フィアット パンダ

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長嶋一茂、な運命の実用車。 - パンダ

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長嶋一茂、な運命の実用車。

フィアット パンダ

おすすめ度: 5

満足している点


※ディーラーから代車で借りたパンダの感想です。
※例によってカテゴリタイトルはまったく無視して書いています。ご了承ください。m(._.)m

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ザ・実用車だ。
エンジンをかけて動き出した瞬間、実にそう思った。

借り出したディーラーから仕事場まで小一時間乗って、ますますそう思った。
アクセルを開ければ、思ったように車が前に進む。
ハンドルを右に切れば、思った通りに右に曲がるし。左に切れば左。
ブレーキは、、、ちょっと強すぎるかな。ただ、4名乗車だったり、荷物満載したときのことを考えたら、このくらい効かないと不安だ。

冗談を言ってるのではない。
アクセル踏んでもハンドル切っても、何だかボワーンとしたリアクションをするクルマがある。操作するこちらの期待通りの反応が返ってこない。なので、運転しながら引いてしまう。
会話が噛み合わない相手と話してるようなもの。会話が続かなくなる=そのクルマに乗り続けたくなくなる。

近寄っただけでドアロックが解除されるとか、濡れた傘がしまえるとか、日常の使い勝手も大事だろうけど、まずはクルマなんだから。ドライバーの思った通りに、きちんと走って曲がって止まる。それが大事だ。
その意味で、このパンダはちゃんとした実用車だと思った。
不満な点
打合せの時刻まで少し余裕があったので遠回りして走らせてみた。信号の少ない、流れの良い道を選んで走ってみた。すると、、、

とっても良いじゃん!
実直なだけじゃなくて、走ると面白い、楽しい。

スピードが乗ってくる(とはいえ50km/hくらい)と、クルマがイキイキし始める。
エンジンの回転とか足さばきが、シャンとしてくる。一眼レフカメラをのぞいていてピントが合ってくる。そんな感じ。
フランス車みたいにはんなり癒やし系になるのとは違って、ビビッドな感触に変わってくる。だからアクセルとハンドル、ブレーキを使って、目の前に続く道をどんどんクリアしたくなる。つまり、どんどん走りたくなる。まさにイタリアの血筋。

アクセルをスッと踏むと、1.2LのFireエンジンは素直にトルクを出してくれる。ダイレクトなセミオートマのミッションを経由して、思ったようにスピードが乗ってくる。
そのままアクセル踏んづけて4,000回転くらいになると、何だかゴージャスな4気筒サウンドを奏でるようになる。ブラボー! ますますその気になってくる(笑)

ハンドルを切れば、快活なレスポンスでほぼ思ったラインをトレースしてくれる。アンダーステアは確かにあるけど、ラインがだらしなく膨らんだりしない。
で、思ったよりもロールが少ない。腰高なポジションなので不安に思ってたけど、これなら積極的にスピードを保てる。

ああ、このクルマで本国イタリアを走ってみたいな。トスカーナみたいな、適度に緩いコーナーと起伏に富んだ道を、わりと速めのペースで走りたい。明るい日射し、糸杉の並木道をワイナリー探訪ドライブなんて、めっちゃ楽しそう!
トーキョーのニシタマーノエリア、ミタカーナ地区とかを走りながら、そんなイメージがわいてきた。

走るシーンがイメージできるクルマは、イイクルマだ。それだけ走りが特徴的、ということだから。
ルノー サンク アルピーヌに初めて乗ったときにそう思った。その後、アルファのベルリーナやシトロエンBXに乗ったときも。
このパンダも、きっとイイクルマだ。
総評


平成19年8月。車検証の初年度登録を見たらそう書いてあった。その割には、メーターの種類やそのレイアウト、デジタルパネルの表示内容とかの基本的な仕様は、平成25(2013)年に買ったうちのアバルト プントとほぼ同じ。フィアット車としての標準的なメーターパネルの基本的なレイアウトや機能は、このパンダの頃にすでに確立されていたわけだ。

エアコンをはじめとする快適装備とか、エアバッグ、ESPとか必要な装備は一応揃ってる。10年以上前のクルマで、すでに過不足ない。リモートキーがないとかハロゲンライトがちょっと暗い、といった些細ななネガはあるけど。

走りも文句ない。4気筒1.2Lのエンジンでこれだけ走れば充分だ。
ガバッとアクセルを踏めば、セミオートマのミッションが効率的にパワーを路面に伝えて、ぐんぐん前に進む。
アベレージ燃費計を見る限り、世田谷のゴチャゴチャしたところを走り回っても12km/L位は走ってる、らしい(燃費計の精度はちょっと信用できないかなw)。

いまどきのハイブリッドみたいに、レアメタルとかの希少資源をふんだんに使って、再生できないリチウムイオン電池を積んだ最新最先端なクルマなら、パンダの燃費の2〜3倍は走るだろうけど。
20年経った、もはや税制的には粗大ゴミ扱いのこのクルマでも、まだまだイケるんじゃないか。いざとなったら鉄やアルミは再生できるんだし。

なのに、この国の古いクルマは高い税金がかけられ、邪魔者扱いされる。なんかおかしい。モッタイナイの精神はどこに行ったんだ?


そういえばこのパンダ、「パンダ」じゃなかったんだよなぁ。運転していて思い出した。「ジンゴ(Gingo )」というネーミングになるはずだった、とWikiにも出てる。大人の事情で、天才ジウジアーロ、不朽の名作のネーミングを襲名することになってしまった。

これが、このクルマの一番の悲劇かと。

パンダじゃなく、ジンゴでもシンゴでもツヨシでもゴローでもなんでもいいから、他のネーミングで世に出ていたら、マジメで楽しい実用車として、きっとちゃんと評価されていたに違いない。このサイズでSUV的な作りも、当時は新しかったと思う。

それが「パンダ」と名乗らされちゃったものだから、ヘンな期待が生まれてしまった。あのパンダの2代目だと。
でも実車を見て、おしゃれじゃないとかカッコがヘンだとか、「あのパンダじゃない」とみんな思ったに違いない。僕もその一人だ。

つまり、このパンダは長嶋一茂なんだ。
偉大すぎる初代のイメージをつねに背負わされている2代目。一茂だって、普通の野球選手としてみたら、そこそこいってたんじゃないか。とはいえ、記憶にも記録にも残る突然変異の天才だった初代には、到底かないっこない。
一茂本人はお坊ちゃん気質のいいヤツなのに。ちょっとワガママそうだけど、テレビで見る限りは(笑)。

一茂だって、彼なりに頑張って人生を歩んでいる。
このパンダだって、このクルマなりに頑張って走ってる。

名乗らされた名前が、不運だったんだよ。

そう思ったら、この2代目「パンダ」がとてもとても、愛おしくなってきた。

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