
デビューしたばかりのホンダ・ヴェゼルのハイブリッド仕様の試乗をして来ました。
ヴェゼルはフィットベースの小型SUVで、ライバルは日産ジュークともっぱらの噂。
名前の由来は「カットした宝石の面」を表す「bezel」で、「vehicle」を掛け合わせたそうです。
全長4295mm×全幅1770mm×全高1605mmで、車重はガソリン車のFFで1200kg、ハイブリッドのFFで1300kg程度となっています。
ガソリン車は1.5L NA(131ps/15.8kgm)にCVTを組み合わせ、カタログ燃費は20.0km/L前後。
ハイブリッドは同じく1.5L(132ps/15.9kgm)にモーター(29.5ps/16.3kgm)で、システム最高出力は152psとなり、ホンダは2.0L級と謳っています。
ミッションは7速i-DCD(デュアルクラッチ)で、カタログ燃費はFFで26.0km/L前後、4WDで23.0km/L前後です。
価格はガソリン車FFのベースグレードが187万円、ハイブリッドの4WDのLパッケージの全部乗せで297万円と言う価格帯です。
試乗車はハイブリッドFFの「X」と言うグレードで、車両本体価格は235万円。
アルミパッケージのオプション付きです。
実車は東京モーターショーで見ていましたが、改めて見ますと複雑なラインが今までの小型SUVにない高級感を出しています。
コンサバなデザインなのに存在感と塊感があります。
フロントライトには流行りのLEDが組み合わさっています。
後部ドアノブはアルファロメオのように窓枠と一体化されていて、まるでクーペのようなスポーティーさを生んでいます。
泣き目調のリアライトが独特ですが、フォルムは至ってオーソドックスなので飽きが来にくいと思われます。
内装は、フラットに嵌っているナビ、タッチパネル式のエアコンスイッチ、ピアノブラック調のミッション周りなど中々凝ったつくりです。
特にナビは見やすい上に操作もしやすい。
3年間は半年毎に無料でアップデートしてくれるし、それに掛かる時間も20分程度とのことです。
近頃のホンダは内装の質感が非常に向上していますが、ヴェゼルもこのクラスとしては十分に合格点です。
しかしCMで見るブラウンの内装は上級グレードのみの設定です。
また、ホンダはステアリングに沢山のスイッチを配置する癖があり、ヴェゼルもそれに漏れません。
賛否あるかと思いますが、私はステアリング上はシンプルにすべきだと思っています。
ラゲッジスペースはこの全長としてはとても広々。
開口部も広く使いやすそう。
この辺りはさすがホンダですね。
ホンダには「どうぞご自由にご試乗下さい」とよく言われるのですが、初めて行ったこのディーラーでもそうでした。
過去に何人もの友人が買い、営業さんの顔見知りもいる店舗に行きたかったのですが、生憎そこはまだ試乗車の準備ができていなかったのです。
一見にも自由に試乗させてくれるホンダの懐の深さを感じます。
折角なので私のお気に入りの試乗コースまで連れ出しました。
シートは標準のファブリックで可も無く不可も無し。
全般的に乗り心地は良く、一時期のやたら硬かったホンダ車がウソのようです。
ちょっとロールが気になりますが。
アイポイントが高いこともあり車両感覚が掴みやすく、最小回転半径も5.3mなので狭い路地でも非常に扱いやすいです。
ステアリングは軽く取り回しは楽ですが、中立付近が曖昧な印象を受けます。
出足は中々鋭く、特にスポーツモードにすると結構な加速感を味わえます。
メーターの照明色も青から赤に変わり、スポーツマインドも駆り立てられますし。
しかしこのスポーツモードをATモードで走らせると、常にギアが適正よりも一段低いようなくぐもったエンジン音を発し、手動でギアを上げたくなります。
ところが何速に入っているかの表示がメーターの左隅に小さくあるだけなので分かりづらく、しかもシフトチェンジの反応が鈍い。
折角パドルシフトを付けているのにそれは無いだろ、と言いたくなります。
以前に試乗したフィットハイブリッドにはパドルが無かったので気付きませんでした。
ホンダのハイブリッド懸念のブレーキは、フィットハイブリッド同様にとても自然で効きも十分です。
試乗車には「シティブレーキアクティブシステム」とのオプションも付いており、前方に障害物がある場合はアクセルを踏んでも発進を防止してくれます。
上りの坂道で信号待ちをし、青になり発進しようと思ったらこのシステムが作動し、後ろの車からクラクションを鳴らされてしまいました。
ディーラーに戻り営業の人にこのことを伝えると「かなりセンサーが敏感なのでそういった事例があると聞いています」とのことでした。
ちょっと気になるところです。
ハイブリッドのFFで「X」のグレード、ナビ・あんしんパッケージ・17インチのアルミホイール・コーティングなどのオプションを入れて、乗り出しで299万円です。
同等装備のフィットハイブリッドと比べ、50万円~60万円程度高いと思われます。
街に溢れかえっているフィットが嫌で、高いアイポイントを望むならヴェゼルでしょうが、私はこの価格差ならフィットを選ぶかなあ…。
ヴェゼルはいじり甲斐がある外観をしていますが。
納車はグレードや仕様にもよりますが、概ね2月から3月には出来るとのことでした。
消費税増税前に間に合います。
購入を考えている人は早めに動いた方が良さそうです。
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試乗記 | クルマ
Posted at
2013/12/20 21:58:30