日本では、5月16日から受注開始されましたロータス エレトレ。
スーパーカー世代な私は、実物を前に単純に(多少癖はあるが(笑))「恰好良い車だ」と。
同じ英国ブランドのジャガーI-pace(2018年デビュー)を更に強力にしたみたいな車だろう、と高を括っていたのですが、しかし、下記の通りちょっと調べましたら、その進化スピードには驚かされました。
ちょうど、Netflix版の「三体」(全世界3,000万部の大ベストセラー。中国の作家・劉慈欣によるSF長編「三体」が原作)を見終わったのですが、「三体」の中で印象に残った人類の進化スピードについて考えさせられました。な~んてな(笑)
さて、ロータス エレトレは、親会社である中国の吉利(ジーリー)汽車のEV専用プラットフォーム「EPAプラットフォーム」を使用。生産は中国の武漢です。
デザインは、フォードやボルボのデザインを担当し、ジーリーでは上級副社長を務めたピーター・ドリッチ・ホルバリー氏。残念ながら昨年急逝されましたので、エレトレが遺作になりますかね。
※2002 年、ジャガー、ランドローバー、アストンマーティン、ボルボを含むプレミアオートモーティブグループのデザインスタジオの責任者としてフォードに入社。
デザインの特徴は、ロータスのハイパーEVである「エヴァイヤ」や新型スポーツカーの「エミーラ」にも取り入れられたポロシティデザイン。
ポロシティデザインとは、空気は車を通り抜けるだけでなく、車の下、上、周囲にも流れるという空力学的な理論です。
エレトレの場合、車の前縁の下に空気が流され、ボンネット上部に組み込まれた2つの出口から排出されます。また、フロントホイールアーチの前方や後方、リアホイールの後方、Dピラーの上部にもポロシティが設けられ、これにより、空気抵抗が少なくなり、航続、速度、性能の向上など、より効率的な走行を可能にするメリットがあるといいます。
全長5,103mm 全幅2,019mm 全高1,630mm
価格はELETRE 15,059,000円 ELETRE S 18,161,000円 ELETRE R 22,154,000円
発表された時は、円高や世界賃金高前という事もあり1000万~位を思わせるお値段予想でしたが、蓋を開けたら思いっきり円安の今、1.5倍になってしまっておりますな。しかし、お値段に対しては、かなりのハイスペックな車になっております。
パワーは通常モデルは603hp。エレトレRの方は905hp。SUVにも関わらず0~100km/h加速2.95秒。最高速265km/hの化け物(笑)
↓運転席乗ってみて気づいたのですが、この画面にいる人がワラワラ動いているんですよね。
これ、見比べたら、ちゃんとそこにいる人でした。
調べましたら
2つのNVIDIA DRIVE Orinチップ、12カメラ、18レーダー、4LiDAR 、合計34センサーなど、最新の最先端技術を搭載。4つのLiDAR搭載は世界初だそうです。
説明に
「センサーが収集した膨大なデータは、毎秒500兆回の演算処理能力を持つDual NVIDIA Orin X Chipsが処理することで、常に360度を監視できるほか、ADASをいつも最新の状態にアップロード」
とあり、これにより、エレトレにはレベル4の自動運転機能を実現できる機能が備わっているとのこと。日本はレベル3まででしたかね?当然に日本仕様は、相当な機能殺しが行われているでしょう。
KEFのリファレンスオーディオ。23個のスピーカーを2,160Wのハイパワーで動かし、ドルビーアドモスにも対応するシネマサラウンドシステムを備えているようです。
また、アーキテクチャーには新開発の800Vシステム搭載。メルセデスのEQSおよび、EQEが400Vですから、さすがEV大国の中国。相当進んでいますね。
これにより、超高速充電が実現。わずか20分で400km分が充電されるようです。海外では30分あれば、600km分は入りますね。つか、0-100%充電って滅多にないと思いますが。
日本ではテスラ除けば、150kW機が最速ですが、これだけの受電性能があれば、日本でも30分あれば余裕で400Km分は回復するでしょう。1日で往復1,000km走るとして、そんな時行き帰りに30分位の休憩時間って取りませんかね?(笑)
エレトレに搭載されるモーターとSiCインバータはZF製とのこと。
この値段で、これだけ最先端の部品・技術を組み合わされたEVは・・現時点では中国にしか作れないでしょうね。
最後に冒頭の「三体」の話に戻ります。
三体星人は、現時点では地球人よりも3世代は先のテクノロジーを持ち、現在、地球に向けて大艦隊が侵攻中。光速の10分の1位のスピード?である時速1億キロ以上で移動できるテクノロジーを持ちますが、それでも地球に到達するまでは400年以上。
そうした背景から
三体星人が人類科学の発展を阻害すべく、量子のもつれを利用して地球に送りこんだ、原子よりも小さいAIの智子(ソフォン)が、人類に、こんな事(うろ覚えですが(笑))を言います。
「人類は10万年の歴史の中で大半を類人猿のように過ごした。狩猟採集時代がきて、農耕時代までが9万年。農耕時代から産業革命までが1万年。上記の時代から原子力の時代まで200年、高度情報化時代まで50年。次はどうなる?あと400年もすれば我々を凌駕する文明を持ち、艦隊を滅ぼす。そして二度と侵略しないように我々を滅ぼすだろう。だから今のうちに科学の根を摘むのだ」と。
EVの歴史は100年以上経つかも知れませんが、新世代EVの登場が日産リーフやテスラだとすると10数年前位ですかね。そして、ここ3年位でのバッテリー、モーターを含めてのBEV、BEVと相性の良い自動運転技術の進化は速い。また、コスト面でも例えばバッテリーは1W=6円の時代にもう間もなく(今年の夏)突入する。
2035年までは11年もありますが、そこまで待たずとしても次の3年ではどうなる?・・と思わざるを得ません。「黄色いロータス見た」位で何を大げさに、とやはり考えすぎですかな(笑)
Posted at 2024/05/20 17:05:53 | |
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2024年05月19日
ル・ボランカーズミート2024橫浜に行ってきました。昨日は良い天気だったんですけどね。今日は曇り時々雨・・の雨男です。
さて、まずは、「普通じゃない圧倒的な存在感」を放っていたテスラのCybertruckから。これは車好きじゃない一般の方にもただものじゃない感がわかるようで、恐らく香港、台湾からの飛び入りの観光客、日本人老若男女の黒山の人だかり。
後輪駆動バージョンが6万990ドル(約930万円)、最高性能版の「サイバービースト」でも9万9990ドル(約1520万円)。円高じゃなくても(ものに対して)ビックリするような価格ではないかと。
しかし、サイバービーストのスペックだと思いますが、、
全長5682.9mm、全幅2413.3mm、全高1790.8mmと巨大。ただ、ある程度の年代の人は「普通免許」でも、もっとデカイ8トントラックまで運転できますからね(笑)
キャビン後部にある荷台容量は1897リッター。積載重量は1134kg
けん引能力4,990Kg 航続距離547Km 0-100 KM/H2.7SEC
まさにビーストですね。
↑この、見たことのないデザインのタイヤは米国のグッドイヤー製。またボディサイズに比べて20インチでも貧弱に見えないのはこの独特なホイールカバーのおかげですかね。しかし、本国ではこのカバーが「走行中にタイヤに傷がつく」と問題になっているようです。そのほか、サイバートラックの不具合ニュースをわざわざ探して、日本で報道するというネガキャンがされていますが、新型プリウスだって、先月「最悪の場合、走行中に後席ドアが開くおそれ」と言う結構恐ろしい内容のリコールを13万5千台もやらかしてますがな。
デンソーの燃料ポンプ不具合のリコールはなんと400万台以上。半年前には残念ながら死亡事故が発生してしまいました。スポンサーの要らないNHKニュースしか見つかりませんが。
NHKニュース
マスコミは・・日本のメーカーだけが特別、シュゴイ、勝たん、みたいな姿勢を改めないと。スポンサー料もらっているから無理か。
戻しまして、自動運転も含めて、トライ&エラー、前進あるのみの(笑)米国、中国のメーカー。
両国は国による法規制緩和も後押ししていますが・・。
みんカラでは10数年前から同じこと書いていて空しいですが・・こういう車はもう日本からは生まれないんだろうな、と。
Posted at 2024/05/19 20:05:19 | |
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2024年05月17日
メルセデス・ベンツ・770Kグローサー・プルマン・リムジーネ。いわゆる「グローサーメルセデス」
直列8気筒 7,603 cc スーパーチャージャー。御料車の本物(7台のうち1台)は、ドイツのメルセデスベンツ博物館にあり、現存する残り2台は宮内庁保管らしいので、今日は、ミニカーコレクション(昭和天皇ご在位60周年記念ミニカー)から(笑)
5.6mの巨体。グローサー(偉大な)メルセデスの貫禄十分ですね。
ちなみに、メルセデスベンツ博物館にある昭和天皇の御料車は、天皇家の紋章が外された状態でメルセデスベンツ社に引き渡された為、このフロントのマークはメルセデスベンツのマーク(スリーポインテッドスター)になっているとのことです。
また、博物館のベンツは見様見真似?で作ったようで、この菊の花びらの数も違うとか(笑)
wikiより。
「御料車導入にあたっての調査結果は威仁親王を中心として検討が行われ、結論として、イギリスのデイムラー(現ジャガー)社の車両と、ドイツのダイムラー(メルセデス)社の車両が御料車にふさわしいとして奏上された」
とありますが、結局、第1号御料車はイギリス国王のジョージ5世の公用車と基本的に同じ、デイムラーのデイムラー・リムジン 57.2HP 6気筒9.4リッター。57.2馬力(HP) に決まりました。
以後、御料車は下記のとおりで、WW2の戦勝国2国(イギリス・アメリカ)。敗戦国2国(ドイツ・日本)みたいな感じですな(笑)
ディムラー・リムジン 57.2HP(1913年 - 1927年)
ロールス・ロイス・シルヴァーゴースト(1921年 - 1936年)
メルセデス・ベンツ・770(1932年 - 1968年)
キャデラック・75リムジン(1958年 - 1970年)←マッカーサー元帥と一緒。
日産・プリンスロイヤル(1967年 - 2008年)
トヨタ・センチュリーロイヤル(2006年 - )←防弾車は3.7トン
後にも先にもメルセデスベンツ770のように36年も使用された(される)御料車はもう現れないでしょうね。
「日本に到着後、陸軍砲兵工廠で防弾装甲ボディに改装された。重量は標準仕様の770が2.7トンであるのに対して、防弾車は4.3トン。元々装着していたコンチネンタル製のタイヤは過大な重量のために摩耗が著しいものとなった。そのため、1937年(昭和12年)に、釘などを踏んでもパンクしないことを条件として橫濱護謨製造(横浜ゴム)に専用タイヤの開発を命じ、本車両用に設計された特殊タイヤが製作された。同社製のタイヤは、防弾仕様ではない他の車両でも用いられた」
EVは重量ガー、な人もビックリ(笑) 4トン超えですがな。しかも昭和12年に、その超大重量を支え、戦後は、道の事情も悪い中、全国巡幸を成功させた横浜タイヤの技術力も凄い。(1946年(昭和21年)から1954年(昭和29年)にかけて行われた昭和天皇の戦後巡幸の際の御料車)
「御料車として計7台を購入し、戦前期の1932年(昭和7年)に導入され、戦後の1968年(昭和43年)に引退するまで、36年間もの長期に渡って運用された。第二次世界大戦終結後に行われた昭和天皇の戦後巡幸において全国各地で走ったことで、国民からも認知されて「赤ベンツ」と通称された」
戦後、多くの国民が天皇が乗る赤い「メルセデスベンツ」を目撃。
日本における「メルセデスベンツ=高級・高性能」みたいなブランドイメージは、戦後ヤナセが、名士や、富裕層の名簿を元にアタックし売りまくったり、夏季は軽井沢に臨時のサービスステーションを作るなど、今のブランドイメージを築き上げた、と言う面もあるのでしょう。しかし、そもそも、その名士や富裕層が、「天皇が乗る車」としてあのブランドの車が「欲しい」と思う土壌が既に戦前から戦後に出来上がっていた事も大きいと思われます。
Posted at 2024/05/17 16:46:32 | |
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メルセデスベンツ | クルマ
2024年05月17日
昨日、ホンダがビジネスアップデートの中で「2040年にグローバルでのEV/FCEVの販売比率を100%」の目標にはブレはない、と再度表明。
そして財務戦略の中で「EVの本格普及期となる2030年度までの10年間で、約10兆円の資源投入を計画。将来成長に向けた果敢な投資と株主還元の両立を推進していく」と、ソフトバンクグループの「AIに10兆円!」なみの超大型投資計画を発表しましたね。
以前、
ホンダがエンジン捨てるってよ
でも触れましたが、
2022年度の営業利益は
二輪事業で過去最高の4,887億円
四輪事業で420億円
金融サービス事業で2,858億円
パワープロダクツ事業及びその他の事業で228億円
四輪事業の収益改善は喫緊の課題だったのです。
そして2023年度の決算発表で、
で、2023年度営業利益率はいまだに二輪に大きく劣るものの、営業利益は5,606億円と額では二輪を上回り大幅に改善されたのです。
要は、「4輪事業においては2018年から2023年度の利益改善みてください」
→こう視覚で見ると凄い改善ですね。
「ハイブリット車もアップデートして北米で沢山売れました。しばらく高く売れるハイブリットで稼いでいきますよ」
→足元は、ハイブリット車で稼いでいく。これはトヨタも同じ戦略ですね。
「4輪が儲からなかった原因は、車種ごと各国ごと(こだわって作った?)バラバラだったアーキテクチャー。これを集約しますよ」
→日本においては日本専用車は軽自動車だけにして、普通車は、これからインド生産の車とかガンガン入れていくよ。WR-Vとか。消費税込み2,098,800円 〜2,489,300。安いでドーン。みたいな。ガソリン車のみだけどね。
何と言っても主戦場は世界2大市場の北米と中国だから(by HONDA)
バッテリーは、韓国企業は別にいいのだけど、ジャガーアイペイスの時の問題バッテリー供給企業だったLGエナジーソリューションとの協業は発表当時から、個人的に気になっているところです。
2040年なんて今から16年も先。しかもその頃は日本の軽自動車比率は現行の40%から70%位になっているでしょう。ですから、日本においては、日産サクラに対抗できるというか凌駕するEVが必要でしょうね。あ、ホンダはその日産と組む予定でしたね。
VIDEO
こういうビジョンや中・長期戦略の立案と伝えることが苦手な企業が多い中、さすが、グローバル企業のホンダさん。ブレずに、長期ビジョン(10年、15年)を示し、戦略は財務戦略まで一体的に。そして周辺戦術もしっかり話されています。
Posted at 2024/05/17 15:19:39 | |
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自動車会社決算 | クルマ
2024年05月16日
1945年8月30日、連合国軍最高司令官のダグラス・マッカーサー元帥が厚木飛行場に降り立ち、その後、焼け野原の東京まで颯爽と走ったのが、この1942年式 キャディラック・シリーズ75・フリートウッドリムジン。
1942 Cadillac Series 75 Fleetwood Limousine
V型8気筒5670cc。全長5.8m。
昭和で言うと、昭和17年式だなっす。戦後の日本人の度肝を抜いたでしょうね。
現に車に興味のない祖母が生前ベンツとキャディラックは知っていましたから。
そんな戦後の日本人の気持ちが書きの車の登場でわかりました。
シリーズ72ではないですが、カリフォルニアモーターズに突如現れた(お客様)の
1941 CADILLAC SERIES 62 CONVERTIBLE COUPE(ですかね?)
生で見たら、いや、これ絶対戦争勝てないやつと。
映画「硫黄島からの手紙」で、渡辺謙さん演じる栗林中将が、
「米国が一年間に生産する自動車の台数をご存知ですか。500万台だよ。彼らの軍事力と技術力を過少評価してはいかん」
いや、当時は生産量だけではなく、質もですよ。
しかし、迫力と美しいボディライン。そして見事な状態の車でした。
Posted at 2024/05/16 16:26:47 | |
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キャデラック | クルマ