関西地方だけの放送かもしれないが「関西テレビ」(関東ではフジテレビ系列)の夕方5時から7時まで「ゆうがたLIVEワンダー」という番組が放送されている。以前は青山繁晴さんの水曜アンカーが放送されており毎回視聴していた番組である。
その中で和歌山県だけかもしれない「運動会の歌」、というものがあると紹介されていた。
いま秋の運動会シーズンですが私の記憶では「運動会の歌」というものを特別に歌ったことはない。いわゆるご当地ソングとしては有名なのが長野県民の愛してやまない県歌「信濃の国」。「信濃の国は 十州に境連ぬる国にして聳(そび)ゆる山はいや高く 流るる川はいや遠し・・・・・」という歌を県民愛唱歌として何かあれば歌いまくっている。この歌を知らなければ長野県民とは認められないというほどの熱の入れようである。
それにくらべて和歌山県の「運動会の歌」とは・・・・。
正直あまり聴いたことのないような・・・。
関西人の方も和歌山県民以外の人でご存知の方はいらっしゃるのであろうか。
興味をそそられてテレビ画面をカメラで撮影したので順番に御覧ください。
そこで実地調査に和歌山県へ向かった。
やはり歌を知っている県民続出。しかも「この歌、全国区じゃないの?」とも。
和歌山県限定と聞かされて「・・・・・・ショックぅ・・・・」。
いざ小学校の運動会へ突撃取材を。
運動会のプログラムにも、あったあ「運動会の歌」。
日本の未来は当時戦後のベビーブームと呼ばれた子供たちに託さてれいた。当時の小学生は中学校に進学するのだが卒業前には就職組と進学組とに分けられ、中卒就職者は「金の卵」と呼ばれていた。中卒者は全国から集団就職で東京や大阪など大都会の工場に就職したものも多く、戦後日本の高度経済成長を支える貴重な労働力となった。工場の生産は当時は人力に負う部分が多くたとえば電球生産工場では最後の検品はずらっと並んだ女工が一個一個電気プラグに電球をねじ込んで光るかどうかを確認するという塩梅であった。
この歌詞にあるように昭和世代はいろんな意味で日本の未来を背負って激動の時代を生き抜いてきた。
昭和28年、「紀州大水害」が起きた。
この「運動会の歌」がつくられたのは昭和31年。
昭和28年に和歌山県は大洪水(紀州大水害)に襲われて大きな被害を受けた。
それから3年後、戦後の復興と大災害からの復旧とを重ねあわせて県民が一致団結し未来へ進もうと言う意味を込めて「運動会の歌」が公募されたのだという。
この歌を作詞した伊藤孝夫氏を訪問したのだが・・・・。
作詞者は伊藤孝文氏。5年前に88歳で逝去されていた。作曲者は和歌山市に在住の音楽教師の秦野和夫氏。
伊藤氏の娘さんにインタビューして話を聞いた。
娘さんは伊藤氏から聞いた話として歌詞の中で「明日の日本を背負うのだ」というフレーズが特に言いたかったメッセージだったように思うと語っている。

当時、中学校の音楽教師だった秦野和夫氏が作曲した。
番組スタッフや出演者も「ええっつ、そんな話があったんですかぁ」と「運動会の歌」のエピソードにびっくり。
和歌山県の「運動会の歌」には実は戦前から歌い継がれてきた歌があった。昭和31年からは新しい運動会の歌を歌うようになった。その境目は昭和22年、23年生まれ以降が新「運動会の歌」であり、それ以前の子どもは旧「運動会の歌」を歌ったという。
その歌詞は
「待ちに待ちたる運動会 来たれり来たれり ああ愉快
吹く風涼しく 日はうららか 鍛えし技術 練りたる手練
正々堂々 今こそ 競わめ 健児の意気は 山をもぬかん」
というような歌詞であった。
和歌山県だけではなくほかの地域でも運動会の歌はあったようだという。しかしいまだに歌い継がれているのはどうも和歌山県だけらしい。これはぜひとも絶やすことなく続けてほしいものだ。
明治時代、全国に小学校を作れという政府の命令が出されたのが1872年(明治5年)8月3日の学制発布である。これにより始まった「日本の近代教育制度において、初等教育は当初、小学校尋常科という名称の学校で行われ、1873年(明治6年)1月15日に設置された官立の東京師範学校附属小学校(現在の筑波大学附属小学校)を皮切りに、1875年には、ほぼ現在並みの約2万4千校の小学校が全国各地に設置された。」(Wikipedia)。
たった二年間で全国に現在と同じだけの小学校が建設されたのである。しかも政府に小学校建設予算があるわけもなく小学校は市町村が自費で建設したのである。おそらく地元の寄付や親御さんの勤労奉仕など地域ぐるみで新時代の人材を担う小学校建設という熱気が全国津々浦々に充満していたのだろうと想像する。
その真新しい校舎の初めて見る校庭と言う場所で、地域住民も子どもも皆が集って晴々しい運動会が開催されたのであろう。
運動会は小学校がはじまった当初から行われており日本の小学校の歴史はそのまま運動会の歴史と言ってもよい。
実はこの和歌山県の「運動会の歌」の動画がみんカラの「以心伝心」さんのブログに掲載されている。関連情報URLでリンクしておきますのでぜひ動画でお聞きください。昨日20日にこの「運動会の歌」を聴いて「いやあいい歌だなあ」と思って感想をコメントしたばかりだった。
♪ いざ友よ
希望明るく手を組んで
明日の日本を背負うのだ ♪
いいですねえ、この気概と覇気!
運動会というだけでなくすばらしい歌ですね。
★参考情報★
2014 年 9 月 30 日 (火) 放送 NHK“運動会の歌”に込められた思い
http://www.nhk.or.jp/wakayama/asunowa/wanda/1409.html
関連情報URL 「以心伝心」さんのブログ
「和歌山限定だったなんて…初耳でした! 」
「運動会の歌」の動画があります!!
↓。
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四方山話。 | 日記
Posted at
2015/10/21 20:47:17