書連日のウクライナ関連の報道。
やっぱり日本はズブズブにアメリカ寄りなんやなぁとつくづく思う。

「ロシアがウクライナに侵攻しました」という所だけ切り取って伝え、
キャスターはプーチンの発言を「意味不明」とし、
コメンテーターも、歴史背景やここに至る米露のやりとりをちゃんと指摘する人は少数。
西側首脳はプーチンを「暴君」と罵り、かつて無い制裁を、と息巻く。


……いやいやいや、ちゃうやろ…


ここ1世紀程のヨーロッパ史をちゃんと読み解けば、プーチンがなんでキレたかわかるやろ。
てーか、キレたというか、
このまま(ウクライナがNATO加盟という流れ)だと、冗談抜きで第三次世界大戦になりかねんから、そうなる前にこの程度で一旦仕切り直しさせてるという事。
「止むを得ず行動した」というプーチンの言はそういう意味。
「平和維持の為」という言も、今このウクライナの事ではなく、今後の世界の事(…よりはもう少し独善的かもしれんけどw)。


かつてソ連領だったエリアが次々にNATOに編入され、
ロシアとしてはかつての部下がどんどんライバル会社に引き抜かれているようなもの。
おまけにロシア社創業の地である重要な部署ウクライナが寝返るとか言い出した。
そら焦ってなりふり構わずにもなるわいや。
それをわかっていて面白がっておちょくるアメリカ社。
ロシア社が下手打って自滅してくれればアメリカ社は手を汚さずに儲かるし、ってなもんです。
それでも最初ロシア社はちゃんと冷静に話し合いでどうにかしようと提案していたのに、アメリカ社が調子に乗って(自社内の不満ガス抜きや財務処理に利用できそうな良い機会だと色気を出して)チグハグな答えではぐらかし挑発し続けた。
結果ロシア社キレて今に至る。

ベラルーシとウクライナだけは “中立緩衝地帯” にすることで東西の境界を隣接させないようにする事が今の “世界平和安定” のキモであるのに、
バイデンが好き勝手煽って焚き付けて、いざ始まったら「(ウクライナは)NATO(=仲間)じゃないから手出しできない」と言い切る。
無責任極まりない。


そういう歴史背景とここ半月程の経緯を全部すっとばして
「ロシアが侵攻しました」とだけ伝える。
反戦デモの映像と、それを取り締まるロシア当局の映像を流す。
印象操作でしかないやろ。
中立であるべきのメディアとしてどーなん。
それとも、歴史も知らない阿呆ばっかりという理解で良いのかな?
なんか正義感振りかざして「ロシアを攻撃する」と言い出した某ハッカー集団にしてもね。結局アレも完璧に西側頭の人間ということ。

ロシア=悪と決めつける前に、
じゃあアメリカはどうだったのか?とちゃんと考えてみろって。

このウクライナ侵攻、
実質引き金引いたのはバイデンだと個人的には思ってる。
自分から誘っておいて相手を婦女暴行で訴える女みたいやぞ。


(あるいは、バイデンが裏でプーチンに何らかの便宜を図って “悪者役” をさせている可能性もナキニシモアラズ…)














 アンドレアス・エシュバッハ 『NSA』 (2018)


if
ナチスドイツの時代にインターネット、スマホが有り、完全キャッシャレス化が行われていたら?


細かい技術的な所はスッ飛ばして、そういう話。
タイトルのNSA(国家保安局)という組織は実際のナチスには無かったが、ゲシュタポとは別の指揮系統下にあり、職員は民間人であるという設定。
その職務内容は、コンピュータを使ってドイツの “最終勝利” に貢献すべく邁進する事。とは、後付けの建前。
…自分達が無用の組織と思われると解体されて前線に飛ばされるので。そりゃ皆必死で成果を上げます(笑)。

プログラマーの少女ヘレーネと、アナリストの青年リトケを軸に物語は進む。
最初は国内フォーラムの反国家的発言を監視して、警察にデータを回す程度の仕事だったが、
2人はユダヤ人の潜伏場所を炙り出す為に効率の良いデータ分析の任務を与えられる。
各個人の食品購入履歴からカロリー量を計算し、世帯登録人数と消費カロリーが著しく乖離する世帯を指摘する方法で成果を上げ、全国指導者ヒムラーの感嘆を得る。

しかし2人はそれぞれ後ろ暗い事情を抱えていた。
脱走兵の恋人を匿う為に、職務上のアクセス権を使ってデータを改竄するヘレーネと、
少年時代に受けた辱しめの復讐の為に、同じようにアクセス権を濫用して個人の行動履歴を覗き見るリトケ。
自分が思い付いたカロリー消費量プロセスを更に欺く為に違法アクセスを行うセレーネ。
復讐という名の下半身の欲望を満たすために、ハッキングで女の弱味を調べて脅して愉しむレトケ。

…これ、全部現代ネット社会への皮肉であり警鐘なワケですよ。

“ビッグデータ” が何をもたらすか。
電子決済が何をもたらすか。
SNSへの浅慮な投稿が何をもたらすか。
自律思考AIによる自動化された監視が何をもたらすか。

一番分かりやすいイメージは今の中国ですよね。
ありえへんレベルのネット検閲、規制、封殺。
当局に都合の悪いことを発信したらすぐにドアを叩かれる。

個人の行動を全てデジタルデータで記録できると、一見それ1つでは意味をなさないデータであっても、複数をクロス分析する事で何でも分かるようになり、隠し事は出来なくなる。
しかし、
中国のようなあからさまなネット監視社会でなくとも、この国でもアメリカでも世界中で、個人の行動が何らかのデータで残る事は既に違和感無く社会に溶け込んでいる。
古くはクレジットカード、今はスマホ決済、交通系ICカード。
マイナンバー、確定申告。
ワクチン摂取だって知らん間にデータベース化されてます。(全国民の摂取率が何%とわかっているということは、“誰が摂取していないか” もわかっているということ)

お金の動きを追えばその個人の事はほぼ掴める。
何を買って、何を食べて、どこへ行って、何にどれだけお金を使っているか。
或いは、どこからどういうお金が入っているか。
どこで写真を撮ってSNSにアップして、誰とどんなやり取りをしているか。
( “写真” の中には当人が思っている以上に多大な情報が含まれる)

重要なのは、貴方の私のそのデータは既に在るということ。
それを上手く見せてくれる良作と思います。

(銀行で小銭を両替するのにも手数料、自分のお金を出し入れするにも手数料で、どんどん現金、特に小銭が敬遠されてキャッシュレス決済になっていく世の中。追跡できないという現金決済の特徴が今まで以上に “メリット” になっていくかも??)


Red13指定必読図書




Posted at 2022/02/27 16:16:14 | コメント(3) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2022年01月31日 イイね!

1月の読書

1月の読書はやくも、先日のツインフルコースのリベンジ日取りが決まりまして、
3/2にとある走行会にお邪魔します。
え?ホイール?( ゚д゚)
最悪、リアだけ7.5Jの107Mに組み換えりゃええやろ!w


ってな感じで、最近は全開でクルマのターン中(笑)でガンプラと読書が下火になっておりまして、
ぶっちゃけ今月の読書は完全に惰性のヤッツケ仕事w
本棚に並んでる既読の中から引っ張り出してきて読みました。
















 デイヴィッド・ダフィ 『KGBから来た男』 (2011)

原題『Last To Fold』


なんと6年前(2015.11)に読んだモノの再読。
一部主要キャラのネタバレ関係だけなぜかハッキリ覚えているだけで、あらすじも殆ど忘れてるw

基本的にはエンターテインメント小説でありながら、かなり複雑なプロットでロシア政界の暗部へメスを入れる。
エリツィン失脚からプーチン台頭に至るキッカケになったとある事件を鍵に、フィクションなんだろうけど「あの国なら有り得る…」という話。ま、中国も同じだろうけど。
国家ぐるみでテロ事件を手引きし、それを敵対国の犯行ということにして “強いリーダー” を押し上げる。
…まぁ、よくある話っちゃそうなんだけどね。

その “秘密” を巡って、ニューヨークで元KGBの人間3人が三つ巴で繰り広げる陰謀劇。
なのだが、最初は全く違う事件から始まり、なかなか事件の全貌は見えてこない。
緻密なシナリオながら、エンターテインメント的事情で「あ、説明ハショったなw」と感じる所もたまにあるw
まぁ、そのキャラに語らせる方が分かりやすいしページ数節約になるよね、みたいな。
ロシア流の荒っぽい発言が、“西側” の価値観に浸かった我々になかなか刺激的。















 イーデン・フィルポッツ 『だれがコマドリを殺したのか』 (1924)

原題『Who Killed Cook Robin?』


こちらも2016.2の再読。
去年1年間新作Onlyだったので、再読もやっていこうかと。(`・ω・´)
…というのは半分言い訳でw 最近本屋行くのが面倒臭いw

ほぼ100年前の(語弊を恐れずに言えば)実にローテクな時代の牧歌的作品。
ハイテク要素一切無しなので、ある意味平和。

しかーし、ストーリーの方はなかなか戦慄のサスペンス。
特に前半、主人公が一番ハッピーな状態からどんどん落ちていく様はなかなかの鬱パワーで頁をめくる手が重くなる。
とはいえ、初めて読んだ時より話が短く感じて、鬱パワーwも「あれ?こんな程度だったっけ?」と思った。
トリックがわかってるから、そっちの伏線に意識が行ってたからですかね。

なんちゃら100選にもなってた名作なのでオススメです。
ハイテクな現代に疲れた大人に是非。
あ、でも、奥さんに何か隠し事をしている人には心臓に悪いかもwww




Posted at 2022/01/31 16:00:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2021年12月29日 イイね!

12月の読書

12月の読書やっぱり12月は冊数伸びないねー
この2冊、10日くらいにはもう読み終わってたんですが、
その後の3冊目がもうぜんぜん暇ない。(´・ω・)



コロナコロナと言いながら、
ワタクシ個人の生活は余り影響受けていないというか、
あまり気にせず行動しているというかw
ヌルヌル過ごした1年でした。



秋から急に思い立ってインプを戦闘モードに仕上げ、
久しぶりにシャキッとした状態で走れてご機嫌なう。(・∀・)
このまま暫く大物メンテが無ければ、
そろそろ天井のハゲを塗り直そうかしら。



ソンナコンナデ
皆様、来年もSoco'n'Toco YOLOshic!! (`・ω・´)















 マーク・グリーニー 『暗殺者の献身』 (2021)

原題『RELENTLESS』


遂にシリーズ10作目。(o゚Д゚ノ)ノ

原題を直訳すると「容赦無い」
…邦題全然ちゃうやないかw
でもこれまた邦題の方がまだ内容と合ってる。
絶対アメリカ人ってタイトルつけるセンス無いよねw


色々な意味で節目の集大成。
初めてPoison Appleの3人が見事なチームプレーを見せて心強いワクワク感が素晴らしい。
…し、ここまでヤキモキ噛み合わなかったジェントリーとゾーヤがそこそこイチャイチャしやがるので微笑ましいw
シナリオがなかなか複雑で難しく、横槍勢力が入ってきて三つ巴四つ巴の闘いになりーの、盛り沢山。
前作『悔恨』ではジェントリー一人の視点のみで語る完全一人称現在形に拘る実験をしていたが、一転、今回は一つの場面でも複数人物の視点が細かく切り替わり、臨場感とスピード感がマシマシ。

5作目の『反撃』で、CIAから追われる一匹狼生活が終わり、
6~10作目が言わば第二期で、ザックとゾーヤとの3人でのPoison Appleチームとして密かにCIAに復帰。
その二期の集大成となったわけですが…
ここまで散りばめられていた確執の種が最後に遂に芽を出す。
次回11作目はまた大きく “条件” が変わった第三期に突入することになる。

最後の解説にも書いてあるが、再び熾烈な環境をジェントリーに叩き付けて、より創作のハードルを自分で上げていく著者のチャレンジングが凄い。




Posted at 2021/12/29 20:00:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2021年11月28日 イイね!

11月の読書

11月の読書めっきり寒くなって参りまして、
そろそろ冬のアウターを引っ張り出しつつ、
「今年、秋服殆ど着とらんがな…( ゚д゚)」とボヤく。

見栄っ張りのカッコ付け服って、
アウターで隠しちゃったら意味無いのが多いんでw←
見栄っ張りのカッコ付け服って、
春&秋が本領発揮の晴れ舞台なんですよねー…

一軍仕様のピンのイイ服増やしても、このご時世どこに着ていくねん、って出番が無い。
二軍仕様のまぁまぁお気に入りな服を増やす方が色々と幸せな気がする。



…と、全く別の話。



自分でもビックリするくらい最近
新しいクルマに全く興味が無くなったワタクシ。

前はそれでも話題のスポーツ系車種やゴルフのFMCなんかは一応試乗しに行ってたんですけど、
もう全く何も調べようとも思わない…
新型BRZ、新型WRXも大して…
自分が乗るクルマでは無いわなぁ。

まだ40なってないのに今からこんな頑固ジジイみたいな頭になっててどーすんだww













 ダニエル・シルヴァ 『教皇のスパイ』 (2020)

原題『THE ORDER』


“人類史上、最悪最長の名誉毀損”

我々東洋人にはピンと来ない話ですが、
西洋人には切っても切れない、社会の、歴史の根底に深く横たわる問題。
ワタクシも子供の頃から釈然としないまま、それなりに自分なりに解釈して、たぶんそういうことなんだろうな、と思っていた事が、
この本を読んで、「概ねそれで合っている」と正解を貰ったような気分です。


なぜ、ユダヤ人は憎まれるのか。


日本人レベルの知識でパッと思い浮かぶのは聖書で語られる “使徒ユダの裏切り” 云々? だけどよく知らないw
実は、新約聖書の元ネタと言える4つの福音書の中に、もっとハッキリ明確な記述があるんですと。


諸説ありますが、時は西暦33年?(±5年くらい?)
場所はローマ帝国ユダヤ属州(現在のイスラエル周辺)。
ユダヤ人は唯一神ヤハウェを信仰する一神教。
対して古代ローマは(日本の八百万の神に似た)多神信仰。
ユダヤ属州の民衆(ユダヤ人)は、支配者のローマの信仰より自分達の信仰の方が上だとして、ローマ帝国への抵抗意識が少なからずあった。
しかし、ローマ帝国は支配地域への宗教干渉を基本的には行わなず、帝国の直接的な脅威にならない限り信仰の自由はあった。


福音書によると、
イエスは「暴動を煽動した」として捕らえられ、即時裁判に掛けられ、磔刑に処されたとされる。
その際、属州総督ポンティオ・ピラトは、集まった群衆に向け「この血(イエスの死)の責任は私には無い」と宣言し、
それに対し群衆が「その血の責任は、我々と子孫にある」と応えたとされる。


これが後2000年に渡って続くユダヤ人への憎悪の根源。
…なのだが、
まぁ、あからさまに、あきらかに、ひじょーに、嘘くさいw

そもそもこの “福音書” と云うモノ。
イマドキ風に言えば、イエスという人物についての伝聞を個人が好きにブログで書いたり同人誌にしたようなもの。
一番最初の(古い)「マルコの福音書」ですら、イエスの死後30年程経ってからとされる。
一番有名な「マタイの福音書」はイエスの死後約70年。
古代に於いてはその時間は永遠にも等しく、正に “神話” のレベル。
そういった同人誌が無数にあった中から、教会が「これとこれを公式認定する」と選んだ4つを更に纏めたのが新約聖書。

その教会≒ローマ帝国はなぜ、
他民族のユダヤ人であるイエスを神格化し国教としたのか。


ユダヤ人は既にローマ帝国の全土に何万人も住んでいて、帝国の運営に必要不可欠であった為、
ローマ帝国内のユダヤ人を惹き付け、かつ純ローマ人にも抵抗なく受け入れられる求心システムが必要だった。

イエスの死に関して明確な事、動かせない事実は
総督ピラトの治世下で、何らかの経緯によって捕縛され、磔刑に処された。という事だけ。
要は、ローマ人によって捕らえられ、ローマ人に殺された。
だがそれではユダヤ人の反感を買う。
ならば、刑を執行したピラトは自分の意思ではなく “民意に圧されて仕方なく” イエスを処刑した、ということにすれば良いのではないか?
「神の遣い イエス を殺したのはユダヤ人だ」
と、教会にとって都合の良い内容に脚色、改竄したものが福音書であり聖書である。
多数ある福音書の中でも、古いものより新しいもの程ユダヤ人への責任転嫁の表現がよりストレートになっていくという。

極論を言えば。ピラトは実在の人物であるが、イエスという者が実在したかすらも確かなことは言えない。
まぁ、実在したとして話を進めると(笑) 伝道者イエスに弟子が居たかどうかは、まぁ居たんじゃないの?って感じですが、
聖書で語られる12使徒というのはまぁほぼほぼフィクションだよね。
(ほら、現代に於いても歴史系のゲームで史実の武将をそらもう好き放題描写しまくってるやんw アレと一緒よw)


…というのが、ザッと簡単に纏めた起源。
でもまぁここまでは多くの人が「わざわざ言わないけど思ってる事」じゃないです?


そこからもう少し踏み込んで、時代も進めていくと。


中世の十字軍。
聖地エルサレムを “異教徒” イスラム教から奪還する為に編成された遠征軍、という認識が一般的ですが、
対イスラムだけでなく、要は “教会の敵” に対する武力侵攻である。
その中で、最終目的地はイスラム勢力圏であっても、その遠征途中でユダヤ人の虐殺を行っているケースもある。

この “教会の敵” というのがその時々その時代によって色々変わりはするものの、
そのリストの先頭には常にユダヤ人が据えられ続けている。
だって「神の子 イエスを殺した民族」ですからw

だいたい、 “神の子” とか言ってるけど、その神=ヤハウェ自体、元々ローマにとっては縁の無い存在。
ついでに言えば、イスラム教の唯一神アッラーは、ヤハウェのアラビア語名なだけで同一の存在。
つまり、神格位で言えば、ユダヤ教とイスラム教は同列で、キリスト教はそこから1つ落ちるww
まぁ、そこはイスラム教が後出しジャンケンしてるんでキリスト教がキレるのもわかるけど、
それでも両者が1500年近くいがみ合って殺し合い続けているのは、端から見たら完全に救いようの無いアフォである。
し、キリスト教の自己都合で2000年近くユダヤ人が迫害され続けている事実は正に、冒頭に記した史上最悪最長の名誉毀損であるというわけです。



そして!
ここからが面白い所(と言っては不謹慎ではあるのだが…)で。


もうここまででお気付きの方もおられると思いますが。
こうした本質上、ローマカトリックは極右独裁政権と非常に相性が良い。

二次大戦当時、実は教皇庁は2つのファシズム政権を支持していた。
教会はファシズムを、東の脅威 “社会主義” からヨーロッパを守る最強の防壁と考えていた。
(ソ連は宗教を否定し、ロシア正教の施設を大量に破壊した。カトリックからすれば仲の悪い正教会が破壊されるのは構わないが、ソ連はそもそも宗教自体を否定している。
もうひとつついでに、ファシズム政権の方針はイギリスや北欧のプロテスタント系を痛め付けるにも都合が良かった)

おまけにユダヤ人の排除も買って出てくれたとあれば、これはもうヒトラー様々なわけです。
実際、ナチスの “最終解決” に関して、教会が “遺憾の意” を表した事は無かった。
どころか、ホロコーストの嵐が吹き荒れる中、極右思想の会派が、ユダヤ人を助ける引き換え条件に資産を寄付させ、“不運な手違いによって保護が間に合わず” そのユダヤ人家族達が収容所送りになった、という案件が数多くある。

つまり、あの大戦は実は、形を変えた十字軍だったという見方ができる。
この切り口は我々日本人にはなかなか新鮮ではないでしょうか?

そうした戦時中の態度について教会が、回りくどい官僚的な言い回しで謝罪コメントを出したのは戦後随分経ってから。


…と…線が繋がると世界史は面白いでしょ!?(`・ω・´)















 デヴィッド・ヒューソン 『ヴェネツィアの悪魔』 (2001)

原題 『Lucifer's Shadow』


↑でヴェネツィアの描写が出てきて、
同じくユダヤ人ネタも入っているこれを思い出して再読。

現代と18世紀のヴェネツィアの物語を交互に展開。
18世紀の世界でユダヤ人が押し込められている “ゲットー” 。
檻のような隔離区域内にのみ居住が許され、夜間外出は禁止。昼間の外出時も、男はダビデの星、女は紅いスカーフの着用を命じられ、違反者は厳罰。
作中のユダヤ人兄妹は理不尽を唱えながらも、“どうしようもない現実” として受け入れている。

まぁ…つまり…大多数一般的にふつーはそこまでの描写しかせんよね。
あくまで “歴史的事実” としての範囲。
そこの根源に切り込んでいくのは、我々東洋人にはわからないタブー感があるのかもしれない。

とはいえ、本作では、
“神の家” たる大聖堂内での演奏会で、“ユダヤ人” が身許を隠してコンマス(コンサートマスター。第一バイオリン奏者。オーケストラに於いて指揮者の次に “偉い” ポジション)を務めるという場面がある。
これは明らかにアンチテーゼであり、西洋人もおそらくこーいうネタは嫌いでは無いのだろう。たぶん。一部の石頭を除いて。
喝采を浴びるそのソリストが、教会に立ち入る事を禁じられているユダヤ人であると判ったら、当時の “敬虔なキリスト教徒” 達はどういう反応をするのだろう。


と、今月はちょっと小難しいテーマでお送りしました。




Posted at 2021/11/28 22:22:14 | コメント(2) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2021年10月30日 イイね!

10月の読書

10月の読書手抜きで2冊のみ!(笑)
いや、ね、最近面倒臭くて本屋行って無いんですよ。( ̄▽ ̄;)
未読のストックが僅かなのでスローペースで先延ばししようとしているアレ。←
そろそろマーク・グリーニーの新作出てそうやけどなー










 ルイース・ボイイエ・アブ・イェンナス 『毒花を抱く女』 (2017)

原題『BLODLOKAN』


スウェーデン語から英訳経由の邦訳。
また北欧かよ(笑)。

700ページ近い大作だが、終盤になって気付く。
「これまだ続くやんw」。
実は3部作の1発目だというw


軍で基礎訓練を受けた経験のある24歳のサラ。
1年前に正体不明の男から受けた暴行被害と、数ヵ月前の父の不審死。
過酷な経験を乗り越えて、ストックホルムで新生活を始めたが、次々と奇妙な出来事が起こる。
それらは現実なのか?PTSDが引き起こした妄想か?
友人、恋人、同僚、周囲の誰もが怪しく思え、自分自身すら信じられなくなるサラ。
週末に実家に帰ったときに父が残したメッセージとも言えるものをみつけ、父は何か大きな陰謀に巻き込まれていたのではないかと考え始める。



スウェーデンの歴史は全くわかりませんが、
本作では20世紀中頃から現在に至るまでの、スウェーデンで実際に起きてきた未解決事件の、実際の報道記事を引用している。
その背後に渦巻く陰謀は著者のフィクションだが、
…じゃあ実際のそれらの事件の裏はどうなっているんだ?
と、本国では様々な議論を呼ぶ話題作。

まー、日本風に言ったら、(記憶に新しいところではアベちゃんのモリトモカケ問題とかみたいな)政治家先生方の数々の汚職事件を1つの方程式で解いてみたら…、みたいな感じかしら。

若干ネタバレになるが、
以前読んだアンドレアス・グルーバーの『夏を殺す少女』と同じテーマ。
オブラートに言うと、“保護者の居ない未成年非正規移民(難民)が晒される状況” 。
これはヨーロッパの普遍的な暗部なのね。

だが、キャリア豊富なベテランの著者だけあって、この作品は面白い。
分厚い本だがサクサク読める。

“成功者” 層の華やかな生活を疑似体験させてくれる所が、
全体的にシリアスなストーリーのオアシスとなる。















シェイン・クーン 『インターンズ・ハンドブック』 (2014)


上↑の一冊がなかなかシリアスだったので、
似たようなダークな雰囲気を持ちつつも痛快なモノを読みたくなり、これを再読。

インターン研修生になりすまして企業重役のターゲットを狙う暗殺者のお話。
映画オタクならいちいち膝を打つであろう引用がそこらじゅうにあり、クールでニヒルな主人公が無表情で映画ネタのジョークを言う。
その殺害手段の数々も実に映画的(笑)。

親を知らない孤児である主人公は百戦錬磨の暗殺者ながら、
人生の機微には疎く、作戦中に出会った女性との距離感に悩む。
その女を情報源として利用しつつ、実は相手がFBIの潜入捜査官で自分と同じターゲットを狙っていると気付き、仕事の上では大いなるリスク存在として “排除” も検討する。
と同時に、プライベートな感情では彼女を求めているという、アンビバレントで青臭い思春期的な感情。
大人でありながら子供、プロでありながら未熟。
このギャップ、自己矛盾がこの物語を面白くしていると思う。

とにかく演出全てが映画的なので、アクションシーンの殺陣や閉じ込められた場所からの脱出等「おいおい、そんな簡単にいくかよw」とツッコミたくなるが、
お陰でストーリーのスピード感はピカイチ。




Posted at 2021/10/30 15:00:23 | コメント(1) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記

プロフィール

「@あすきー  ナニコレめっちゃHighSenseやんw」
何シテル?   05/21 21:59
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