この記事は記述が古くなっています。同カテゴリーの最新記事を参照してください。手順が大幅にシンプルに、楽になっています。
さて、お昼に速報でナビ動作のご報告をしましたが、やっと日本語化の目処も立ったので手法の解説をしたいと思います。
そこそこ長くなると思うので、まずは準備から。おそらくこんなことをやってみようと思うほとんどの方はここに書いてある情報だけで成功すると思います。
Windows PCとインターネットとUSBメモリーがあれば、基本的にはフリー(無料)のリソースだけでインストールできます。
まず、Medianavは2014年12月8日時点での最新版である4.0.3にアップデートされていて、Medi@skinが入っているものとします。
Medianavのアップデートについては
http://www.renault-kyoto.com/cadononews/item_596.html
Medi@skinのインストールについては
https://minkara.carview.co.jp/userid/2308444/blog/34241093/
上記をご参照ください。
Medi@skinのブログエントリーはみんカラの使い方がよくわかってなくて写真を消してしまったので、そのうち直したいと思います。すいません。
準備するもの
1) 地図データ( Open Street Map 由来の Garmin 用イメージファイル)
http://admincabal.com/osm/ から japan.zip を DL して解凍
そのほか、お好きな OSM データが利用できます。
2) フリーのナビソフト Navikey 7ways Windows CE MIPS 版
http://en.navikey.org/ Download ページから "For Other OS" 下の "Windows CE (MIPS) (v1.05.720)" をDL
3) 上記 2) と同じページから、Console maps converter (v1.23.152) を DL。お使いのPCのOSに応じて64bit版と32bit版を使い分けます。
4) 地図データ編集ソフト GPSMapEdit
http://www.geopainting.com/ 「最新バージョンを無料ダウンロード」からダウンロード。ライセンスを買うことで制限されている機能が使えるようになりますが、今回の用途では制限されている部分は必要ありません。ですが Donate のつもりで購入するのは大変良いことだと思います。
5) Garmin イメージの展開用ソフト Garmap Tools
http://www.gmaptool.eu/en/content/windows-setup
※ 当初漏れていたので追加しました
6) フリーの日本語フォント ほのか丸ゴシック
http://font.gloomy.jp/honoka-maru-gothic-dl.html
※ 他にも通るフォントはあると思いますが、僕が5~6個試した中ではナビが起動して日本語が表示された唯一のフォントです
以上!です。
ものすごくシンプルです。
やることは、
OSM データ -> Garmin データ -> Polish データ -> 7way データ
そして最後にナビを日本語が利用できるようにします。
(ちなみに最初の工程はすでに済んだデータが配布されています)
※ ただし、地図の変換にあまりに時間がかかるため、日本全国では試していません。
1) Garmin 用イメージ を取得し
5) 展開ソフトで展開し、
4) 地図編集ソフトで必要な部分だけを選び、
4) 編集したデータをpolish(.mp)形式で保存し、
4) 一度保存したファイルを同じソフトで 7ways(.7w) 形式に 3) のコンバータ を使ってエクスポートし、
2) ナビソフトを入れたUSBメモリのmapsフォルダにそのファイルを入れ、
6) 日本語フォントを既存のナビソフトのフォントと置き換える
これだけです。
さて、準備編はこんなところですが、次からは細かい手順を書いていきます。どうせまだ月曜なんで、試す人もいないでしょうからゆっくりやっていくつもりです。もしそれまでに質問があったらコメント欄でお願いします。

7ways起動画面

事故っても責任とらないから気をつけろよ!という警告

メニュー画面(スキンは2種同梱)

日本語が表示された地図画面(RENAUTて…)
<!-- ここから愚痴 -->
僕はここに到達するまでに実行環境を XAMPP + Active Perl から始めて失敗し、 Cygwin + Strawberry Perl でまた失敗、次に Linux Mint 17.1 まで入れて、Perl のリビジョンも20個以上試行して Perl モジュールの相性問題をひたすら追いかけるという苦行を一ヶ月行っていました。あと少しで FreeBSD にも手を出すところでした。
Linux と Perl の世界に馴染みのない方はなんのこっちゃかとは思いますが、これはもう本当にただただ苦行です。
7ways のロシア語フォーラムを翻訳しつつ隅々まで読んで、最終的にモジュールの相性問題を完全に解決したのが先週末金曜日の夜(三日前)だったかと思います。これまでに結局 Cygwin + Strawberry Perl 環境に戻っていました。必要とされていたモジュールが全部入って準備ができたのがあまりに嬉しくてビールをいっぱい飲んで寝ました。
さて明けて土曜日、いざOSMデータを変換できる!と、そのために配布されていたshとplを走らせると、スクリプトのREADMEがむちゃくちゃ適当でその通りに設置しても動かず、スクリプトの解読を行い正しいインストールを行いました。
ようやくこれでいけるだろう、と思ったら途中で利用する変換ソフトウェアがwindowsで動くんですが、日本語ロケールでは動かないという恐ろしい事態が判明。このソフトはスクリプトではなくバイナリだったのでさすがにどうしようもなく、英語版Windowsを調達するか撤退するかでひとしきり悩んだ後、ここまでで得た知識を元に手順をリファクタリングしてみることにしました。それが一昨日の晩です。
<!-- ここまで愚痴 -->
昨日日曜日に GPS Map Edit というすばらしいソフトに出会ったことで一気に道が開け、OSM データの 7ways 向け再コンパイルができるようになりました。ですが日本全国のデータでは corei7 2.2GHz 8GB Win7 64bit 環境で5時間以上変換作業をしても全く終わらず、データによってはメモリが足りずに落ちてしまいます。そのエラー表記もちょっとおかしいのでソフトに問題がある可能性もありますが、現状はそんなかんじです。
西多摩近辺だけで30分、自宅を中心に15km×18kmくらいの矩形を切り出した地図で70分くらいかかります。
そのため現状はそのサイズの地図で実証を行っていることをご了承ください。
少し前まで山歩きやサイクリング用Garminの世界では行きたい場所の地図を切り出して持ち出すのが普通でしたから、そういう感じで使っていければ十分なのではないかと考えています。
ちなみにナビの性能ですが、ロシア製ですので日本の道にはあまり向いていないとは思うものの、最短ルートの算出はけっこうキチンとやってくれています。ルート検索の方法も結構豊富で、走った距離の履歴が見れるのも好感です。オープンソースだけあって、割と機能的には豊富です。
ですが高速道路優先だとかになるとOSM由来の弱さが露呈されるでしょう。こんど試してみますがおそらく惨敗だと思います。
あと、現状では住所検索がほぼできません。地図上にある区市町村の名前レベルでは検索できますが、そこから先は無いと思ったほうがいいです。Windows版、MacOS版の 7ways もあるので、PCで地図上に行きたい場所をプロットしておいて使う方法や、スマホ地図の併用などが考えられます。行き先さえ入れればそれなりにナビをします、今のところ。
ただベースがOSMですからデータが古いところ、間違っているところなどは多々あると思います。そういった場所があったらOSMコミュニティに還元するのもこういった試みの醍醐味でもありますね。
日本でカーナビで使っている人はあまりいないと思うので、かなり貢献できるかもしれません。ナビが一方通行を逆走させようとしたり存在しないトンネルにつっこませようとしても笑って許せる心の広い方はぜひ!
とりあえずこれでMedianavにおける日本語カーナビゲーションの最初の一歩を踏み出したところと思ってください。
今後やってみたいこととしては以下がありますが、どこまでできるかは不明です。僕はここまでできればスマホ併用でなんとかなるので、とりあえず満足してしまうかもしれません。引き取っていただける方がいらしたら分かっていることは全部共有しますんで、ぜひお願いします。
・音声の日本語化(ナレーターが調達できれば1~2日)
・地図データの全国化(コンパイルがそもそもできるのか、できたとして何日かかるかによる)
・検索用住所データの整備(調査から~半年)