
(写真と本文は関係ありません)
7waysをバージョンアップしてから7waysの起動時間が異様に遅くなったのが気になっていて、いろいろと対策を考えてみました。結果失敗続きですが、副産物でいくつか新しい事実もわかったのでメモしておきます。
試行1
USB3.0を使ってみる
Medi@skinフォーラムではUSBメモリのバージョンはUSB2.0が推奨されていますが、USB3.0も使えることがあることが日本の皆様のご協力で既に判明していました。私も1つ試してみて使えたのですが、もう一つ買って試してみることにしました。pqi社のU603Vです。結果、起動はできました。ですが起動速度はほとんど変わらず…
ただmp3のコピーが速いのは助かります。
試行2
USBメモリのフォーマットをFAT32からexFATにしてみる
Medi@skinを起動するメモリドライブはFAT32でフォーマットすることが推奨されています。FAT32縛りがあるからこそ32GBまでだったわけですが、exFATにしたら最大容量だけでなく多少パフォーマンスも変わるのではないか…と考えました。
Medi@skinのフォーラムではほかのフォーマットを許容しないような記述がされていますが、USB3.0も使えるものは使えたので、これも疑ってみることにしたのです。そもそもwindows CE 6.0 Embedded はexFATに標準で対応しているはずなので。
結果、これも読み込み可能で、起動もできました。しかし速度は変わらず。そもそもベンチでも誤差程度しか変わりませんでした。
試行3
WolfNCUをすっとばして7waysを直接起動してみる
現状、Medi@skinパッケージはWolfNCUという高機能ランチャーを経由してナビなどを起動しますが、WolfNCUも7Waysも、標準のMedianavアプリも結局のところWindows CEアプリケーションであることには変わりないので(ですからMedi@skinは厳密にはCFWとは言えません)、WolfNCUを起動するところをやめて7Waysの直接起動も可能です。これを行えばWolfNCUに取られるメモリ領域が節約でき、軽くなるのではと考えました。
先日upgrade.lguの中身をじっくり見たおかげでこういう変更は簡単にできるようになったのですが、これも結果は全く変わらず…。WolfNCUが占有するメモリ領域が微々たるもので全く影響がないか、7waysが要求するメモリ領域が極端に大きくWolfNCUとは関係なくメモリスワップが発生する程度か、メモリが遅いか、メモリは関係なくCPUが弱いだけなのか、そのいくつかの合わせ技か、というところだということが分かりました。
試行4
USBメモリーではなくSSDにしてみる
USBメモリーの速度が問題なのではないかと考え、SSDにしてみることにしました。そもそもFAT32フォーマットでは32GB以上フォーマットできないので、先ほどの知見を利用してexFATでフォーマットします(NTFSは認識しませんでした)。爆速・激安でおなじみの Intel X25-M 120GB を昔のPCからひっぺがして転用してみました。USB経由での認識は見事成功。Medi@skin V2 も起動しました。これはもしや夢のSSDナビの世界が開けるのでは…と期待したのですが、7waysを起動するといきなり低速に。USBメモリーよりも7Waysの起動は遙かに遅く、検索も激重という非常に残念な結果となりました。しかしこの失敗のお蔭で、メモリーの速度はあまり関係がないのだということが分かりました。
ただ、ベンチマークソフトの測定ではこのSSDはUSB接続ながらUSB3.0メモリーの2倍の数値をマークしていたのになぜ遅くなったのか…このあたりはなんらか理由があるはずなので、もう少し考えてみたいと思います。
失敗続きとは言え、最初に書いたように得るものもありました。
まず、USB3.0は必ずしも使えないわけではない、ということ。個人的には2/2の確率で成功しています。
次にexFATが使えるということ。これは4GB以上のファイルや32GB以上のメモリー領域が使えることを示します。
そしてexFATの恩恵でSSDが使えるということ。SSDだけなら 5V 1A で起動するのでUSBバスパワーやシガーソケットからの動作が可能と思われます。(私は現状は別に電源を取って試しています)
前述の通り、何が理由か不明ですがUSBメモリーより7waysの起動/動作は遅かったので、実用まではまだ壁がありますが。
ざっとこのようなところが新たな情報です。
肝心の7waysの遅さは何が原因なのかも少し考察しておきたいと思います。
7ways を Windows(非CE)で起動したことがある人ならわかると思いますが、非CE Windows 版 7ways は爆速で起動(マップ読み込み)も地点検索もルート検索もこなします。 Medianav との違いは CPU とメモリーが主でしょう。
CPU に関しては、私の環境ではかたや 2GHz 超えの Intel Core i7 に対し、Medianav は 667MHz の MIPS CPU (AAU1320)。具体的なベンチマーク情報などは入手できていませんが、クロック周波数差以上に処理能力には大きな開きがあると思われます。
メモリーに関しては4G~8GB DDR3 SDRAMのPCに対して、Medianavは256MB DDR2 SDRAM しかありません。どちらかと言うとCPUよりこちらのほうが動作に影響を与えている可能性が大かもしれません。
その傍証は、WolfNCUや動画の再生などではほとんどもたつかないのに、7Waysを起動させたときだけ顕著な遅さを露呈するという事実です。単純に1地域のマップファイル1つだけでも200MBを超えるものがあるので、それだけでディスクスワップを発生させてしまうサイズです。
ただ、この推論と必ずしも整合しないのですが、以前のマップファイルではもう少し起動が早かったという事実があります。(検索速度は顕著には変わっていません。)マップファイルの容量はほとんど変わっていないのですが、ズームの中間領域を担っていたと思われるファイルが消えているのがなんらか影響しているかもしれません。
というわけで、7Ways高速化計画はかなり難航しております。SDRAMを大容量のものに乗せ換えるというのはどうか…と一瞬頭をよぎりましたが、基盤直付けのちっさなチップを見て即諦めました。
しかし失敗なくして成功なしとも申します。この失敗経験を共有しておけばどなたかが屍を拾ってくださるかもしれないと思い、ブログエントリーとした次第です。
その他 Medianav 関連の話題はここにまとめています。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2308444/blog/34768746/