
マクラーレン・570Sの試乗車が用意されたとご連絡をいただき、早速見に行って来ました。
まずはカタログスペックを紹介します。
570Sと540Cは「スポーツシリーズ」と呼ばれる新シリーズ。
全長4530mm×全幅2095mm(サイドミラー含)×全高1202mmで、車重は1313kg。
軽さにカーボンファイバーシャシーが効いています。
どちらもV8 3.8Lツインターボで、570Sが570ps/61.2kgm、540Cが540ps/55.0kgmを発揮。
トランスミッションは7速DCT。
0-100km/h加速は、570Sが3.2秒、540Cが3.5秒。
燃費はどちらも9.0km/L。
車両本体価格は、570Sが2556万円、540Cが2188万円。
650Sが3160万円ですので、540Cなら1000万円近く安いことになります。
ショールームには赤い540Cが展示してありました。
綺麗な色で見惚れます。
エントリーモデルとは言え、跳ね上げ式ドアの車はスペシャル感がありますね。
オプションが入っているので一概には言えませんが、スポーティーでシンプルな内装は飽きが来なさそう。
フロントトランクには機内持ち込み可のスーツケースなら余裕で入りそうですし、シートの後ろにちょっとした小物を置くスペースがあります。
スポーツシリーズは実用性もとても考えられています。
試乗車はオレンジの570S。
オプションのスポーツマフラーを纏っていることもあり、エンジンを掛けると低い獰猛な爆音が響きます。
570Sならノーマルマフラーで良いかな。
サイドシルが8cm下がり、ドアが大きく開くようになったことでの乗降性の改善は、650Sと乗り比べてよく分かりました。
バケットシートはすっぽりと収まり、意外と座り心地が良い。
マクラーレンの常で足の位置を合わせると、ステアリングはかなり手前に感じます。
ドラポジからしてレーシングカートっぽい。
低速時ではアクセルやブレーキやステアリングが重く感じますが、速度が上がると自然に感じられます。
見切りは良いとは言えませんが、左ハンドルに慣れているとは言えない私でも車の全体像を直感的に捉えることが出来ました。
650Sなどと違って油圧ダンパーではありませんが、予想以上に良好な乗り心地です。
特にノーマルモードなら街乗りでも不満はありません。
エンジン出力と足回りを個別に設定できますので、街乗りですと、パワートレインがスポーツ、足回りがノーマルを一番好ましく感じました。
モードが変わると液晶メーターの画面も変わり、特にサーキット用のトラックモードではフェラーリのF1ステアリング上の表示のようになります。
縦型のナビは営業の方は慣れれば見やすいとおっしゃっていましたが、位置的にも大きさ的にも見やすいとはとても言えないと思います。
ブレーキを使わずにアクセルワークとシフトチェンジでの速度調節がとても楽しい。
パドルでの変速スピードも速く、積極的に使いたくなります。
特にパドルは右がアップ、左がダウンの一般的な使い方だけでなく、片方のパドルを押したり引いたりすることでアップダウンが出来ます。
すぐに慣れますし、パドルがステアリングと一体で動きますので、片手でアップダウン出来るのは便利に感じました。
街乗りでも十分に楽しめましたが、この車の更なる良さが分かったのは高速道路に行ってからです。
走り慣れた首都高で、スタビリティと剛性の高さを強く感じ取れます。
ロールしないため、気持ち良くコーナーを駆け抜けられる。
車線変更も思ったように車が動いてくれ、とにかく気持ちが良い。
ブレーキの効きも申し分なく、車への安心感が乗るほどに増して来ます。
これほど楽しい試乗は久し振りでした。
例えばフェラーリ・カリフォルニアTとは全く目指している方向性が違うことが分かりました。
カリフォルニアTはあくまでGTカーですが、570Sは大きなレーシングカートです。
スッカリ心を奪われてしまったので、見積もりをお願いしました。
外装色は新色で人気のブレードシルバー。
スペシャルペイントで23.5万円になります。
それ以外には、車両リフト・パーキングセンサー・バックカメラなどがセットになった68.4万円のセキュリティパックと、シートヒーター・電動シート・ソフトクローズドアなどがセットになった71.4万円のラグジュアリーパックをオプションとして選んでみました。
乗り出し価格は2800万円をちょっと超える額。
同装備で540Cで見積もりを出すと2450万円程です。
540CならカリフォルニアTよりも安い!
しかも乗り心地は570Sよりも更に良いそうです。
問題はフェラーリは7年メンテナンスパックが無償で備わるのに対し、マクラーレンはメンテパックが無いので、1年目の点検で25万円、2年目で35万円、3年目の車検で45万円程度が掛かってしまうとのことでした。
またリセールバリューですが、5年1.5万キロで35%位の残価率とのことです。
マクラーレンのマーケットがまだ確立していないからとのことで、これから5年で大きく状況は変わる可能性がありますが、フェラーリが50%を切ることは考えにくいことを思いますと、売る時に結構な差となりそう。
勿論、値引きも期待できません。
12Cや650Sはフェラーリやランボの買い替えが多かったそうですが、このスポーツシリーズは911からの乗り替えが多いそうです。
911も高くなりましたから、十分競合するんですね。
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試乗記 | クルマ
Posted at
2016/01/28 22:23:20