2013年01月07日
走り初めとリア充の蕾
2013年も明けきり、本日1月7日は七草粥が振る舞われる人日の節句。
相当な出遅れ感がございますが、まずは新年おめでとうございます。
曜日の都合上、望外に長い休みを取られた方も多く、いいリフレッシュになった反面、仕事始めの本日、リバウンドに悩まされていませんでしょうか?
さて、私ことFlyingVの年始は、いつもどおり、カウントダウンと同時に、清めが済んだ身に鉄鋲の着いたベルト、日章旗のバンダナなどの正装を施し、神器たるGIBSONフライングVを厳かに下げて、古式ゆかしきメタルの作法に倣い、八百万のHMゴッド達に叩頭九拝(別名:ヘッドバッキング)をしてから、我らがLOUDNESSの『CRAZYDOCTOR』で神楽を舞った後、就寝。
迎えた元旦の朝、ささいなことがきっかけで嫁とまさかの大喧嘩が勃発。
その後、仲直りしたものの、近所の氏神での運だめしにと引いたおみくじは小吉と微妙な結果に、その晩、愛犬DANDYに間違って指をしたたかに噛まれる怪我を負うなど、散々なスタートではございましたが、百田尚樹著の『海賊と呼ばれた男』に魂が打ち震え、昨年に引き続き旧友と邂逅したり、新しいボーカル(年齢不詳の妙に色っぽい自称タレント)がようやく見つかってトリオ編成だったバンドも再始動と、硬化していた感性が一皮めくれるような、干支の『巳』にふさわしい年になるような予感がしてまいりました。
E46M3に至りましても、例年、この時期に不動になるのはお約束、動いたら動いたで怪しげな白い液体をぶっかけられたりと、とにかく年始はトラブルがつきものだったのものの、こと、今年に至っては絶好調。
先日、久方ぶりにバッテリーを繋げて深夜の高速に連れ出した初乗りでも、吸気温度が低いせいか、鋭いレスポンスはいつも以上で、艶やかな嬌声とともに吹け上がる至高の直6と、淀みなく沸き出す密度の高いパワー感に、所有してから7年目に突入しようとする今も愛着は増すばかり。
その東名阪で、偶然出会ったRX-8スピリットRとのランデブーも、直6NAとロータリーとのお互い消えゆくパワーユニットの矜持を存分に謳い上げた、清々しい初乗りが実現いたしました。
マイレージは相変わらず36000kmと保存モードながら、今年こそ、もう少し乗らねばと心新たにした次第です。
ちなみに、インプの後釜選びは、元旦に勃発した嫁との仁義なき大喧嘩により、決まり掛っていた候補が却下され、今現在、白紙に戻っております(涙)
そんな通常営業の我が家では、昨年末、ちょっとした事件が起きまして、長文かつ取り留めのないエピソードで恐縮でございますが、お暇でしたらお目通しくださいませ。
画像は、クリスマスプレゼントとして用意していた3DSのモンハンパック。
ゲーム機を買い与えなかったばかりに、ついに、6年生では唯一、DSを持っていない生徒になってしまった息子のために、友達を遊ぶ時間を削って野球にテニス、公文式などの習い事を頑張り続けたご褒美として、こっそり用意していたものです。
ゲーム機を買わないことや、習い事などは、全て嫁の方針。
しかしながら、本人から「欲しい。」と言われたことはほとんどなく、普段から自分の意見を言うよりもまず相手の言い分を優先してしまう損な性格ゆえ、親に遠慮をし、学校でゲームの話題に入れないなど肩身の狭い思いをしていたと想像すると、さすがにいたたまれなくなり、嫁に内緒で買い置きを。
モンハンは、親として感受性の強い今の時期にはあまり感心できないソフトでございますが、息子の親しい友達が押し並べてプレイしていると聞いていたので、彼の自制を信じてのこと。
しかし、訳あって、この3DSは、今は私のものになっているのです。
それは、25日の朝、息子の喜ぶ顔を楽しみに、食卓についた時のこと。
寝室からバリバリと包装紙が開けられた音がし、(お、気がついたな。)と、感激に身悶えする息子を待ちかまえていると、眠たそうな目をこすりながら、俯き加減のままプレゼント片手にこちらに。
(あれ、なんか反応が違うぞ。そうか、あまりの出来ごとに、現実を受け止めきれずにいるのか!)
と暖かい目をして、椅子に腰かける息子を見守っていると、3DSをテーブルに置き、
「父ちゃん、これさ、、、、」と勿体ぶる息子。
「そうだ、お前のだ。」アメリカのホームドラマのような物分かりのいい父親よろしく、噛みしめるように伝えると、
「ありがとう。あのね、、、」
寝起きのせいか、気持ちの整理が付かないのか、言葉が中々出てこない息子に、
「いいんだ。よく頑張ったもんな。うんうん。」と、なぜか先に感極まる私。
すると、キッチンで洗い物をしていた嫁がおもむろに振り向いたかと思うと、
「え?なに、それ、プレゼントで置いてあったの?」濡れた手を拭くのももどかしく、3DSを掴み上げ、低く抑揚のない声で、
「まさか、パパの仕業!?」と、私の方へと鋭い視線を向けてきたのではありませんか。
「いや、ほら、あの、、、」
たちまち身が竦み、しどろもどろに。
(あかん、、嫁がリオレイアと被る。いや、そんな可愛いもんじゃない、、、あれは、まさに、女媧、安珍清姫、ゴーゴン、ヘラ、カーリー、巴御前が丸ごとフュージョンしたような、あ、カラミティ・ジェーンを忘れていた、、って、なんだか分からんけど、とにかくやばい・・・)
「え~、そろそろ仕事に行かないと。」とルーラを唱えようとした私に、
「パパ、そんなに急ぐ予定入ってなかったよね。」
「はい。」と、いつも通りに身柄を拘束されてしまいました。
ゲーム反対の嫁に黙って3DSを買ってしまいある程度文句を言われることと、息子が、その嫁を気にしていて、中々喜びを表現できないでいることを予想はしていたものの、怖々、顔をあげてみると、そこにはなぜか困惑したような複雑な表情を浮かべる嫁がいるじゃありませんか。
「あのね、パパ、、、」と嫁がようやく口を開きかけたところを、
「待って、母ちゃん。オレから話す。」と制止したのは息子でした。
「なに?一体、何の話??」
てっきり怒られると覚悟を決めたのが、一転してなんだか妙な雰囲気に。
(最近、嫁がメールを見ながら嬉しそうにしているけど、まさか、そういうことなのか!!!!)と、昼ドラ妄想爆進中の私に、息子がいつになく神妙な面持ちで、こう告げて来たのでした。
「実は、オレ、3DS 、持ってるの。」
「ひゃ、ひゃい!?」言っている意味がすぐに理解できず、変な声を出すアラフォーメタラー。
「モンハンもやってて、、、」
「なんだと!?」
「実は、3月に買ってもらっちゃった。」
「買ってもらっちゃって、お前、、、」
「うん、母ちゃんに。」と嫁に目くばせする息子。
その後を、嫁が続けたのでした。
「ごめんなさい、友達の輪に入れないからって、可愛そうになって、パパ、お仕事忙しいし、言い出すタイミングがなかなか無くて、、、」
「うん、まあ、言いにくい状況をこっちが作っていたのなら、悪かったけど、9ヶ月も前だよ。それぐらいさ、一言あっても罰は当たらないよね。で、どうしよう、これ。」
「売ったら。」と現金な嫁。
「そんなの勿体ないよ。父ちゃん、オレと通信しようよ。」
さっきまでの沈痛さはどこへやら、いきなり目を輝かせる息子。
「う~ん、でも下手だぞ。それに時間もないしな。」あまり乗り気でない私に
「平気だって。オレ、G級だし。」と胸を張っていました。
隠し事は良くないまでも、その程度で目くじらを立てる訳でもなく、時間が空いたら息子にモンハンを指南してもらおうかと、仕事に向かい、この件は終息したかに思われたのですが、年末、さらなる驚愕の事態が待ち受けていたのでした。
こたつに入って、堂々と3DSを開く息子。
「モンハンやってるのか?」
「今はどうぶつの森。」
「ふ~ん、聞いたことはあるけど、おもしろいか??」
「おもしろいよ~オンラインで友達と一緒にできるんだよ。」
「へぇ、で、今は、誰とやってるんだ?」
「え~と、K太郎でしょ、それからT太ね、それから、、、」とクラスメートたちの名前がすらすら上がり、顔を思い出しながら聞いていると、最後の最後に、衝撃の事実が明らかにされたのでした。
「後はね、ふふふ、彼女。」
「か、何だって?かの??お父ちゃんの聞き間違いか!?」と長年のバンド活動でいよいよ難聴になったかと、我が耳を疑う私に、
「だから、彼女だって。」
「あ、ゲームの中のことね。」と都合よく解釈しかかるも、
「ちげえよ!!本当の彼女、○○のこと。お父ちゃん、知っているでしょ!!」
半ギレの息子の口から出て来たのは、クラスでも人気の女の子の名前。
「待て待て待て、お前、まだ6年生だろ。小学生らしいと言うか、他にやることあるだろ。」
「いいじゃん、両想いなんだし、ほら、告白されたのオレの方なんだよ。」とドヤ顔で向けて来たDSのディスプレイには、確かに、幼くも拙い、その子との恋のやりとりが映っているではありませんか。
「ツルッツルのくせに、彼女なんて早いわ!!お父ちゃんがお前ぐらいの頃なんてな、畜生、畜生、、、」と友達の家でコロコロコミックを読み漁っていた冴えない小学生時代を思い出して、一人取り乱していると、
「オレはオレ、お父ちゃんはお父ちゃん。チャットもできるし、メールもやれるもん。DS持ってて良かった。」と再び、DSに没頭しだしたのでした。
告白がゲームで完結してしまうなんて、相手のお父さんが電話に出るスリリングな瞬間も、本人を目の前にしてあれほど練習してきた気持ちが上手く伝えられなかったりなど、そんな駆け引きや機微もなく、それどころか、携帯すらもいらないとは、便利さと罪深さは表裏一体だと感じ入ったこの日。
それよりも許し難いのは、とんだリア充だった12才の息子のこと。
DSのことは許すとして、幼少のころより様式美ギタリストに育て上げたいと思いつつ、子守唄は極上のメロスピを流したりと、事あるごとに様々なエッセンスを注ぎこんではいましたが、様式美の悲哀を体現できる最たるものは『恋の破滅』
破恋の屍を累々と積み上げ、そこに裏切りと偽りのスパイスを振りかけ、すり潰した心によって分解発酵した中から、魂を掻きむしる狂おしいマイナーフレーズが生まれて来ると言うもの。
それなのに、目の前の息子は、今にも、「恋って、素晴らしい~♪」とCメジャーで歌いだしそうな、お花畑状態ではありませんか。
だが、息子よ、忘れるな、お前に流れているのは、この私のDNAなのだ。
そして、見るがいい、この父の背中を。
チョコが嫌いと強がったバレンタイン、第二ボタンをこっそり隠して持ち帰った卒業式、自分用なのに贈り物用と伝えて意味のないラッピングしてもらったファンシーショップのレジ、2枚買った映画のチケットで2回映画を観たあの日々、ああ、なんだか書いていてものすごく辛くなってきたぞ(思出涙)
と思春期の古傷がごっそり開いて、過呼吸になりかかる私を尻目に、彼女との初デートにH山動物園に行くと得意げな息子。
「コアラ見て、ボートに乗るんだ。」と声を弾ませる彼の手を取って、何も言わずに握らせた1枚の500円玉。
やがて、お前は知るであろう。
その動物園のボートは、恋人と乗るとたちどころに不仲になる曰くつきスポットだということと、それを敢えて伝えなかった親心を。
今でなくとも、そう遠くない未来、青臭く匂い立つようなリビドーを様式美へと昇華したい衝動に駆られ、愛器FlyingVを私から受け取るその時までに。
とまあ、相変わらず毒にも薬にもならない長文ブログではございますが、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
2013年1月吉日 FlyingV拝
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Posted at
2013/01/07 18:54:27
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