「越前おろし蕎麦」を食べたいものと思っているがなかなか行く機会がない。
かつて福井には何度も私用で行ったことがある。日本海の海の幸、豊かな山の幸にも恵まれて食べ物も豊富でおいしい。
一番最初に行ったとき若狭町から三方五湖をめぐり最先端の漁師町の民宿に一泊した。その家のそばに巨大な蘇鉄の木があって「これは日本一大きい蘇鉄だ」と言われた気がする。
たしかに巨大な蘇鉄であり屋根よりも高そうだった。
宿代は安かったのだがよければ魚をいかがでしょうと、と言われた。
「鯛かひらめを一匹夕食に有料ですが出します」と。
鯛もひらめも一匹5000円だった。宿代が5000円ほどだったので合計で1万円だった。
ひらめは見事なもので食べきれないほどの分量でおいしかった。
翌朝は残ったひらめを煮付けて出してくれた。
この短い半島は梅栽培も盛んで梅農園があちこちにあった。
半島には入り江が多く海水浴場で夏場はにぎわうということであった。
福井県にはほかにも若狭湾、小浜湾、敦賀湾など趣のある海岸線が多くのんびり旅をすれば四季折々の旅情が楽しめる。冬に雪が降ったときの入り江の情景などは日本海ならではの荒涼とした灰色の景観を楽しめる。
福井県でとくに印象の深いのは九頭竜川である。
とても大きな川でこの川を遡る旅を何度かした。
川をカヌーで上るのではなく九頭竜川沿いに勝山市、大野市、そしてもっとも奥の和泉村(いまは大野市と合併)まで行き九頭竜ダム湖を見学した。
この奥はもう岐阜県である。たしか岐阜県側も郡上市という奥地である。
福井県の最奥地九頭竜湖の奥にあった大野郡石徹白村が越県合併で当時の岐阜県郡上郡白鳥町の一部になった。岐阜県との境界の集落なので大野市へ出るよりも白鳥町のほうが近いというわけで福井県を離れて岐阜県に移動したということもあった。
九頭竜ダム湖のあたりは人家もない。
昔は銅や亜鉛の採掘で栄えたのだがいまは鉱山が閉山されてさびれる一方である。
私が行ったときは山が赤茶けていた。とっくに銅の採掘、精錬は終わっているのに精錬のときにでる有毒ガスで山が枯れいまだに樹木が回復していないのである。
福井県は南は京都に接し、北は石川県に接する。
南北に長くまた東西にも日本海から山岳地帯まで広がっている。
いわゆる北陸地方と言われる越前、越中、越後は日本文化の中核の存在、日本のなかの日本だと思っている。

写真・食育のさきがけ福井県
(福井県農林水産部販売開拓課)
で、越前おろし蕎麦はどうした、という声も聞こえて来そうなので先を急ぐことにする。
なかなか越前へ旅できないのでならば越前おろし蕎麦風の蕎麦を自分で作って食べようと思いたった。まず蕎麦はスーパーで売っているふつうの茹で蕎麦を買ってもいいし乾麺の蕎麦でもいい。
湯がいて冷水にとり盛りそば風に器にいれる。
蕎麦を湯がいている間に大根をおろしに擦る。量は多目がいい。
で盛り蕎麦に大根おろしをたっぷりと載せる。
その上に麺つゆでもいいが私はふつうの濃い口醤油をかける。
これで蕎麦を食べれば越前おろし蕎麦もどきとなる。
最初食べて思わず「うまい!」と思った。
蕎麦と大根おろしと醤油が抜群のハーモニーを奏でるのである。
これだけでももう大満足であった。
越前おろし蕎麦にはもちろん蕎麦もなにもかも及ばないだろうが雰囲気だけは味わえる。
薬味には細い葱、かつお節の細かくスライスしたもの、刻み海苔などをトッピングすれば大根おろしと絡まって味の変化を楽しめる。
これは蕎麦だけでなく細めのうどんでも素麺でもなんでも冷たい麺類なら大根おろしは絶妙のマッチングをもたらしてくれる。七味唐辛子を少しふりかけてもおおいしいし好きな人はキムチを入れてもおいしいだろう。
これから暑い夏で冷たい麺類がおいしい季節。
大根おろしを使った「越前おろし蕎麦」風のいろんな冷麺を工夫してみられても楽しいでしょう。
ブログ一覧 |
温泉・グルメ・穴場。 | 日記
Posted at
2015/07/09 21:30:32