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2021年03月29日 イイね!

女子大生とS3 とある運び屋の惨劇 最終章

さて、いつまでも前車と過去を引き摺っていてもいけませんから、さっくり終わらせていた来たいと思います。
ようやく最終章、お暇な方はどうぞお付き合いください。

--------本編---------
ホテルのエントランスにS3を横付けし、彼女達を先に下す。
依頼はほぼ半分までなし遂げたといってもいいだろう。

向かうは、点心の有名店。
一度、上海で行ったことがある店が当地で新規開店していたのだ。
エレベーターで高層階に上り、受付で予約したことを伝え、店内へ。
個室に案内され、コースでいいか確認し、オーダーを入れた。
全員アルコールがNGのため、ソフトドリンクで乾杯をし、再びガールズトークが炸裂した。
「ナースさ、あれ着たら。」量産型が言うあれとは、料理を運んできた女性店員のチャイナドレスだ。
「うわエロっ!」ナースのボディラインをガン見するカナ。
「DTを絶対殺すドレスじゃん。」と量産型。
うん、激しく同意だ。
「先生、どう思います?中国でお仕事されてたんですよね?」
「え?あ、まあ、似合うんじゃないの。」
「ところで先生、いつからDTなんですか~うふふふ」と意味ありげなジト目で昭和のセクハラをかましてくるナース。
とこんな感じで、いつも通りおちょくられ、俺のHPが残り10%となったところで祝賀会は終わった。

あとは依頼品である彼女たちを送り届けて依頼達成だ。

量産型はナースの所に泊まるとのことなので、途中で降ろし、残るはナビシートのカナ。
そうか俺が運ぶ最後の荷物はカナだったか。
ナビシートに差し込む街灯や看板、ビルの明かりが、代わり代わり、倉科カナ似の横顔を浮かび上がらせる。
ナビの示す目的地まで間もなくという所で、信号待ちでふいに目が合い、ドキリとさせられた。
「あの辺だよね?」
「そうなんですけど、私、今、一人暮らしなんですよ。」
「え?」
「おじいちゃんのマンションの部屋を一つ貰ったんです。」
「は?」
「あ、そこの交差点を右折で。あれです。」
と指さす方角には、いかにも高そうな高層マンションが。
「でっけー!!ちょっと待って、、、あれに一人?」
「でも、2LDKなので、そんなでもないですよ。リビングにはスタンリーのピアノが置いてあって、狭いですし。」
「いやいや、、、スタンリーって、フェラーリ買えるじゃん。。。」
「一人暮らしして分かりました。私、結構寂しがり屋だったんです。」
「う、うん。」
「駐車場もありますし、そこの地下入って、〇番にお車停めていいですよ。」
スロープを降りると、高級車がずらりと並ぶ地下駐車場が開けた。
カメラもそこかしこにあり、専任の守衛もいるなど、さすがのセレブリティぶりだ。
「先生、もし 、、あの、、、、お茶でもどうですか?」
な、、、な、、、、ん、だ、、、と、、、
あ、危ない、、、脊髄反射で、うんと言ってしまう所だった。
だが、俺はプロだ。
パンツを確認している場合じゃない。
「いいよいいよ、何か悪いし、このまま帰るから。」
「そうですよね、、お忙しいですもんね。あ、これ、今日のお礼というか、クリスマスに焼き菓子失敗しちゃって、そのリベンジで持ってきました。」
「ああ、ありがとう。」
「あと、先生、覚えてます?あの愛知医科大学の過去問。私が書けなかったあの問題。」
「うん。」
その過去問とは、
あなたにはこれまで3年間真剣なお付き合いをしてきて、来年ぐらいに結婚を約束している彼ないし彼女がいるとします。ところが2カ月前にふとしたことで知り合った別の人が好きになってしまい、今付き合っている人と別れる決心をしました。600字以内で別れの手紙を書いてください。』(2015年 愛知医科大学一般入学試験・2次試験・小論文2日目)というもので、
恋愛は2次元、3次元は医学部に受かってからと心に決め、ホメオパシーとか尊厳死だとか医学部小論文を対策しまくって臨んだ超進学校のDT受験生たちを奈落の底に突き落とした伝説の設問だ。
カナはこれを苦手としていた。
ま、結果、国立医学部合格なので、どうにも良かったのだが。
「私、書き直してきたんですよ。」とナビシートから降りる間際にクリアファイルを差し出してきた。
「今日はありがとうございました、お気を付けて。」
そう言うと、エレベータホールへと消えていった。

終わった。運び屋としての責務を全うした。
どうだフランク、この俺の仕事ぶり。
途中、アクシデントはあったが、任務を完遂したのだ、。
軽くなった財布とともに程よい疲れと達成感に包まれ、俺は、家路についた。

駐車場にS3を停め、カナがくれた紙袋を開けてみた。
中には、形の良いカヌレとマドレーヌがいくつか入っている。
その一つを頬張りながら、俺は、ふと、カナが書いた600字の回答を手にとった。
何気なく読み進めたとたん、マドレーヌは俺の手からフロアに転がり落ちていった。
その回答というのは、手紙の主は『カナ』、新恋人は『イケメンB君』、で、、、、別れる恋人は、『俺』じゃねえか!!
なにが、『先生と生徒でこんなことを続けるのは良くない。』だ!!
しかも、末尾にシーズン2に続くって、何も始まってもいないだろーが!!!
今時、別冊マー〇レットでもやらない陳皮な設定で、全く身に覚えもないことをこうもリアルに描写できるとは、いつの間にこんな文書力まで身に着けやがって、って俺の授業か。
もしこれを家に持ち込み、家人の目にするところとなったら、フランクどころの惨事では済まない。

取り敢えず回答をファイルに戻そうとしていると、俺のスマホが鳴った。
見なくても分かる。
「先生、絶対添削して下さいね(笑)お待ちしています(笑笑)」とのメッセがディスプレイに浮かんでいた。

やはり、依頼品を開けるとロクなことはない。
さて、フランク、俺が悪かった。
この後の本編、どう切り抜けようか。。。

~女子大生とS3 シーズン1 終了~
Posted at 2021/03/29 11:25:19 | コメント(2) | トラックバック(0) | AUDI S3 | 日記
2021年03月18日 イイね!

女子大生とS3 とある運び屋の事件簿 その4

反省を込めつつ、ほとんど整理しないまま書き残してあったこのシリーズ。そろそろ終わらせたく、ちょいと長めに掲載いたしました。
お暇な方はどうぞお付き合いください。

--------本編---------

ナースは、こちらがバックミラーを確認するタイミングに合わせて足を組み替えているようだ。
足を伸ばしたり、膝をわざとらしく掻いたり、その度にジト目で、俺の様子を窺うようにしている。
依頼品の中身を見ていけないとはとんでもない縛りだ。
禁室型の神話が数多く残り、そのほとんどが中身を空けてしまうといった、神すら守れない禁忌をどうして人が守れようか。

そうしているうちに、事件は三車線の国道に合流し、信号待ちをした時に起きた。
「ねえ、ちょっと、あれ、あの車!」と後ろから身を乗り出す量産型。
「何?え、もしかして、、、」
「マジで?」とあとの二人。
彼女たちが指差すのは、左側車線の1台前にいるワインレッドのC〇-R。
「やだ、何でいるの?」
「キモイ、キモイ」と騒がしい。
「ちょっと落ち着け、一体、何だってんだ。」
「あのね、先生、あの車、量産型の元カレのと同じやつで色も同じ。」ナースが身を乗り出してくる。
「いや、だってあれ、たくさん売れてるし、そうとは限らないんじゃないの?」とC〇-Rへのとんだ風評被害をフォローする俺。
「絶対そうですって。推薦決まった後、すぐ免許取って、卒業前に買ってもらったって言って、乗ってきてましたもん。カナも知ってるよね?」とナースのキラーパスがカナに飛ぶ。
「う、うん。。。」歯切れの悪いカナ。
「何でカナが知っているの?」量産型がパスを拾った。
「え、、何でって、皆に自慢してたし、、、あ、先生、信号、青。」
青信号がナースのキラーパスをセーブした。

「先生、何かないんですか?押したらミサイル出たりするボタン。ほんと、あいつホント、バラバラに爆ぜてほしい。」とやたら物騒な量産型。
「なんなら、私が小〇(元カレ)爆ぜさせて、臓物ぶちまけちゃいましょうか~Re:ゼロのエルザは臓物大好き~うふふふふふ」
思い出した、ナースはBLだけでなく、グロ好きだった、、、
一部男子から『オロチ丸』と呼ばれ、恐れられていたんだった。
白衣の天使どころかまさにサイレントヒルのアレだ。
ていうか、まずスカートどうにかしろ。小〇の臓物より、お前の中身がエライことになっているぞ。
「先生、ナースの目がヤバい。あ、小〇(元カレ)の車、近い近い!!!」
「分かった。」俺はコンソールからダイナミックモードを選択した。
途端に勇ましくなる排気音。
パドルシフトの左側をクリックし、アクセルペダルを押し込む。
S3は女子大生3人を乗せ、傲然とC〇-Rを抜き去っていった。

「で、本人だった?」
「キモくてよく見なかった。けど、なんか若い感じだったから、そうかも。」
とにかく適当な量産型に、
「全然違う、イケメンが運転してたよ。あいつ、色白ぽっちゃりじゃん。」とカナ。
「なら良かった。」シートバックに量産型が体を預ける。
「でも本当、キモかったよね、小〇。なんかレールガンってアニメのキャラクターと声優、待ち受けどころか、イベントとか学校休んで行ってたし。」と仮にも彼氏だった小〇の悪口が止まらない量産型。
「あー俺の嫁とか言ってね。缶バッチとかうざかったよね。」と正気に戻ったナース。
「あいつさ、獣人?アニメによく出てくる、耳と尻尾のついた美少女の、、、ホント好きすぎて、俺の純潔は獣人に捧げるとかいって、眼鏡キラキラさせて熱く語るの。」
「色んなところから小〇の苦情がなぜか私ところに来てたんだよ。自分ことクールなイケメン設定にしてたよね。」とカナ。
「量産型、お前、よくそんな奴と付き合ってたな。」
「だって、付き合ってってしつこかったんだもん。それに、なんか私がイケメンに育成するみたいな、、そんなことができると信じていた時期もありましたっと。で、先生、聞いてくださいよ。私が39度の熱で寝込んでいた時があって、、、、」
「あー、あれ!!」とナース。
「私の家、誰もいなくて、しんどくてしんどくて、取り合えず、朝6時に小〇(元カレ)に学校休むってラインしたんですよ。そしたら、ヤツ、どうしたと思います?」
「さあ。」
「朝の6時半に、玄関がピンポンピンポン鳴るんです。何とか体起こして、開けたら、ヤツがいたんです!しかもお母さんの運転で。」
「マザコンだもんね~全部お母さんに報告してたんでしょ?」とカナ。
「そう、で、あいつ、勝手に入って来て、普通看病してくれると思うじゃん。私、もうフラフラで、ベッドに倒れこんだの。頭もぐらぐらしてて、意識もボーとなってて、、、」
「で、なんか汗かいているみたいだからって言いながら、布団の中ゴソゴソし始めて。私も、なんだかよく聞こえなくて、うんとか言っちゃってたんだよね。」
「パジャマとか着替えさせてくれるのかなって感じだったんだけど、なんか、変なの。」
「変って、、まさか、、、」
「脱いだ後着せてくれないの。」
「もうキモ過ぎ、、、やめて。」と耳をふさぐナース。
「私も寒気がすごいし、フーフー息が顔にかかるし、ずっとゴソゴソしているしで、頑張って目を開けて起き上がってみたら、中途半端にパジャマ脱がされてて、目の前に小〇の顔があるの。わーって突き飛ばしたら、あいつの手、何持ってたと思います?尻尾ですよ、尻尾!!」
「は?尻尾?」
「そう、尻尾。コスプレとかで使うフサフサで青いの。」
「え?」
「で、私の頭になんか乗っているんです。冷えピタにしてはオデコそこじゃないよなって思って、触ってみたら、、、、」
「・・・ゴクリ・・・」
「耳!!獣の耳の、、、その猫耳カチューシャ、付けられてたんですよ!!!私が寝込んで何もできないのをいいことに!!!!!」
「何回聞いてもホントキモーい!!!!」
「あいつ、シレっと『だって、いいって言ったじゃん』って。秒で追い出しました。後から知ったんですが、いつも持ち歩いているみたいです、耳と尻尾。いつDT捨ててもいいように。」
おーい、小〇、お前のいないところで、地獄が始まってるぞ~
俺が代わりに泣いてやってもいいが、すまん、全く同情できん。
せめて大学では通報されないように気をつけろよ~

「さらに、むかつくことに、好きな人ができたって、私がフラれたみたいになったんです!!」
「その人と付き合ったの?」と俺。
「それはないと思います。でも告白されたとか言ってたような、、、カナ知っている?」
「う、ううん付き合ってないよ、、、、」
そのカナをジト目で覗くナース。
「ごめん、私、小〇に告白されたの。なんか俺のこと好きみたいだから付き合ってやるみたいに、、、ちょうど小〇が調子に乗りすぎてて、ウザ過ぎたでしょ。で、サキ達から頼まれて、ちょっとその気にさせ過ぎちゃったって言うか、、、」と量産型に向かって両手を合わせるカナ。
「量産型と別れるのが条件みたいな感じにしたんだよね~で、皆が賭け、、いや、予想通り別れたところで、秒で地獄に突き落としたと。」やけに詳しいナース。
「あー、、、ま、そんなことだろうと思った。そもそもあいつにカナなんて絶対無理じゃん。」
「怒ってない?」
「全然。私からフリたかったなーってのはあるけどね。いや、ちょっと待って、私とカナを天秤に乗せたってこと?あっさりカナになびいて、え、で、皆、カナに賭けてたって、それ酷くない?ヤツもサイテーだけど、皆もサイテーじゃん!!」
「ホント、ごめん、、この償いは絶対するから!先生が(笑)」
こんな調子で車内のガールズトークは止まることなく、そして、熟しかけた果実が発するアンバランスなフェロモンがS3のコンパクトなキャビンに充満し、何度も噎せ返りそうになりながら俺はハンドルを握った。

~完結編に続く~

Posted at 2021/03/18 14:59:17 | コメント(2) | トラックバック(0) | AUDI S3 | 日記
2021年03月10日 イイね!

女子大生とS3 とある運び屋の眼福 その3

自分に課した週一アップのノルマをクリアすべく、小出しにしております、このシリーズ。
ノンフィクションに基づくとはいえ、一体、どうしてこんなものを書いたのか、当時の自分の脳みそを開けて覗いてみたくなる今日この頃。
ま、あまり深く考えるのはやめて、週の中日のコーヒーブレイクにでもして下さいませ。

--------本編---------

運び屋である俺のタスクをおさらいすると、
『依頼主』は3人のうちの誰か。俺はその正体を絶対に特定しない。
『依頼品の中身』は見ない。
『契約厳守』だ。
理由はどうあれ、フランクは結局、全部、反故にした挙句、あろうことか依頼主をぶっ殺し、依頼品の美女とイチャラブな関係になるという運び屋の風上にも置けないアマチュアだ。大体、ステイサムのくせいにステイが出来ないとは情けない。
だが、俺はプロ中のプロ、そうはいかない。

「そろそろ時間だし、行こうか。」
「はーい!」と席を立つ彼女たち。
相変わらず伝票は俺の前でステイしている。
(これも依頼の内。)と、それを手に取り、会計へ。
「ご馳走様でした~」と一際元気なお礼とともに店を出た。

少し背伸びして駐車場を見渡すカナ。
「ちゃんとAudiで来てくれました?」
「どうかな。」
「え?もしかして売っちゃったんですか?」
「だとしたら?」
「え~ダメですよ、、、って、あそこにあるじゃないですか!!」
駐車場の隅のS3を目ざとく見つける。
「そりゃ約束だから。」
「ちょっと待ってくださいよ、、、そんなに早く歩けない、、、」
そうか、カナの背が伸びたなと感じたのは、ヒールのある靴を履いているからだ。
「これこれ、このAudi!」
「ね~かっこいいよね。」と意外にもナースと量産型にもウケがいい。
「乗っていいですか。」
「お、おう。」
オートロックを解除すると、「うわ、低い、、、スカート見えちゃうかも、、、」と言いながら、彼女達はスラリとした足を折りたたみ、器用に体を滑り込ませた。

「へ~こういう風になっているんですね~、、なんか出てきたー!!」
カナがエンジンスタート時のインパネのギミックにいちいち反応している。
「おもしろい?昭和の頃ならともかく、平成後半生まれの若い子たちは車なんて興味ないでしょ。」
「そんなことないですよ。かっこいい車だなって思ってましたし、先生に似合っているじゃないですか。」
車を褒められるのは勿論だが、似合っているとはこれまた嬉しいことを言う。
いやいや油断は禁物、こいつは無自覚に『あれ、俺のこと好きなんじゃね?』と匂わす悪魔の実の能力者だ。これまで何人もの男子生徒の屍をこの目で見てきた。
エンジンスタート時の勇ましいエキゾーストノートに、
「結構、大きな音するんですね。」とナビシートのカナ。
「あースポーツグレードだからね。乗り心地もそんなに良くないかもよ。」
「Audiって、良く分からないんですけど、前の彼氏のお父さんが乗ってて、たまに彼氏が借りてたんですけど、こっちのほうが速そうっていうか、違いますね。」
「カナのとこ、おじいちゃんがなんかでっかいの乗ってたよね。あれ何?」とナース。
「え~と、、、、ベントレーだったかな、、、、」
「うーわ、さすが大病院の院長先生!合格祝いに何買ってもらったんだっけ?」
「うんと、、、バイオリンと世界一周、、、、」
「マジか!!」by全員
「うん、学会のついでに連れて行ってくれるって。」
「私、合格祝いにこの車欲しいー!!頂戴!!!ていうか彼氏も欲しい!!!先生、合格したらモテモテって言ってたじゃん」とリアシートからウザ絡みする量産型。
断じてそんなこと言ってないし、もし仮にそうだったら、俺自身、毎年大学受験している。
「あんたさ、せっかく可愛くなったのに、そういう所がダメなんだって。」
と冷静にたしなめるナースに、
「合コン荒らしてるあなたには言われたくありませんよ~先生、聞いてくださいよ、ナースってば、すごいビッチなんですよ~」
「違いますよ、勝手に告られて、付き合う気がないって言ったんです。それが何回かあって。。。私が2次ショタ好きなの知ってるじゃん。それなのに合コン付いてきてくれってお願いするからだし。それ言ったら、量産型のインスタも相当あざといよね。」
「はい、モテ自慢、乙。ちょっと、カナ、医大生紹介してよ~開業医のさ~」
「もう分かったから。先生が運転に集中できないじゃん。」
全くもってカナの言う通りだ。
お前ら、頼むから、足を組むか揃えるかして乗ってくれ。
ああ、くそっ、、また目に入ってしまった。
特にナース、お前は一体、俺に何を見せようとしてるんだ。

このまま平穏に依頼を実行できるはずだった。
それなのにあんなアクシデントに見舞われるとは、フランクですら予想もつかないことだった。

~その4に続く~



Posted at 2021/03/10 12:14:18 | コメント(4) | トラックバック(0) | AUDI S3 | 日記
2021年03月02日 イイね!

女子大生とS3 とある運び屋の独白 その2

週刊連載として、せめて富樫〇博よりは仕事しようと思いつつ、頑張ってアップをしてまいります。
とはいっても、書き溜めたものを手直ししただけですが(汗)

さて、『女子大生とS3』のその2です。

--------本編---------

彼女たちの誰かが雑誌を戻しに行ったり、お手洗いに立とうものなら、くつろいでいるオイさん達の顔が新聞の隙間や雑誌の横からチラホラ覗く。堂々とガン見する漢もいる。
そして、彼女たちがボックス席に戻ってくるたびに、彼らからの血走った視線が『うらやま死刑!』と俺に突き刺さる。
「先生、お腹空いた~」
「私も。」
「どこ連れてってくれるんですか?」
「お肉、、先生、焼き肉は?」
「カ〇ビとか網〇亭とかだったら、怒りますよ。」
「でも、お寿司もいいかも。」
「あそこは、ほら、、、ちょっと待って、、、ここ。」とスマホの画面を差し出して来る。
「いいかも~先生も見て。」
「クーポンは、ありま~す!!キリッ」
ああ、そんな感じのリケジョがいたっけ。
俺には、水すら出されていないというのに、なんと自分の欲求に正直なのだろう。ノーと言えない日本人は前時代の遺物になったのか。
「お店はもう決めてあるんだ。」と俺。
「どこ、どこですか?」
「内緒。」
「ケチー、、宗教上の理由とかで食べられないお店だったらどうするんですかー!」
「一体、何教なんだよ、、、」
「空飛ぶスパゲティモンスター教、、、、あっはははは、、、お腹痛い、、、」
つられて二人も笑い出す。その声がこれまた店内によく通る。

「先生、今何やってるんですか?」
「バンドって、メタル?ビジュアル系でしたよね?まだやってるんですか?ライブはいつですか?」とカナ。
ライブはやることはやるが、ま、それを伝えたとしても社交辞令だな。
「台記の藤原頼長って結局バイだったんですか?先生はガチでしたっけ?受けでも攻めでもOKなんですけどね。」
さすが真性腐女子のナース、古文のBL展開になると目を輝かせていただけはある。おい、なんだそのグフフッて顔は。うん、敢えて否定はしないでおこう。
「聞いてくださいよ、元カレ、推薦で受かってたんですよ!酷くないですか!?」
量産型、そのお前の元カレを推薦で受からせたのは、この俺だ。
そしてお前は知らないだろうが、『元』カレになった原因はそこにいるカナだ。
「あの子覚えてます?ほら、私の横で眼鏡かけていた子。先生に宜しくって。」
はい宜しく。
「合格祝いi-Tunesにして下さい。スパチャでもいいですよ。」
自分で稼いでくれ。
「サークルってやっぱ、インカレがいいですか?バイトもしたいし、テニサーとかだといかにもって思われそうだし。」
知らん。学生時代、陰キャメタラーだった俺からのアドバイスは、『留年は2年までは許容範囲。オタクの、できればマーク・ザッカーバーグみたいなツレを作っておけ。』だ。
「そう言えば、ほら、授業で言ってたじゃないですか、ビリギャルじゃなくてビリオのこと。あれ、マジで感動しました。」
おお、俺の伝説の生徒だったビリオことか。内申13点、偏差値30からのリアル逆転劇は全世界が泣いたぞ。
と、こんな感じで、三方向から脈絡のない質問がサラウンドで耳に流れ込んで来る。
全力で受け応えをしていると、注文のモーニングカップが届いたころには、俺のヒットポイントは残り40%にまで削られてしまっていた。


~その3に続く~




Posted at 2021/03/02 15:29:08 | コメント(3) | トラックバック(0) | AUDI S3 | 日記
2021年02月24日 イイね!

女子大生とS3 とある運び屋日記 その1

女子大生とS3 とある運び屋日記 その1ごく限られたみん友さんからはご好評を博し、その他大勢の皆様の眉を曇らせた『M3とお姉さまシリーズ』のAudi S3版をご紹介。

病気になる前に書き溜めたものに少々手を加えただけにつき、ちょいと古いですが、お暇な時のお目汚しとしてお楽しみください。

Audiがメインカーの映画といえば、アベンジャーズもそうですが、あちらは、トニー・スタークのプライベートカーとして登場するのみ。ほぼ主人公と言っていいのは、そう「トランスポーター」(正確には2以降)ですね!
シリーズ最新作となる「イグニッション」ではS8がメインを張っています。

というわけで、「トランスポーター」をオマージュしつつ、虚実ないまぜにして吐き出してまいります。


----------本編----------

先日、とある依頼を受けた。
今日は、その約束の日だ。
プロの運び屋が守る3つのルールは知っての通り、「(依頼者の)名前は聞かない」「契約厳守」「依頼品は開けない」
と、その前に、いつになく手洗い洗車+ガラスコーティングのコースを奮発し、バリピカに仕上げられたS3を引き取りに行った。
俺も真新しい下着に着替え、S3に乗り込む。
おそらく、S3至上、最大にして最難関のミッションであり、それは死地へと向かうに近しいからだ。

依頼者から指定された場所は、シロノアールを全国区にしたとある街道沿いの名古屋喫茶。
5月に入ったばかりだというのに少し汗ばむ。
駐車場の隅に停め、俺はいつものように気配を消し、分厚い木扉を開けて、店内へと入った。
依頼者はと、、、いた、あの奥のボックスだ。
というより、こっちに向けて手を振っている。
なんということだ、気配を完全に消していたはずなのに、先に見つかってしまうとは、やはり今回の依頼は一筋縄ではいかない。

「先生、遅い!授業の時、5分前には用意しとけって言ってたのに、遅刻ですよ!」
「お久しぶりでーす。」
「やだ、本当に先生来てんじゃん。ウケル(笑)」
俺が先生と呼ばれているのは、裏稼業をカモフラージュする仮の姿の一つ。
詳しくは後述する。
手を振っていたのは、倉科カナ似の、国立大学医学部に通う医者の卵。「カナ」としておこう。
その隣は、黒髪ロングの和風な顔立ちながら、凶悪なボディラインをこれでもかと際立たせている看護学生。彼女はそうだな、「ナース」としよう。
何がウケたのか謎なのが、ユルフワヘアーの量産型女子大生。
「先生、そこどうぞ~」
言われるがままに、「量産型」の隣に腰かけた。
すでにレシートが俺の目の前に鎮座している。偶然でないとしたら、やはり油断ならない。
「久しぶり、元気そうだね。」
「はい!」と声を揃えるこの3人。
とにかく店内の他の客、特に男性客からの視線が痛い。
個性は三者三様、ビジュアルは控えめに言ってもハイレベルだ。
それに比べ、「あの冴えないヤロウ、なんなん?」との怨嗟の声が漏れ聞こえてきそうなほど、スーツ姿の俺は悲しいほど浮いている。
いや、そんなことどうでもいい。
集中すべきは依頼だ。

少し、ここで時系列と人間関係を整理しておこう。

世を忍ぶ表稼業と一つとして、色々訳あって大学受験生達の面倒を見ていた時期があった。
彼女らは、その時の教え子たちだ。
「合格したらAudiで美味しいもの連れて行く。」と勢いで口にしたのはあくまで社交辞令であり空手形だ。それをのらりくらりと躱していたのを、彼女たちが業を煮やし、今回の運びの依頼となったのだ。

「先生、いつにします?」
「約束しましたよね?」
「ダメですよ~大人なんですから、自分の言ったことに責任持たなきゃ」」
「あれ~もしかして、今さら無かったことにしようとしてません?」
「そうそう、一応、こっちの希望言っときますね。」
ここ最近のスマホの通知がこんな感じで姦しい。
俺の気分は、さながらアンブレア社に潜入したミラジョボビッチの前に立ちふさがるレーザー回廊か、はたまた、トレンドに便乗すると、無残様の前に引き出された下弦の鬼達といったところだろうか。
ふぅと一息ついて、ディスプレイを叩くと、数分と経たないうちに、新しい通知が来る。
「分かりました!来週の水曜ですね?」
「場所と時間はどうしますか?」
「あ、でも、先生、ちゃんとAudiで来て下さいね!そうなると、お酒はダメですね~残念ん!!」
「お店、こっちで適当に探しておきますね!」
再び、モタモタと入力していると、
「ここなんてどうですか?」
「前行った時、いい感じでしたよ♪」
「良かったら予約入れときましょうか?」
入力をキャンセルして、URLをタップした後、
なんとか「いいね。参考にするよ、ありがとう。」と返した。

これまでのいきさつを簡単に整理すると、ざっとこんな感じだ。

それにしても、本当に見違えた。
ほんの2ヶ月ほど前まで素朴な受験生だったのが、目を疑うようなばっちりメイク、体のラインも気のせいか丸く女性らしくなっている様に見える。
何よりも、まき散らすフェロモンの量がジャブローのミノフスキー粒子並みに凄まじい。

車で例えると、もともと倉科カナ似だったカナは、NSXがNSX-Rへの正常進化だ。
ナースは、黒髪おさげのジト目だったのが、地味で堅実なセダン、そうだな、3シリーズだと思っていたら実はB3だったみたいな感じだろうか、いや、あんな凄いものを隠し持っていたなんて、ランチャテーマ8.32の方がイメージは合うかもしれない。
量産型は、まさにフルモデルチェンジだ。クラスでも顔と名前がギリギリ一致するかどうかの目立たなさが、芋っぽい、いや失礼、お芋っぽいばっかりにFJ20を与えてもらいながら、全くパッとしなかったあのガゼールから、S13シルビアへと洗練されたように、今やそのビジュアルはアルファベット3文字のアイドルグループにいてもおかしくないほど。
彼女を見た瞬間、「アートフォォォォォース!!」と叫んでしまうところだった。

----------続く----------

Posted at 2021/02/24 14:25:27 | コメント(1) | トラックバック(0) | AUDI S3 | 日記

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「LとM (お披露目オフ&おまけの昭和レトロ) http://cvw.jp/b/192969/48462850/
何シテル?   06/02 11:47
20年前に偶然出会った96年式M3CLimousineを溺愛すること4年、そして涙の別離を乗り越え、その後、やって来たE46M3と忘れえぬ10年来を共にした不人...
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