のん☆びーまるのブログ一覧

是か非かでいえば完全に「非」なのんですこんにちわ。

「安全性」について考えれば1ミリたりとも「是」側に動きようはありません。

左足ブレーキを実践すればアクセルとブレーキの踏み間違いは無くなる
という主旨の記事をちょこちょこと見かける機会があるのですが
あれ書いてる人たちには人間の身体の仕組みの理解が抜け落ちてるとしか思えません。

右足をアクセル専任、左足をブレーキ専任
というふうに完全に分離させる操作をさせれば
左足でアクセルを踏んで暴走するという事態は防げるでしょうが
右足でアクセルを踏んで暴走するという事態は防げないばかりか
通常の右足ブレーキ操作をしてるときよりも頻繁に起きるように思うんです。

人間というのはそんなに器用に物事をこなせるようにはできておらず
1つのことに意識が向いていると、同時に他のことを並行して考えたり動作したりというのが
極めて難しいことありませんか？

【例：「モグラ叩き」をイメージしてみてください。】

それぞれの穴からランダムにモグラが出てくるんですが
出てきたモグラが「○」か「×」のプレートをこれまたランダムに掲げていて
○のプレートだったら「まる！」と言いながらハンマーで叩く
×のプレートだったら「ばつ！」と言いながらハンマーで叩く

というルールで遊んでみるとしましょう。
そんなに難しいゲームではないですよね。
モグラを狙って叩きに行きながらプレートを識別して読み上げるという動作で
「反射→動作→識別→読み上げ」という一連の作業で片付くでしょう。

では次に
それぞれの穴からランダムにモグラが出てきて
モグラが「○」と「×」のプレートをランダムに掲げているところまでは同じですが
人間の方が両手に1つずつハンマーを持っていて
○のプレートだったら左手に持ったハンマーで叩く
×のプレートだったら右手に持ったハンマーで叩く

というルールでプレイしてみてください。（イメージの中でで結構ですよｗ）
これ、モグラがゆっくりなうちはまだいいのですが
スピードが速くなってくると右手と左手がごっちゃになって難しいことないですか？
こちらは「反射→識別→選択→動作」という流れになっていて
条件反射でパッと動き出すような動作の場合には
途中に識別やそれによっての選択、その選択に従った動作というような
極めて難しい処理を強いられることになっていませんか？

このルールは「左足ブレーキ」で操作してるときの運転操作と同じ状態だと思うんですけど
みなさんはどう感じられます？（私の思い込みなだけでしょうかね）

咄嗟の場面で左右の腕（や足）をその場の状況に合わせて適切に選択して動作させるというのは機械にやらせるのであれば単純で簡単な作業かもしれませんが、人間がやるという前提に立つとかなり難易度の高い作業なんじゃないかなぁというのが私の感覚です。

野球のピッチャーが利き手側に飛んできた打球を思わずグローブをしてない素手で取りに行ってしまうとか、比較的ありがちな光景じゃないでしょうか。
さらに踏み込んで、打球じゃなくて球場に乱入した暴漢に突然襲われたりしたときに
身を守る為に、グローブをした方の手だけで防御行動を取るピッチャーっていないでしょう。
きっと利き手である投げる手の方が先に身を守る行動を取るんじゃないですかね。

咄嗟のブレーキも同じこと。

「あっ！」と思ったときに咄嗟に「踏め！」という命令が脳から出されるわけですが
右足ブレーキでは「何でもいいから足元の真ん中辺りを踏め」という命令なのに対し
左足ブレーキだと「左足を使って踏め」というふうに使用する足を限定した命令である必要があります。
ところが、先のモグラ叩きやピッチャーの話でお分かりのように
人間ってそこまで理路整然と制御系が整備されていないんですよ。

咄嗟のときに逆側の足が動く可能性・・・これって「真ん中辺りを踏め」と言われたときに
誤って右端のペダルを踏んでしまう可能性に比べるとどちらがより高いんでしょうかね？

・右手で○のモグラを叩いたら→暴走
・叩かないまでも右手が反応してピクリと動いたら→不用意なアクセルで思いがけない加速
・咄嗟に「ブレーキ！」と思いながら右足の方が動いてしまい強く踏み込む→大暴走

これが真実なように思います。

最後に１つだけ
左足ブレーキが「是」であるケースもあるにはあります。
それは安全面を求めるのではなく時短を求める場合。
足の踏み換えにかかるコンマ数秒のタイムロスを削るような
レースのようなシーンでは左足ブレーキの導入も良いとは思います。

ただ、これを「安全側面から是とする」という論調は
私的にはありえません。