
昨日に続き、今年の記憶に残っている車の試乗記です。
9月にフェラーリのフラッグシップモデル「F12ベルリネッタ」を試乗することが出来ました。
F12は「512BB」「テスタロッサ」「550」「575」「599」の流れに連なる伝統的なV12モデル(「550」以前はMR、以後はFR)で、「F40」「エンツォ」などのスペシャルカーを除けば、フェラーリ最速の車種になります。
全長4618mm×全幅1942mm×全高1273mmで、先代の「599」より全長47mm、全幅20mm、全高63mmそれぞれ小さくなっています。
この大きさなのに車重はわずか1525kg。
6.3L V12エンジンを搭載し、740ps/70.3kgmを発揮。
7速DCTが組み合わさり、0-100km/h加速は3.1秒。
0-200km/h加速も8.5秒ですので、信号GPでまず負けることはないでしょう。
お値段も超弩級の3590万円となっています。
F12は実車を何度か見たことがありましたが、改めて眺めてみると鬼瓦のようなフロントマスクが威圧感タップリです。
リアは599の流れでそこまで独特ではありません。
リアフォグを点けると、F1マシンのように中央下部が赤く輝きます。
誰が見ても速そうで高そうな車でしょうが、トンデモナイ車オーラはランボルギーニ・アヴェンタドールの方が上だと思います。
内装は質感が高く、メーター類の横に設置されたナビの画面も多少は綺麗に見えます。
しかし画面が小さ過ぎて、実用性はかなり低いでしょうが。
2シーターですが、シートの後ろにかなり広めな荷物を置けるスペースがあり、アヴェンタドールに比べれば収納面では上回っています。
最初は営業の方に細かい注意点を教えてもらいながら助手席に座りました。
とてつもない爆音と共に信じられない加速をし、凄まじい減速力で止まります。
営業の方も「F12は街中では中々全開に出来ません」なんて言ってました。
レッスン後、「30分位好きに乗って来て下さい」なんて言われ、1人で楽しくドライブです。
操作方法は「FF」と同じなので、違和感なく運転できます。
近頃の私は左ハンドルにも慣れていますし。
こんなスペックの車なのに、コンフォートモードではそこらのサルーンよりも乗り心地が良く、ハンドルもペダル類も軽く、ミッションもスムースです。
FFと同じような懐の深さを感じる足回りです。
パドルを使ってのギアの変速スピードの速さは他に類を見ません。
スポーツモードにすると、明らかに足が固くなり、ステアリングも重くなります。
その分だけクイックネスさが増し、コーナーの進入角度や出口の加速力が変わりました。
5000回転以上回すとF1もかくやと思われるV12独特の甲高い咆哮に包まれ、歩いている人々の視線が一気に注がれます。
私が今までに乗ったことがある車の中で間違いなく最速の1台ですが、NAですのでスピードの上昇がとても自然で、全く恐怖心などを感じません。
ブレーキも信じられないくらい良く効きますし、剛性の高さがとてつもないので、安心して車に身を委ねることが出来るのです。
30分間の試乗でしたが、身も心もとろけそうでした。
結局スポーツモードよりも更に激しいレースモードは試しませんでした。
試乗後に営業の方が「レースモードを体験されますか??」と聞いて来たので、営業の方の運転でお願いしました。
すると、先程よりも更に3倍位スリリングな体験が待っていました。
F12は間違いなく宙を舞っていました。
すげ~車だ。
手がビッショリ濡れてしまいました。
火照った身体を冷やすように、試乗が終わるとイタリアから直輸入のジェラートが振る舞われました。
至れり尽くせりだ。
V12はV8とは違った重厚感があります。
うまく言えませんが、速いのに上品さを失わないと言うか。
個人的にはV8の尖った速さの方が好きですが、もう少し年をとったら変わるのかもしれませんね。
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試乗記 | クルマ
Posted at
2013/11/29 22:16:13