産経新聞より
日産自動車は5日、小型セダン「ブルーバード・シルフィ」を7年ぶりに全面改良し、「シルフィ」として発売。
昭和34年に「ダットサン・ブルーバード」として発売してからほぼ半世紀、高度成長期のマイカーブームを支えた53年にも及ぶ「ブルーバード」の歴史に幕を下ろした。
排気量2千cc前後の中型セダンは国内では人気が低迷するが、海外では根強い人気を誇る。
新型シルフィで国内市場のてこ入れを図るとともに、世界戦略車として平成28年には全世界で年50万台の販売を狙う。
車体幅を前モデルより65ミリ広げ、車高を15ミリ下げるなど室内空間にゆとりを持たせた。「安定感」をあえて前面に出し、長年セダンに乗り慣れた「退職世代の夫婦」を囲い込む。
同日会見した志賀俊之・最高執行責任者(COO)は、「上質で洗練されたデザインなどシルフィらしさを徹底的に追求した」と話した。
排気量1800ccの新開発エンジンは、燃費がガソリン1リットル当たり15・6キロと従来モデルの2千ccエンジンより16%改善。2千ccエンジンとほぼ同等の加速性能も確保した。
価格は193万7250円から。国内の販売目標は月600台。
日産は12年から「ブルーバード・シルフィ」として販売してきたが、「シルフィの名前が定着した」(広報部)として「ブルーバード」の名前を外した。
現在、中型セダンはハイブリッド車(HV)などの台頭で国内では人気が低迷するが、北米、中国など
世界的にみれば主力車種。
ホンダは北米では「アコード」を主力車種に位置づけ、トヨタも北米での「カムリ」の販売に全力を注ぐ。
日産も新型シルフィを28年までに120カ国・地域で販売する計画で、志賀COOは「メーンストリームのど真ん中で戦っていく」と宣言した。
・・・G11の時、すでに「もはやブルーバードは終わった」と思ってはいましたが、ここで完全に息の根が止まりましたね。
53年といえば、”一応”コロナを抜いてこのクラス最長の年数ではあったわけですが、そうは言ってもクラウンやランドクルーザーには及ばないわけで・・・。
思えば510や910の時は勢いがありましたよね~
特に910は幼稚園~小学校低学年でリアルにその凄さを感じましたから、尚更です。
街中には今のプリウスほどではないけど、いたるところで910を見る機会がありました。
特に赤/黒の2トーン・・・これは多かったなぁ・・・
その後、U11→U12→U13→U14・・・と続き、輸出用パルサーセダンをベースとしたG10へと変化し、そのコンセプトを更に昇華したG11・・・となったわけですが、G10が出た時点で「コレがブルだ」と言われてひっくり返りそうになった人は多かったと思います(自分もその一人でした)。
だからといって、ここであわてて「SSS」とか出してほしくなかったし、仮に出していたとしてもブーイングの嵐だったかと・・・
もし、ゴーンがいなかったら間違いなく「SSS」を出していたでしょう。
でも、それは結局なかった。
悲しいですが、それもブルーバードシルフィの商品力低下につながり、ブランド廃止に追い込まれた理由だと思います。
時代に囚われることのない車造りも必要なのはわかりますが、車名を聞いて安心感を覚える人もまだまだいると思うんです。
トヨタがコロナからコロナプレミオ・・・そしてプレミオへと変化させた時もコロナの愛用者から多数の意見があったそうです。
日産としても、出来る限り「ブルーバード」の名前は残したかった。
でも、時代の変化とともに、車そのものの変化も必要・・・と考えたのでしょうね。
いずれにしろ、苦汁の決断だったと思います。
ここ日本と中国などのアジア圏では「シルフィ」、オセアニアでは懐かしの「パルサー」、そして北米などでは新型「セントラ」として・・都合120カ国での販売を予定しているのですが、もっと本腰入れて売るにはハイブリッドなどの「とび道具」も必要なのでは・・・と思うのですが(^^;
さて、肝心の車両ですけど、タイや中国から65%ほどパーツを輸入して追浜で製造する「半ノックダウン生産」となるそうで、純国産はエンジンやサス、バッテリー、小物パーツぐらいです。
ドア等のボディは中国から、内装部品はタイから来るんだそうです。
車両丸ごとの輸入としなかったのは国内の空洞化を少しでも避けたかったからでしょう。
リーフ、キューブ、ジュークだけではどう考えても製造ラインはガラガラでしょうから・・・(笑
エンジンはMRA8DE・・・というこれまた聞きなれない型式ですが、早い話、MR18DEの改良版ではなく、MR16DEのボアとストロークを拡大し、ジュークで採用されたデュアルインジェクターを組み合わせた新作らしいです。
それに組み合わせるミッションも副変速機付のCVTで、こちらはこのクラス初。
なので、走りはそれなりに期待できるかと・・・。
エクステリアデザイン中国人が好みそうなややコテコテしたものですが、ギリギリ日本人の好みにも合いそうなデザインです。
車幅は1.760㎜・・・と残念ながら5ナンバーから出て、3ナンバー枠となってしまいましたが、J31よりも5mm狭いだけなので、日本での取り回しはさほど苦労しないですむでしょう。
内装はパーキングブレーキがサイドレバー式になり、高級感がやや後退した印象。
しかも、左ハンドル仕様の設定のまま!!
コストダウンのためとはいえ、ここに日産の悪意を感じます。
ホイールはようやくこのクラスに見合った5Hになり、操安性が今まで以上に増しそうです。
グレードは近年の日産車の慣例にのっとり「S」「X」「G」の3つ。
SRSサイドエアバッグは選べませんが、価格・内容を鑑みると個人的には「X」で充分!
(ディスチャージヘッドランプやアルミはどうせアフターで買うので)
Posted at 2012/12/07 11:31:45 | |
トラックバック(0) |
新車 | クルマ