2017年04月18日
棚下誘引と除草剤散布
・仕事はまずちょっとした盗難の問題があって半日食われる。警察役にたたねえ・・・その後は除草剤散布あちこちでやってから、巨峰苗園の誘引作業を行う。これまで棚上みたいだった物を棚下にするのでかなり手間がかかるが、カッチリと棚下にまとまると非常に整った感じになって嬉しい。背負いバックからのトップロープ出しはほんといい感じで作業出来る。ついでにハサミもつり下げて、ハサミの出し入れ時間も大幅に短縮した。明日3、4時間もあれば終わるだろう。除草剤も作付けしてない場所用のレシピで明日やれば当座は終わるはず。なんか久々に見たくない顔も見たりしてゲンナリもする。憎まれっ子世に憚る、昔の人はほんと良く物事をみていらっしゃる。逆に見ない顔もあるんだが、何があったのだろうか心配な高齢者ばかり。
・夕方からは会議で、改良普及センターの人、出荷資材や生産資材の人などで盛り上がる。基本、こっちの部はトップから割と自由で活気があっていい。下手に上部組織のノリで「こんな基本的な事は聞かんだろ」「早く終わらせろ」みたいな考えを感じる方が違和感がある。確かに知ってる人間からするとアホみたいな質問を部外者にしていると歯がゆくもなるのだろうが、ああいうので萎縮しちゃって講習会は出たくないって事になって初心者講習会がはじまったのに。講師の人は作物がちょっと違うので勉強中との事だったが、基本から見直すと面白い事が分かる。まあ研究熱心な革新派の人は、私を含め通常管理がちょっとって事があるので、「まず基礎やれよ」って思われているのは分かる。理想はまさにそうだが、既存技術を疑うぐらいな人の方がへんな事やるのも事実。なかなか木村さんみたいにど慣行から自然みたいに180度ひっくり返るって人はおらんよ。
今回強く感じたのは作土層の厚さと保水能力とpF値の関係。根域が半径3mの18㎡に90%あるとする。潅水量が10㎜だと10アールでは10tも必要だが、根域だけなら180リットルで足りる計算になる。そう説明もされる。ところが、実際にそうやって潅水してもぜんぜんブドウは元気にならない事が多い。で、理由が2点考えられる。一つは作土層が薄くて保水力や根域への吸水能力がなく、すぐに飽和して水道(みずみち)から浸透してしまう可能性。これはPFメーターを付けて潅水量とPF値を見る事で、その作土層が大まかにどの程度の保水性能があるのかを見れば最大潅水量が分かるはずなので、やってみたい。
しかし、もっと根本的にはこの計算には別の問題がある。蒸散ベースで計算すると上の180リットル×株数(10ぐらいが標準だから2tぐらい)だと、蒸散量に対して潅水量が不足する事が分かっている。根域が90%としても、実際は残り10%でもっと大量の水を吸っている可能性もあるし、水の横移動がある可能性もある。というか、潅水量の㎜はそもそも蒸散量逆算なので、それを根域に落とし込んでも前々意味ないんじゃないの?
あとは台木苗もらったが、カラカラに乾いているので復活するのか不安。
・明日は巨峰園の誘引終わらせて、除草剤散布、暗渠工事を行って農機具移動かな。移動先で苗の移植もしたいし。
・「ラーメン屋の看板娘が経営コンサルと手を組んだら」木村康宏
女子高生ドラッガーよりは若干リアル寄り、プラクティカルなコンサル改革小説。看板娘要素が表紙絵だけで挿絵もないのが心地良い。萌え要素なんて子の手のはいらんよ。さてコンサルの「成功譚」というのはサクセスストーリーが良く出来ているし、問題提起もクレーム付けるほどじゃないけど足が向かない店を上手く設定していて面白い。あまりテクニカルターム(というテクニカルターム)を使いすぎると、必勝の公式を使えばなんでもなりそうに思ってしまうけれど、現実の分析というか「そうやって見ればとりあえずそう見える」ってのは有効なテクニックだと思う。2対6対2の法則とかさ。
(働き蟻の割合がモーレツ2割、そこそこ6割、怠け2割という奴。怠けだけ、モーレツだけ選別しても自然に元に戻る事が知られている。が、コンサル的に従業員が2割は遊んでいるというのはマズイ(自然界ではその余剰がクッションになっているという研究もある)訳で、「上位2割をもっと働かせると残り6割がもっとやる気を出し、下位2割は脱落する」という、見方によっては超絶ブラックな研究成果も飛び出す。)
作者は汎用コンサルやIT系コンサルではなく、ラーメンに特化した再建請負人だそうで、なるほどなーという業界の棲み分けやトレンドも出てくるし、大手が安く速く大型化する中で、家族経営規模ならどうするかとか大変参考になった。よくあるコンサル本が一般化した言葉からビッグプロジェクトを分析する演繹的な物だとしたら、こっちはラーメンという具体例から止揚した感じで、より身近に適用しやすく感じた。
例えば「美味しい商品は売れない」という意外なテーゼが出てくる。その真意は何か?商品の内容に自信がある場合、得てして他のマーケティング要素を軽視しがちである。良い商品に甘えてしまっている。しかしお客はいろんな要素が1.3倍ぐらい差がないと明確な差を感じない(価格みたいなのは抜かして、味とか接客とか視覚とかね)。しかし、こう言われるとドキッとする人がかなり多いのではないだろうか?うちの農産物が隣りの産地に比べて3割以上優れているのか、食べれば分かると言ってマーケティングをおろそかにしていないかなどなどだ。
実際日本の製造業は長い事この美味い商品神話にどっぷり漬かってきて、中韓の製品を甘く見てきた。実際トップレンジはそうかも知れないけど、市場の変化(高機能高性能より単機能耐久性価格)とかエントリーモデルの無さとか忘れてきている。そして、この本で最終的に行き着く所は「経営者の熱意が成功の64%、あるいは99%の要因である」って所かも知れない。この本の改革プランは理想的なステップを踏んでいるが、前後関係がある程度狂ってもそれさえ守っていれば、時間の問題という所がある。もちろん私も小規模自営業者として、この言葉は大変重いと思う。なんか最近、自分の仕事をしっかりする事が、何よりの宣伝だなーって思うし。あ、もちろん「美味い商品である」事は絶対的に外せない前提条件である。美味さの質や方向性で画一的な尺度から逃れる事はあっても、安全安心とかと一緒で「それは当たり前」なのだ。と、大変面白かった結果、寝不足である。
・鳩山の親の会社のブリジストンが(こう書くとイメージ悪いよね)エアフリーコンセプトという事で、自転車のタイヤでパンクしない物を発表した。樹脂スポークが中央部と外周部で違う形状で使われていて、中央のは昔見た樹脂スポークみたいな形だが、外周部は扇風機のファンというか、細かいフィン状の板バネみたいなのが沢山使われている。メリットとしては空気を使わないのでパンクしない事だそうだ。これを見て最初に思い出したのは、米軍のハマー用のノーパンクタイヤ。
こっちは自動車用でハニカムパターンのホイールで出来ており、かなりパターンは荷重で歪むのだが、それだけ追随性が高そうだった。ハニカムだと方向性は無いが、ブリジストンのは板バネで方向性がある。方向で多分特性が違うはず。あと、タイヤは当然ながらソリッドなので特殊な形で、ウレタンの台車タイヤみたいな感じだ。内部がソリッドなので形状の自由度は高いと思われるし、トレッド剛性とリム剛性を完全に切り分けられる。恐らく転がり抵抗は下げられる。
逆に問題としては重量が重くなりそう。モノコックにすればもっと軽量化出来るのだろうが、それやると横風に弱くなる。また空気抵抗も多分結構あるはず。重量も今の技術でも増えるだろう。トータルでの抵抗はちゃんと整備されたエアタイヤの方が軽いだろうが、空気調整すらしない人が多いシティーサイクルだとコンスタントに軽いのはメリットか。あと、リムが存在しないのでブレーキが気になる。リアだとドラムだからいいが、フロントにディスクをママチャリで採用するのは難しそうだけどなぁ。
トータルとしては心意気は買うけれど、メンテフリーの全部使い捨てみたいな感じに思えて、それって昔の樹脂ホイールと一緒だよね?って思う。私が学生だった頃はベルトドライブやシャフトドライブで樹脂ホイールとか言うバブリーなおもちゃが流行っていたけれど、今はコンベンショナルなタイプばかりだな。もっとも、ママチャリのリアはパンクすると修理がえらい面倒なのだが。
・タイヤと言えば先日大工道具の会社のブログで鋳物のキャスターを大型木工機に付ける理由は何故かというクイズが出されていて、答えが「転がり抵抗が一番小さいから」とあった。鉄道の車輪もそうだが、鉄同士だと変型する抵抗がほとんどないので、レールと鉄輪だと転がり係数が0.2~1と非常に低くなる。ロードタイヤやエコランタイヤで2.5、自動車用が10~15、砂地の自動車タイヤが300とかだそうだ。あのエコランタイヤより軽く転がるってのは驚きだ。そう言えば倉庫の横開きシャッターとかも、普通に考えると100kgの扉なんてかなり重いと思うのだが、吊ってある場合割と簡単に動く。中は鉄のキャスターと鉄のフレームだからだろう。
・千葉県の小学女児殺害事件は最悪な上に最悪な犯人でもうね・・・被害者はベトナム人だし、犯人はPTA会長で防犯やってたって言うし、事実は小説なんかよりずっと歪んでいるよ・・・さて、この事件でPTA活動について疑問の声が上がっているのだが、私もPTAを見直すべきじゃないかとは思う。多かれ少なかれ、PTA会長というのは問題が多いというか、地元でもへんな人が会長になって揉める事が度々ある。PTAという組織自体は必要なんだけどね・・・
PTAの会長の問題は、その人が能力で選ばれる事は稀という事だ。大抵が名誉や肩書きが欲しい権力欲でなるか、高い熱意でなるか、しょうがなく選ばれてなるかである。一番無難なのは最後で、熱意がある親からすると歯がゆいし学校運営に問題がある場合は困るかも知れないが、負担が少なく非営利な学校運営には向いてる。熱意が高いタイプは逆に負担が増えるし、往々にして熱意の方向が狂ってる。特にスポーツ系とかな。のんびりやりたい父母とギスギスしがちだし、温度差があるけど、まあ悪い人じゃなければいい。でも今回の事件でこういうタイプを装って悪さする人がいるのが分かったのが問題。最後の権力欲は否定しづらいのだが、熱意タイプとある程度オーバーラップする上、彼らは徒党を組んでたり役職を固めたりする割に運営がいい加減というか能力が足りない。このオーバーラップ例だが、地元の廃品物回収業者が何故かPTA会長に立候補して、誰もお前じゃ無理だよとは言えなかったのでなった。で、この会長任期中どうだったかは知らないが、終わった頃に横領事件ですよ。PTAの物ではなかったのだが、当然PTAの予算で同じ事がなかったのか?って疑問は出てくるし、PTAの情報網を悪用されてないかって話も当然出てくる。
本来PTAは自主的な組織であり、ただ乗りは許されないが強要されるもんでもないし、町内会同様任意参加でいいんじゃないかと思う。
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Posted at
2017/04/18 21:14:39
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