2013年12月27日
ワイン会
・今日は薪小屋にトタンの屋根を張った。薪ストーブの煙突がその近くを通過していて、その処理とかも大変だったし、トタンに下穴あけるのに苦労した。ポリカ波板なら下地が見えるから楽だけど、鉄板だとどこに母屋の骨組みがあるか分からないから苦労するわ。まあほとんど廃材で済んだのでタダだったのが救いか。もっとも建物の軒と隙間があるので、雨はけっこう入りそうだし、トタンもあと1列ぐらい入れた方が良さそう。キュウイもどうなるやら。
・あとはワイン会、どんどん伸びてきていたので年末になってしまった。今回はイタリアのスパークリングワインが最初、これが結構甘い。ロゼで綺麗な色だった。そこから新酒ラッシュで、あすみのアップルのソーベニヨンブランの半分ジュースのような無濾過の白、同じくあずみのアップルのピノノワールの半分ジュース、ルイジャドのマコンシャルドネ、JAMプロジェクトのコンサートで売ったという井筒のメルロー、オーストラリアの西の方のメルローとマルベックの奴、最後が梅ワイン(梅酒をワインで作った物)。私個人で言えばJAMプロジェクトにソムリエがワインで噛んでいた事が面白かったし、上品なエチケットで色物ではなかった。まあ、コンサート会場で開ける物でもないだろうけど・・・中身は井筒のメルローなので無難というか国産のメルローではかなりボディーがあっておいしいかな。
問題は前半3本の甘い奴らで、ソーベニヨンブランは相変わらず馬の汗、家畜臭が結構するので、ジュースであってもうーんみたいな声が聞かれた。ソーベニヨンブランはノンアロマティック種と言って、発酵させないと香りが出て来ないと聞いているが、馬の汗は最初からかいてるみたいだ。ニュージーランドとかでは普通にフレッシュな香りがする訳で、これ私はきついわ。まあソーベニヨンブラン「らしい」のはらしいのだろうけど。
ピノノワールはこれ、赤だけど白の作り方したのか、色は薄いピンク。だから軽い物を想像していたのだが、とっても濃かった。ワインになる葡萄のジュースは、いわゆる普通の葡萄ジュースとは違って糖度もエキスも濃厚で、それ単体だとちょっと厳しい飲み物なんだが、アルコール変換が進む途中でその片鱗を味わえる。そして、タンニンの強さがかなり感じられた。ピノって普通そんなタンニンが強いワインにはならないし、まして色の薄さから見て果皮から抽出もしてないと思うのだが、こりゃなんなんだろう?考えられるとしたら、絞る時に果梗とか種を潰して出る物の味だと思うが、こんなハッキリした重さのあるジュースは(アルコールだが)結構面白い。
ルイジャドは逆にかなりの辛口で、元々あそこはブルゴーニュはポテンシャルだ!長期熟成だ!って言ってるような所だから、シャルドネの優しさとか儚さとかは全く無い、まるで辛口リースリングのようなガッチンガッチンな味だった。ニンニクが効いた料理もものともしない味だな、こりゃ。
オーストラリアのワインは、ここらへに進む頃には私なぞ結構酔ってるので味が正確に分かる訳ではないが、井筒のメルローに比べると陽気な感じだったかな?メルローって単体で仕込んでボディーが強くなるほど、どんどん冷えた感じがするのだが、マルベックは適度にそれを和らげる感じがする。最近は単体でマルベックのワインも出回っているそうなので、それで味を確かめたい所。フィロキセラ以前のボルドーはマルベック主体だったと言う話しで、割とワイン通、酒通の人がマルベックの可能性について言及しだしている。
じゃあ、ボルドーの他の主要な赤であるカベルネソーベニヨン・カベルネフランはどうなのか?確かにカベルネソーベニヨンを増やすと重くなるから、強い赤というイメージがあるのだけれど、私はカベソー飲むと白かと思う事が良くある。香りの清涼感はソーベニヨンブランのそれで、メルローの一本調子の重さを和らげてくれる感じ。カベルネフランは単体だともっと薄い感じで、マスカットベリーAとかに似た感じ。どっちもメルローの重さを薄めはするが、方向性が違うって感じではないんだよなぁ。音楽で言えばメルローは古典派に似ていて、軽いのはベートーベンの6番とか4番、あるいはモーツァルト的な感じがあるんだけど、5番とか3番とかシリアスなのが真骨頂。カベソーはそれより幾分華やかな、ロマン派のベルリオーズとかメンデルスゾーンみたいな感じがある。フランは器楽曲、声楽だな、ショパンとかシューベルトとか。で、マルベックはもう少しエンターテイメント色があるのかも、オペラっぽいとゆーか。
・その後、締めでソバ屋さんバーに連れていってもらってカブのおろしたのがかかった暖かいソバを食べつつ、日本酒を軽く一杯。これは中町のクラシック館の前の井戸水を善哉酒造さんで仕込んで貰ったという面白いプロジェクトの物で、原酒だったのでかなり強かったが、善哉さんのいつもの味とちょっと違って面白かった。今、旧市内で残っている酒造は善哉さんだけなのだが、クラシック館も元は酒蔵だったそうで、あの水も仕込みに使っていたそうで、それを使って貰ったそうで、ラベルには蔵の街をイメージしたなまこ壁がデザインされている。お話では善哉は食中酒に向いたやや甘口のお酒が得意という事で、原酒なので辛口表記だそうだが、飲めば甘口。
湧水群が日本百名水に選ばれた松本市だが、それらは一つの水源という訳ではなく、女鳥羽側の北と南で大まかに味が違い、さらに井戸の深さでも味が違う。女鳥羽の泉は北側で、なおかつ200mというもっとも深い井戸からくみ上げているので、清涼ではあるのだが残留酸素が全く無く、静かで中性的な印象の水だ。一方源地の泉とか伊織の霊水など南側は比較的浅く、味もちょっと生っぽい。多分、水源が南側は美ヶ原・薄川の物で、北は女鳥羽川(浅間方面)なのも関係していると思う(と言っても私がそれらを飲み比べて分けられるって事ではない)。飲んで見ると精製度が高い女鳥羽の泉がおいしいと私は感じていたが、醸造という発酵作業においては、中町とか南側の水も決してあなどれないなぁーと言うのが私の抱いた感じ。
あと食中酒に対する考え方の違いも面白かった。日本酒では食中酒は甘口という認識なんだななぁと。いや、プロが言うんだから、和食とのマッチングは大吟醸とかより吟醸や純米が合うという事なんだろう。実際鍋に熱燗する時は普通の醸造酒が合うと感じる。でもワインの場合は普通は食中酒は辛口で、食前が甘口、単品だとテイスティングとかじゃなければあんまり飲まないかな?って所だ。恐らく洋食では脂分が多くてアルコールで舌がだれるのを防いだり、香りを引き立てたりするのに大して、和食はそこまで脂っこくない事が影響しているのではないかとも思うが、甘口である理由は色々食べ合わせて考えて見たい。
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Posted at
2013/12/27 05:49:46
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