V37スカイラインとして、2度目のマイナーチェンジが敢行されました。
大きな特長として
①大幅なフェイスリフト&日産ブランドに戻された
②プロパイロット2.0の採用
③ターボエンジンを274AからVR30DDTTに
④ホットモデル「400R」の追加
の4つが挙げられますが、①については言わずもがなで、中期までのQ50フェイスと再び袂を分かって日産ブランドに回帰した点がハイライトです。
個人的には、日本でもY51ともども日産流高級ブランドの可能性を探るための試金石として「これはこれでアリなのかも」とは思っていましたが、その思惑は5年で覆されることとなりました。
日産としては(V35以降は)メインマーケットが海外だと重々承知していても、心の底では「スカイラインは日本発祥なんだ」という意地があるでしょうし、今回の戦略変更も「スカイラインらしさはどこ行った?」という先達の心の叫びが開発陣にひっきりなしに聞こえたとしか思えません(笑
好き嫌いは一旦置いて、フロントはV37の美点を最大限に活かしつつ、Vモを核とした日産顔に大幅整形し、前・中期との違いは一目瞭然。
後期は「なんちゃってV35」の印象を受けなくもないし、日産の迷いと悩みが垣間見える処理ですが、見慣れるとこれはこれでアリなのかもしれません。
インフィニティ仕様にするには一気にハードルが上がりましたが・・・(爆
リヤも伝統の「丸」を核としたリヤコンビを現代的に解釈したものを採用し、スカイラインらしさをアピールしています。
②は日産流の「自動運転支援技術」ですが、今回は高速での手放し運転も可能に。
(※当たり前ですが、ステアリングをしっかり握っての安全運転が基本大原則です)
他のプロパイロット採用モデル同様、電動パーキングブレーキも備わります。
惜しむらくはハイブリッドのみにしか設定されない点。
CMでガンガンアピールしている割に、これはあまりにも酷い仕打ちかと。
早急にVR30DDTT+プロパイロット2.0の組み合わせを設定してほしいものです。
③については賛否両論分かれるかもしれません。
というのも、7ATも含め、「CやEよりも安い価格でメルセデスベンツの技術が味わえる」というコメントは散見されましたし、自分も乗ってみた感じ、悪い印象をうけませんでしたので。
しかし、ネット上では274Aに対する詰めの甘さを指摘する声も度々聞こえてきましたし、中には「4発なんかスカGじゃねぇ」という痛烈なコメントも。
翻って、MCで登場したいわき製造のVR30DDTTエンジンですが(特性により2種あり)、VQで培われたV6技術を昇華し、小径タービン/コンプレッサーのWターボを採用。しかも、(吸気側には)電動可変動弁システム、筒内直接燃料噴射、鏡面仕上げシリンダーブロック、水冷式インタークーラーを奢ることでハイパフォーマンスの名に恥じない仕上がり。
それでいて、従前の274A搭載車と比べても価格帯はほぼ同じ・・・274Aを残す意味が無くなるのも当然ですよね。
外製から内製になるのはもとより、2.0Lから3.0Lになるのは税制上痛いですが、これは日産らしさを取り戻すための改良と前向きにとらえることにします。
④については「400R」というよりも、現代版「GTS-R」という解釈のほうが適切かもしれません。
475N・mという5.0L級のビッグトルク、405PSという高出力を備えた400Rは誰が見てもハイパフォーマンスモデルなのは明白です。
しかし、インパクトという観点からすると本家の「GT-R NISMO 400R」はもとより、ハコスカRやケンメリR、32Rを超えることすら出来ていないと思うし、日産自身も「IPL」の副産物という意識は多かれ少なかれ持っているはず。
勿論、405PS仕様を600万円弱のプライスで設定してくれたことは英断だと思うし、ハイブリッド一辺倒にしなかった日産の判断は正しいと思うのですが、「これでなきゃ!」と思う決定的な要素に欠けます。
素性が非常に良いクルマなだけに、そこが余計に辛いですね・・・。
Posted at 2019/07/17 10:09:12 | |
トラックバック(0) |
新車 | クルマ