
ちょっと前の話ですが、あるフェラーリのディーラーでFFの1泊2日のモニターキャンペーンをしており、お願いしたところ快く貸してくれることになりました。
ディーラーでビアンコフジ(白色)のFFとご対面です。
オプションで至る所にカーボンが使われていて、これならおそらく乗り出し価格で3500万円は軽く超えていると思われます。
走行距離も5000km程度でしたし、よくこんな高級車を無料で貸してくれるものだと感動します。
豪華すぎる内装の中、相変わらずへなちょこナビなのはご愛嬌。
しかもやたら現在地がズレるというオマケ付きです。
カリフォルニアに比べて幅は5cmだけ大きい1953mmなのですが、全長が4907mmもあるので、とても大きく感じます。
しかも慣れない左ハンドルなのでメチャクチャ緊張する。
「事故の場合の免責額がいくらいくら、ホイールを擦った場合は全額実費」などの誓約書にサインしましたし。
狭い路地よりも路駐の多い片側2車線の方が厄介です。
しかし、さすがはフェラーリ・FFなだけあって、周りの車がちゃんと避けてくれました。
折角なので遠出をしようと思い、那須温泉でとても評判が高い宿を予約をしていました。
高速道路に乗る頃には幅の広さも左ハンドルも全く気にならず、優雅にクルージング出来ます。
シートの座り心地は良好で、腰への負担が少ない。
乗り心地もかなり良く、後部座席は見た目よりもかなり余裕があります。
アクセルを強く踏めばV12フェラーリ特有の野太い音を奏でますが、普通に走っている時は至ってジェントル。
加速力も申し分なく、ギアを落として踏み込めば爆発的な瞬発力を見せてくれます。
さすが660馬力。
高速道路を降りてワインディングを走れば、1790kgの車重とも思えない軽やかな身のこなし。
フェラーリの良さはワインディングでこそ分かりますね。
少しフロントヘビーな感覚は否めませんが、フェラーリサウンドが気持ち良い。
中速から高速域にかけて、途切れることのない加速です。
ナビを除けば内装の質感も高く、大人4人がユッタリと乗れて、しかも4WDなので雨の日や雪道も安心。
素晴らしい車ですが、乗り出し3000万円の後半と考えれば良くて当たり前とも思います。
宿に行く道を間違えて田んぼのあぜ道に突入してしまいました。
トラクターにジロジロと見られて恥ずかしい。
いくら4WDとは言え、フェラーリで走るべき道ではありませんでした。
Uターンに気を遣うこと甚だしい。
2日目は雨に見舞われましたが、FFはさすがの安定感です。
すっかり慣れて加速やコーナリングを楽しんでしまいました。
「慣れると小さく感じられる車は完成度が高い」の格言通り、良い車です。
ヤバい、欲しくなって来た(笑)
V12の4シーターフェラーリは456にしても612にしても直ぐに下取り価格が下落しましたが、FFが今の所まだ高値安定なのも、この完成度の高さに因るのですね。
結局、2日間で500km以上も走りました。
こんなに左ハンドルを運転したのは初めてです。
しかし、ちょっと気を抜くと自然に右に寄ってしまっていました。
完全に自分のものにするにはもう少し時間が必要ですね。
燃費は…、高速道路主体だったのに5.3km/Lでした…。
こういう車で燃費を気にしてはいけないですね。
自分のカリフォルニアに乗り換えたら、とっても小さく軽く感じました。
まるでMiniに乗っている感じ。
より車両感覚が掴みやすくなりました。
V8の高く響くエンジン音も良いものだと改めて思った次第です。
だけどずっとFFに乗っていたので、ついウインカーのボタンを探してしまいました。
FFはウインカーもワイパーも全てボタンで操作し、レバーが存在しないのです。
一瞬ステアリング上をまさぐっている自分がいましたよ。
いや~、本当に良い経験をさせてもらえた2日間でした。
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試乗記 | クルマ
Posted at
2013/10/22 21:02:10