
2013年に試乗して記憶に残る車を振り返る、今日はランボルギーニ・アヴェンタドールです。
7月に試乗しました。
アヴェンタドールは、「ミウラ」「カウンタック」「ディアブロ」「ムルシエラゴ」と続く、V12モデルの後継車です。
車名を正確に言うと、「アヴェンタドール LP700-4」となります。
「LP」とは「ミッドシップ縦置き(Longitudinale Posteriore)」を意味し、「700」は馬力、最後の「4」は4WDであることを表します。
その名の通り、6.5L V12エンジンをミッドに積み、700ps/70.3kgmを発揮。
ミッションはシングルクラッチの7速セミAT(e-gear)。
全長4780mm×全幅2030mm×全高1136mmで、車重は1575kg。
大きさの割りにはかなり軽い。
0-100km/h加速は2.9秒以下、最高速度は350km/h以上と、最も速い市販車の1台です。
クーペとロードスターがあり、クーペは4197万円、ロードスターは4660万円。
試乗車はクーペでしたが、おそらく一般的に試乗させてもらえる車として、最高額になるのではないかと思います。
実車を目の当たりにすると、トンデモナイ感じが半端ない。
しかもガルウイングなので、メチャクチャ注目を浴びます。
リアの形状は、戦隊ヒーローもので悪者が乗っているマシンのような出で立ち。
ミッドシップはエンジンルームを覗けるから良いですよね。
内装はかなりハイテクで、メーター類も液晶になっています。
スイッチ類が所狭しと並んでいる様子は飛行機のコクピットや宇宙船のようでした。
一番驚いたのはナビです。
さすがアウディと同じグループなだけあり、MMIシステムで画面も中々綺麗。
操作もしやすく、ナビはフェラーリに対して圧勝です。
シートは座りやすく、スポーツよりもラグジュアリーに振った造りです。
エンジンを掛けると車体が揺れます。
ミッドシップですので音も凄いですが、今にも襲い掛からんばかりに震える車の中にいると、結構興奮します。
左ハンドルで車幅が2mを超えますので、最初はちょっと緊張しました。
しかし、色々な操作方法がフェラーリと似ているので、さほどの違和感は感じません。
アクセルが重く、踏みしめてもスタート時にはラグがある感じ。
シングルクラッチなのに段付き感がかなり少ないです。
パドルは大きくて使いやすく、ある程度回転数を上げて繋いで行くと、電光石火にギアが変わって行きます。
ここまで出来が良いシングルクラッチは初めてです。
営業の方も「一つの完成形です」と言っていました。
しかも想像以上に乗り心地が良く、「まるでフェラーリになってしまった」とランボマニアの人が嘆いたと言うのも分かる気がします。
「ストリート」「スポーツ」「レース」と3段階に切り替えられ、スポーツにするとステアリングもアクセルもブレーキも全てが重くなります。
その重さに負けずにアクセルを踏み込むと、爆音と共に異次元の加速を見せました。
これは街乗りで使うには心の準備が必要です。
とても「レース」を試す気にはなりませんでした。
慣れて来ると車の大きさは気にならなくなり、意外と扱えます。
昔のランボに比べてはるかに後ろは見やすいですし、今はバックカメラもありますし。
マクラーレンMP4-12Cを試乗した時にも思いましたが、今のスーパーカーは街乗りをこなせる懐の深さがありますね。
とまあ、あまりにもスゴイ車で港区を激走しましたが、この車の真価を掴むには、高速道路どころかサーキットに持って行かなければダメでしょう。
とにかく見た目も音も凄まじいので、信号待ちなどでやたら見られました。
ましてやオープンモデルだったら、フェラーリF12ベルリネッタが比較にならない程目立つと思います。
しかし、当たり前ですが、収納スペースはフロント部分にわずかしかありません。
1泊2日の旅行が限度でしょう。
この車を所有している人は他に何台も持っているでしょうが、ランボルギーニと長期間旅したいのならば、2017年に出ると噂されているランボルギーニのSUV「ウルス」を買うしかないですね。

Posted at 2013/12/14 21:09:06 | |
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