・・・といっても、パッと見は次期ハリアーにしか見えませんが、れっきとした新型ヴェンザです。
で、下がハリアー。
ハッキリ言って、ハリアーとの明確な違いは車名以外、左ハンドルとなることぐらいしか見当たりません。
それもそのはず、この型からは日本専売から世界戦略車種に一転し、RAV4とともに世界中で販売されることになるからです。
2021年からは中国でも生産されることは既に発表済みですし、他の市場も順次投入されると聞いています。
トヨタが60型で味をしめたかどうかはわかりませんが、レクサスで学んだ高級SUV市場が美味しいと睨んでの増強はさすがトヨタとしか言いようがありません。。
翻って、初代ヴェンザについて軽く触れてみたいと思います。
2005年のデトロイトショーでワールドプレミアされたコンセプトカー「FT-SX」に端を発し、2008年に市販型の販売が開始されたクロスオーバーSUVとワゴンの中間的なモデルでした。
生い立ちとしては、2005年にFSCを発表し、2007年に「新コンセプト」として販売を開始したFF車、マークXジオと酷似しています。
なので、それぞれを単体で見ると一部共通パーツがあるように見えますが、実は両者は似て非なる存在であり、内外装も全くの別物だったりします。その違いは下の画像を見比べると一目瞭然です。
FT-SX
その市販版、初代ヴェンザ
FSC
その市販版、マークXジオ
こうして見比べると、初代ヴェンザの狙っていた路線は純粋なSUVというよりも
、アウトバックやボルボのクロスカントリー系(V60クロスカントリー等)のようなワゴンからの派生車種のような気がします。
別な言い方をすると、ジオがAクラス(W166)だとすると、ヴェンザはGLA(X156)みたいな感覚だと思うんです。
あ、よく考えたらAクラスとGLAも似ているようで、外版は全く別物ですよね。。
で、初代の廃止から5年を経て登場した2代目はハリアーの実質的な兄弟車種なわけですが、その背景には日本とは真逆の思想があったと思うんです。
日本はどちらかと言うと「泥の似合わないSUV」が好まれる傾向にありますが、彼の地では泥の似合うSUV(SUT)人気が未だ根強いわけです。
とはいえ、無い物ねだりじゃありませんが、日本では泥の似合うSUVを好む人も一定数いるし、アメリカでは泥の似合わないSUVを好む人も一定数いたわけです。
その結果、一度日本市場から撤退したRAV4が日本に帰ってきたし、ヴェンザが北米市場に帰ってきたんだと思います。
しかも、(かつてハリアーの輸出向けだった)RXが上級化して空いたポジションにすんなり入れたのは時代の要請とも時のいたずらとも言えます。
「北米には既に多くのトヨタ/レクサスSUVがラインナップされているのに、何故今更?」というご意見もあろうかと思います。
(SUVだけでもC-HR、RAV4、ハイランダー、4ランナー、セコイア、ランドクルーザー、UX、NX、RX、GX、LXとある)
しかし、「ハイランダーより少しコンパクト」で「RAV4よりも都会的で高級」、なおかつ、世界的に人気の兆しを見せつつある「クーペルックSUV」となると、北米トヨタのラインアップに該当車種が無かったことも事実です。
なので、その隙間を埋めるのにハリアーを選んだことは、スケールメリット面においても、ラインナップ拡充においても大きな意味を持つことになるでしょうね。
個人的には売れてほしいと思っております。
Posted at 2020/05/22 12:51:49 | |
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