先週の土曜日(10/24)、
明治の五大監獄(千葉、金沢、長崎、鹿児島、奈良)のひとつとして知られ、耐震性の問題等により
2016年度末で閉鎖されている旧奈良監獄に行ってきました。
この施設は、近々、
監獄ホテル、資料館等の
複合施設としてリニューアル開業するための工事が計画されており、
監獄としての最後の姿を見に行ったことになります。
何れの画像もクリックで
拡大します。
全体配置図です。
1.庁舎(講堂もこの中にあります) 2.中央監視所 3~5.収容棟 6.医務所 7.隔離病舎
8.牢者(奈良奉行所で使用)
奈良監獄に関する解説をパンフレットから抜粋します。
旧奈良監獄は、明治政府が監獄の国際標準化を目指して計画したいわゆる五大監獄の一つで、1908年(明治41年)7月に完成した。中核となる建物群は、ロマネスクを基調とした煉瓦壁の外観で統一され、左右対称に整然と配置されている。
戦後は、少年刑務所として運営され、高等学校通信教育課程を導入するなと若年者処遇に先進的な取組を重ね、2016年(平成29年)3月、108年の歴史を閉じた。
2017年(平成29年)2月、創建当初の煉瓦造を中心とする建造物は重要文化財に指定された。1件当たりの建築面積では、東京駅丸の内駅舎、旧富岡製糸場を超えて我が国最大の煉瓦造による文化財建造物となる。
表門・・・ここから入所します。
イギリス積みの煉瓦造りです。
奈良少年刑務所の看板が残っています。
門扉のデザインも凝ったものです。
門をくぐると、綺麗に整備された庭の奥に
庁舎が建っていました。
ふり返って、改めて
アーチ型の入り口と、両脇に円塔を備えるロマネスク様式の表門を見ます。煉瓦造り2階建で、円塔は
特徴的なドーム型の屋根を有します。
庁舎の奥にある
中央監視所は、見張台を要に
放射状に収容棟を並べることで、
5つの収容棟が一望できるようになっていました。この構造を
ハピランド・システム ※)と言います。
※)ハピランド・システム (HPより抜粋)
旧奈良監獄をはじめとした明治五大監獄の内部構造は、ジョン・ハビランド(1792-1852)の「ハビランド・システム」を取り入れています。多くの刑務所を設計したハビランドですが、1825年にフィラデルフィアのイースタン州立刑務所の設計において、このシステムを確立させたと言われています。イースタン州立刑務所は、旧奈良監獄と同じように、監守が立つ監視所を全体の中心に据え、複数の収容棟が放射状に伸びています。この放射状の構造により、監視所に立つ看守の目は常に全方位の収容棟に行き届くようになっているのです。
2階建ての収容棟の廊下です。
廊下中央部は
1階部の明かり取りのために吹き抜けになっています。
45度ピッチで拡がる
収容棟を外から見た写真です。
以前
訪れた網走刑務所は、この奈良監獄をお手本に造られたそうですが、
あちらは木造1階建てで、完成したのは1912年(明治45年)でした。
医務所です。
処置室、レントゲン室に加え、歯科もありました。
一回りして、再度
庁舎です。
こちらも
イギリス積みの煉瓦造です。
表門も日当たりが良い感じになってきました。
モルタルで覆われ、装飾が施された
上部の優雅なドーム型の屋根も素敵です。
もうすぐ
監獄ホテル、資料館等の複合施設として生まれ変わるために工事が開始されるという
旧奈良監獄・・・神戸の
三宮からの直通電車(阪神・なんば線→近鉄・奈良線)で行ってきました
(^o^)
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Posted at
2020/10/29 23:05:53