東洋経済オンラインより
ホンダは大型セダンの新型車「アコード ハイブリッド」を6月20日に発表、6月21日に発売した。
大型セダンながらガソリン1リットルあたり30キロメートルという、最新の軽自動車にも匹敵する低燃費が最大のウリだ。
新たに開発した2モーター式ハイブリッド専用エンジンや、車体の軽量化などで実現した。
標準グレード(LX)は365万円、安全装備などを充実させた上級グレード(EX)は390万円だ。
また、プラグインハイブリッド車(PHEV)の「アコード プラグイン ハイブリッド」も同時に投入、こちらは500万円。
PHEVは車輌生産能力の制約や充電インフラの問題もあるため、自治体・法人を中心としたリース販売のみにとどめる。
アコードは、米国を中心に全世界で61万台(2012年度)を販売するホンダの主力車種。
ただ、ことセダン離れが著しい日本では近年は年間2000~3000台程度の販売台数に落ち込んでいる。
ホンダ自身が、国内市場の7割は軽・小型車(排気量1~1.5リットル級)で占められているとして、同ジャンルに注力してきたこともあり、大型セダンはすっかり影が薄くなっていた。
大型セダン市場自体は引き続き厳しいものの、日本ではハイブリッド車(HV)の人気が非常に高いことから、販売目標は月間1000台に設定した。
日本事業を統括する峯川尚専務は「既存顧客への内覧会などを通じた先行予約は約2800台、軽自動車並みの低燃費に対する関心が非常に高い」という。
アコード投入に合わせ、大都市圏や県庁所在地級都市を中心に、大型車を中心に扱う店舗を140~150店ほど整備する計画だ。
これまで売れ筋が軽や小型車に集中していたため、内装や接客、展示・試乗車の配備などで、大型・高級車対応が手薄になっていた。内装に高級感を持たせるなどする。
営業も「若手は大型セダンを売った経験が少ない。過去のノウハウを持つベテラン勢にがんばってもらう」(峯川専務)と期待する。
フロント
リヤ
インテリア
・・・近年はミニバンとコンパクト(軽含む)、それにハイブリッドばかりに注力しすぎた感のあるホンダの国内市場ですが、それを払拭しようといわんばかりにアコード改め「アコード ハイブリッド」として国内市場で出直すことになりました。
思えば、旧型アコード(CU系)はそれまでのCL/CM系から一気に値上がりをし、あまつさえ客足が遠のいていたホンダM~Lクラスの新車販売に致命的な一撃を与えてしまったいわば”迷”作でした。
造りは悪くないし(むしろ頑張っていた)、ハンドリングも、パワーも、室内における快適性もクラスの上を行くものでした。
でも、アコードの名を語るにはサイズがアメリカンナイズしすぎていたし(事実、北米ではアキュラTSXとして販売)、この時点でもはや日本のユーザーを見捨てていたとしか思えません。
一方、それまでのインスパイア(CP3)は北米市場ではアコードとして販売されていたモデルなわけですが、アコード(TSX)同様あくまで主体は北米と欧州、アジアで、やはり日本市場は”ついでに”売っていた感が強いモデルでした。
そんな中、更なるハイブリッド戦略を打ち出したホンダがインスパイアを廃し、かつての看板車種だったアコードを5代目以来の日米共通ボディ・・・しかもハイブリッド/プラグインハイブリッド専用車種として日本でカムバックさせたわけですが、ハッキリ言ってやや期待外れな部分が多いです。
以下、昨日ウェルカムプラザで観た感想を交えながら話をすすめます。
価格
(プラグインの500万円はひとまず置いておいて)先代の反省がまるで生かされていない。
i-MMDにコストがかかりすぎたのか、はたまたインスパイアのクラスに昇格させたためか、(ボトム同士で比べると)ライバルであるカムリよりも50万円以上高い!
装備に多少の差があるとはいえ、ちょっと開きすぎですよ・・・
そんな事を言うと「いやいや、うちはライバルをクラウン(ハイブリッド)と想定しています」と返されると思うけど、クラウンとアコードでは(アコードが)サイズで勝っても車格が違う!!
CMBSやACCといった先進装備の備わるEXならともかく、365万円のLXはお買い得感ナシ。
「2.0L i-VTEC + i-MMDの凄さは乗ってみればわかります!だから価格はそれから安いか高いかを決めてくれ」と言われてもこれでは出鼻をくじかれる格好になると思います。
せめて30万円は下げないと・・・
エクステリアデザイン
良くも悪くもホンダらしいウェッジシェイプで好感は持てます。
ただ、新鮮味はあまり感じられず、フロントのグリルは先進性を打ち出したつもりでしょうが、かなり野暮ったく見えます。
何でもかんでもクリアにすりゃいいってもんじゃないでしょう・・・
サイズについては、1850mmの全幅と4915mmの全長はもはや日本で転がすには辛すぎます・・・もうこれはアコードではない。。
インテリアデザイン
こちらはなかなか頑張っているほうだと思います。
驚くような豪華さはありませんでしたが、クラスの平均を大きく上回る質感でした。
意外と言えば意外なんですが、足踏み式パーキングブレーキ(解除・施錠とも)は国内アコード初なんですよね。
性能
こちらはまだ試乗していないため割愛しますが、「スポーツハイブリッド i-MMD」には大いに興味があります。
販売台数は月1000台と強気な設定ですが、このプライスでは最初の2~3ヶ月以外は厳しいでしょうねぇ・・・
数か月経つと500台さえもどうかなぁ・・・というレベルになるかもしれません。
これがトヨタから出れば1000台は可能なんでしょうが、小さい車の販売に慣れ過ぎて大型車の販売を苦手とする今のホンダでは・・・
ただ、近日発売される無限のスタイリングキットはなかなかカッコいいので、アコードの購入を検討されている方は一考の余地ありです。

Posted at 2013/06/21 16:43:04 | |
トラックバック(0) |
新車 | クルマ