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実作業の流れは前のエントリーでご紹介したとおりです。
手順に沿って連番を振り直します。
1) Garmin 用イメージ を取得
2) 展開ソフトで展開
3-1) 地図編集ソフトで必要な部分だけを選択
3-2) 編集したデータをpolish(.mp)形式で保存
3-3) 7ways(.7w) 形式にエクスポート
4) ナビソフトを入れたUSBメモリのmapsフォルダに地図ファイルを入れる
5) 日本語フォントを既存のナビソフトのフォントと置き換える
1) Garmin 用イメージの取得
http://admincabal.com/osm/
OSMデータも直接使えるのになぜGarmin用イメージかと言うと、ナビに適しているからです。OSMにも
このように日本語データはあるので、これをエクスポートすればいいだけなんですが、領域が広くなると手順が煩雑になるのと、Garmin用イメージは既にナビ用にトリートメントされているのでエラーが出ません。OSMはカーナビ専用というわけではないので、ウェイポイントとして利用する際には余分なノード(道の結節点)やIDの重複などが結構あります。そのため7ways用のエクスポートの前に自分で編集しないといけません。この手間が省けます。
上記URLから japan.zip もしくは japan.exe をダウンロードし、解凍します。
(試してませんが、exeファイルは自己解凍ファイルだと思います)
すると、gmapsupp.img を得ます。
これは Garmin 専用のマップイメージコンテナファイルです。
2) 展開ソフトで展開
このまま GPSMapEdit で読むこともできるのですが、得られたimgファイルを展開し扱いやすくします。
展開のためのソフトは
http://www.gmaptool.eu/en/content/windows-setup
から GMapToolSetup08186a.exe をダウンロードし実行し、展開します。
これは自己解凍ファイルではなくインストーラーです。適当に指示に従い、インストールフォルダを指定します。
"Copy GMT.exe to Windows directory" のチェックボックスがありますが、これはチェックを外して構いません。
また Create a Quick Launch icon もいらないでしょう。
インストールが完了したら、起動します。
起動当初開いているのは"Files"タブです。ここに 1) で得た gmapsupp.img を Drag & Drop か、ボタン"Add Files"から追加します。
次に"Split"タブに移動します。
ここで展開先フォルダを指定します。ボタン"Directory"をクリックから指定してもいいですし、Explorerからフォルダパスをペーストしても構いません。
"Create"の選択項目は"files for Mapsource"を選択しておきます。
"Split All"ボタンを押して展開します。
展開先フォルダは既存でないとエラーが出て失敗します。予め作っておきましょう。大量にファイルができるので新しいフォルダを作るのが無難です。
3-1) 地図編集ソフトで必要な部分だけを選択
GPSMapEdit をダウンロードしインストールします。
http://www.geopainting.com/index.php?lang=ja_JP
から、「最新バージョンを無料ダウンロード」をクリックし、飛んだ先(同一ページ下部です)から「インストーラをダウンロード」をクリックし、ダウンロードします。
GPSMapEdit_2.1.78.8.exe を起動します。
ここから若干特殊なのですが、上記exeを起動し作動を促すと、まず必要なファイルのダウンロードが行われます。
ダウンロードが終わると「Finish」というボタンが現出しますので、それをクリックすると画面が変わります。続けて「Install Now」で一旦インストーラが終了し、ブラウザが起動し、「Download starting ... Click here to download again! 」という表示のあるページが表示されます。
フォーカスがそちらにとられるので混乱しますが、これはクリックする必要がないので無視してください。一方タスクバー上には「セットアップ」という名前のタスクが表示されていると思います。これをクリックします。インストール言語を聞いてくるので日本語…を選びたいところですが、日本語のローカライズはベータ版らしく、たいへんありがたいんですがUIの操作上ではかなり混乱を来します。後から変更もできますが、Englishを選ぶのが無難かもしれません。ここではどっちでもいいです。
インストール先を選んでインストールを終え、GPSMapEditを起動してください。
あとは GPSMapEdit に必要なイメージを突っ込んでいけばいいんですが、2) で展開された img ファイルは192もあり、どこがどこだか番号も一貫していないので分かりません。運に任せて GPSMapEdit に投下していけばいつかは必要なマップが手に入るでしょうけど、不毛です。
そこでまず mapset.tdb を開きます。すると点線の枠が出てくると思いますが、縮尺を調整して全体を見ると…なんとなく日本地図に見えてきませんか。
ズームツールは点線と虫眼鏡のアイコンです。これを選択して領域ドラッグでその領域を最大表示、左クリックでクリックポイントを中心に拡大、右クリックで縮小です。ツールバーの右の方には縮尺設定と拡大縮小ボタンもあります。これを使って自分の使いたいマップ領域を拡大していくと、img ファイルの名前が分かります。
ここで File - Add とやりたいところなんですが、これをやると(なぜか)うまくいきません。欲しいファイル名をメモしたら、いちど File - Close で tdb ファイルを閉じます。
ここで、必須ではありませんが設定を変更します。日本語でインストールした人はそのままでも行けると思いますが、上部メニューから
Tools - Options(一番下です)で現出するダイアログで、一番右の "Common" タブをクリックします。
Interface language:から "英語(米国)+ type names in 日本語(日本)" を選択し、"OK" で戻ります。GPSMapEdit を再起動するよう促されますので、一度閉じて、起動します。
上記の選択肢は日本語でインストールした人はタブ名が「一般的」、「GUIの言語」項目が最初「日本語(日本)」になっていて、変更先は "英語(米国)+ 種類の名前の言語: 日本語(日本)" になると思います。
これは実はどれでもいいんですが、メニュー内の日本語が分かりにくいことがあるので上記を推奨します。"type names in..." というのはこれが地図編集ソフトなので、地名を何語で入力しますかという意味と思われます。今回は基本的に編集しない予定なので関係ないのですが、合わせておいて損はありません。
僕が欲しかった近隣のファイルは以下です。
63240056.img
63240005.img
63240048.img
63240021.img
これをツールバー最左端のアイコンから一つずつ追加していきます。
以上でマップの選択が完了します。
3-2) 編集したデータをpolish(.mp)形式で保存
必要なマップが揃ったら、次に日本語の文字コードを設定します。
File - Map Properties から現出するダイアログで、Header タブ内の以下を設定します。
おそらく文字コードは Shift-JIS になっていると思うので、
Code Page: 65001 (UTF-8)
Coding Schema: Far East(multi-byte)
を選択します。
"OK"ボタンをクリックして、
File - Save As...
で保存します。
保存先は新しいフォルダにしたほうが無難です。
形式は一番上の Polish Format を選びます。
3-3) 7ways(.7w) 形式にエクスポート
いったん Polish 形式で保存すると Export ができるようになります。
ですがまずコンバート用の外部ソフトが必要なので、Navikey のサイトから取得します。
http://en.navikey.org/download.html
Console maps converter (v1.23.152) をダウンロードするとzipファイルになっているので好きなフォルダに展開します。
ここでいくつかのファイルとフォルダが展開されるんですが、7WaysConvC.exe と 7WaysConvC64.exe はお使いの Windows が64bit版なら 7WaysConvC64.exe を利用します。32bit版の 7WaysConvC.exe も使えそうな気がしますが、僕の環境では無理でした。自分の Windows がどちらか分からない方はシステムのプロパティから参照できます。それもよくわからなかったら…片方選んでだめならもう片方を使えばいいですね。
さて、いよいよエクスポートなんですが、GPSMapEdit の上部メニューから
File - Export - Navikey 7 Ways map (*.7w) / 7WaysConvC.exe
を選択します。
するとこんなダイアログが出ます。
ここの "Path to 7WaysConvC.exe:" に先ほどのコンバーターファイルを指定します。
"Path to tags XML file:" も同様に "tags.xml" というファイルが展開されているはずなので、指定します。
"Compress & Protect" は何をするのかよくわかりませんがファイルは小さい方がいいのでつけています。とくに読み取り専用ファイルができる風でもないので不明です。
"Output folder:" は展開先です。好きなフォルダを指定します。
"Create atlas for entire folder" はなんか 7WaysConvC.exe がそんなパラメータしらねーよとエラー吐きますが、関係なくエクスポートできるのでつけておいていいと思います。
この状態で、Run を行います。エクスポートにかかる時間は青梅市を中心とした270平方キロメートルの範囲で、Core i7 2.2GHz の環境で70分くらいでした。道路の数や地形の形状などによって違いがあると思いますが、参考までに。
後日行いたいときは、先ほど 3-2)で保存した .mp ファイルを開いて行ってください。
4) ナビソフトを入れたUSBメモリのmapsフォルダに地図ファイルを入れる
ナビソフトは Navikey の 7ways を利用します。
ダウンロードはこちらからです。
http://en.navikey.org/download.html
Windows CE (MIPS) (v1.05.720) をダウンロードし、得られたzipファイルを展開します。
USBメモリーには既に Medi@skin がインストールされているものとします。
(Medi@skin のインストールについては過去のエントリーを参照してください。)
するとUSBメモリーのルート直下はこんなフォルダ構成になっているはずです。
root
├─arret
├─CorePlayer
├─Igo8
├─Igo8_bidru
├─mp3
├─ttcmd
├─video
└─WolfNCU
ここに 7ways という名前のフォルダを作ります。
(別に名前も場所もどこでもいいんですが)
そのフォルダに展開してできたファイルを全てコピーします。
7ways フォルダの中はこんな感じです。
7ways
├─fonts
├─languages
├─maps
├─settings
├─skins
├─sound
├─speedcam
├─splash
└─tracks
この maps フォルダに、エクスポートが完了してできるファイルをコピーします。
名前はそれぞれだと思いますが、僕のあるときの試行では以下のファイルができました。
atras-*.dat ファイルはエクスポートの都度番号が違うようです。
atlas-e7cfa4b5.dat
63240056.7w
これをコピーして、こうなります。
7ways
├─fonts
├─languages
├─maps
│ atlas-e7cfa4b5.dat
│ 63240056.7w
├─settings
├─skins
├─sound
├─speedcam
├─splash
└─tracks
以上でマップのインストールは完了です。
5) 日本語フォントを既存のナビソフトのフォントと置き換える
このままでもナビは動くんですが、日本語が化けてしまいます。ローマ字の地図をインストールされた方ならそのまま使い始められると思います。
でもやはり運転中の視認性の上で日本語に勝るものはないので、ぜひここは日本語化してしまいましょう。
フリーの日本語フォント ほのか丸ゴシック
http://font.gloomy.jp/honoka-maru-gothic-dl.html
気をつけたいのは、広告の「ダウンロード」ボタンが多いことです。このリンクで変なファイルを掴まされる人も多いので、注意してください。ほのか丸ゴシックのダウンロードボタンは最下部…のちょっと上にある小さいボタンです。
ダウンロードして展開するといくつかのファイルが得られます。font_1_honokamarugo_1.1.ttf というファイルを適当なフォルダにコピーして、同一ファイルのコピーを3つ作ります。それぞれを
font.ttf
fontall.ttf
fontbd.ttf
という名前にリネームし、先ほどのUSBメモリー内の \7ways\fonts\ フォルダに上書きコピーします。
元のファイルを上書きしてしまうので、fonts フォルダ内に適当なフォルダを作ってそこに元のファイルをコピー待避しておいてもいいと思います。
サイズと名前から、font.ttf と fontbd.ttf はアルファベットなど欧文フォントのみ、fontall.ttf は Unicode系の文字が全部入っていると想定されます。いろいろ試した結果、マップ上の文字は fontbd.ttf が使われ、それ以外はメニューなどのナビゲーションシステム用のようです。fontbd.ttf はおそらくボールド体なので強調用だと思いますが、日本語ゴシックをボールドにしても800*480の解像度ではつぶれることが多いので、無視して同じファイルにしてしまいました。
このへんは調整の余地もあると思います。
日本語のインストールも意外と1~2時間くらいのハマりポイントでした。ttf ならなんでも行けるかと思ったらそうでもないんですね。TrueTypeアウトラインを持ち且つOpenTypeレイアウトであるttfを探すのに手間取りました。この条件に合致してもナビが起動しないフォントもあります。
起動時のエラーは settings/7ways.log に記録されますが、何度も車のエンジンをかけるのはプラグがカブるかもしれないしよくないので、別のフォントやメニューの日本語化を試すときは Windows 版 7ways で試すことをお奨めします。
さて、以上で ルーテシア4 および ルーテシア4RS の純正コンソール Medianav への日本語+日本地図ナビゲーションインストールの手順は完了です。最後の手順として、簡単に起動できるように、Medi@skin を利用してインストールされている WolfNCU に紐つけします。
Medi@skin(WolfNCU) の設定
WolfNCU のスキンは base を利用していると想定します。他のものでもいいですが、不具合が起きたときに標準の画面に戻れるように \MD\ARRET\ArretWolfNCU.exe にパスが通っているスキンのほうがよさげです。
base スキンの設定ファイルは
USBメモリーのルート\WolfNCU\Skin\base\skin800x480.ini
にあるので、これをメモ帳などのテキストエディタで開きます。
base スキンには iGO8 のボタンがスキン違いで二つあるので、両方とも
[ButtoniGO8_bidru]
Action=\MD\7ways\7ways.exe
[Button_igo8]
Action=\MD\7ways\7ways.exe
にリンク先を変えてしまいます。
保存して、完了です。
このへんの調整は僕の職域のメインとするところなので、今後アイコンの変更やスキンの作成もしていきたいと思います。
とりあえずは評価中ということでiGO8ボタンで起動するようになっています。
こんなダサい画面がまんならん!という方は
http://wolfncu.clan.su/blog/
にいくといろいろありますので、調整してご利用いただけるかと思います。
調整が終わったら、Medianav に USBメモリーを挿入して、キーを入れて(順番を間違えないように!)、エンジンをスタートします。
赤丸アイコンから WolfNCU を起動し、iGO8 アイコンで Navikey の起動です。
標準画面に戻りたいときは base スキン右上の赤い電源アイコンで戻れます。
ちなみに WolfNCU は ルノー、ダッチアだけでなく、BWM や ROVER なんかにも動くコンソールが積まれているみたいです。Build 違いで 7ways が動くかと思うんですが、やってる人いないんですかね。お金あるから純正オプションの国産ナビを入れるのが普通かなあ…
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謝辞:
Deeply Thanks To:
Japan for Garmin Devices
Kimon Berlin
GmapTool
Andrzej Popowski
GPSMapEdit
Константин Викторович Галичский
NaviKey 7ways
NaviKey
ほのか丸ゴシック
HONOKA Project
自家製フォント工房 by MM.
M+ OUTLINE FONTS
Adobe Systems Inc.
WolfNCU
HEO-WOOHAENG
* I don't know why, but official site of WolfNCU is temporary unavailable now.
MEDI@SKIN
http://www.mediaskin.ovh/