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2025年05月03日

難波と「とうもろこし」

難波ととうもろこし


大阪の地名に「難波」という繁華街がある。
かつて大阪に難波宮が置かれ日本の都だったことがある。
難波宮には、前期と後期があり、前期は645年に孝徳天皇が飛鳥から遷都し難波長柄豊碕宮と呼ばれた。後期は726年に聖武天皇が再建した。
この難波宮の名前は地名の難波からつけられている。

大阪の難波のあたりは、古くから人が住んでおり、古事記には『浪速』、日本書紀には『難波』と書かれている。この地名の読み方は、万葉仮名を見ると漢字から「なにはづ」と呼ばれていたことがわかる。
それがいつから「なんば」と呼ばれるようになったのかはよくわからない。
「なんば」という呼称の記録は江戸時代以前の慶長年間の検地書面にある。

 ところで大阪の人は「なんば」と言うと「とうもろこし」の事らしい。
 「玉蜀黍」(とうもろこし)のことを大阪人は「なんば」と呼んでいるらしい。
大阪だけでなく、奈良県でもそういうので、関西地方では「とうもろこし」のことを「なんば」と呼ぶのは間違いない。

 最近はAIで調べることが流行しているのでGOOGLEのAIで「とうもろこしの語源」と打ち込んで検索してみた。
 その結果が↓である。
  
 GOOGLE AI による概要
詳細
「とうもろこし」の名前は、16世紀に日本に伝来した際に、すでに中国から伝来していた「モロコシ」というイネ科の植物に似ていたことから、「唐(中国)のもろこし」という意味で「とうもろこし」と呼ばれるようになったと考えられています.
詳細:
「もろこし」:
もともと「モロコシ」は、中国(三国時代の蜀)から伝来した黍(キビ)を指す言葉でした。後に、キビが略されて「モロコシ」と呼ばれるようになった.
「唐」:
「唐」は、中国(唐王朝)を指す言葉で、外来のもの、特に中国からのものを指す言葉として使われることがありました.
「玉蜀黍」:
「とうもろこし」を漢字で書く場合は、「玉蜀黍」と書きます。これは、トウモロコシの粒が綺麗で、玉のように見えることから、「玉」の字が当てられたと考えられています.
その他:
日本各地で「とうもろこし」を指す名称が様々あります。例えば、近畿地方では「なんばん」や「なんば」とも呼ばれます.
英語で「トウモロコシ」を表す言葉は「corn」ですが、これは「角」や「穀粒」を意味するゲルマン語系の言葉から来ています.
 

 ありました。
 近畿地方では「なんばん」や「なんば」とも呼ばれます。
 やはり、近畿地方では「とうもろこし」のことをそう呼ぶらしい。
 それは何故か?
 その前に、外来と思われる「とうもろこし」の日本伝来はいつなのか?
 ここでちょっとややこしいが、「とうもろこし」伝来の前に「もろこし」という植物が中国から日本へ伝来していたのである。
 では、「もろこし」とはどんな植物なのか?
 これは、簡単に言うと「コーリャン」である。中国映画の題名で「紅いコーリャン」という名前を記憶している人もいるかもしれない。
 「もろこし」は、日本には室町時代に中国から伝来した。イネ科モロコシ属に属する植物で、別名「ソルガム」または「コーリャン」「タカキビ」など、とも呼ばれる。
 昔話の「桃太郎」に出てくる「きび団子」はこの「きび」すなわち、日本に入ってきた「コーリャン」でこしらえた団子のことである。
  
  
 モロコシ(蜀黍、唐黍、学名 Sorghum bicolor)は、イネ科の一年草のC4植物・穀物。タカキビ(高黍)とも呼ぶ。外来語呼称にはコーリャン[1](中: 高粱, gāoliáng[2]から)、ソルガム(英: sorghum)、ソルゴー(伊: sorgo)がある。沖縄ではトーナチンと呼ばれる。
 (Wikipediaより引用)
 
 「とうもろこし」のことを別名で「きび」と一般的に言うが、この呼び名は、この「もろこし」を「きび」と呼ぶことに由来するネーミングである。もろこし、きび、は「蜀黍」と書く。そこで「とうもろこし」のことは漢字で「玉蜀黍」と書く。
 
 私は山陰地方の出身だが、子供のころは「とうもろこし」とは言わなかった。「きび」と呼んでいた。
 ふと、全国的に「きび」と「とうもろこし」の呼称分布はどうなっているのだろうという興味が湧いた。
 ある調査をみるとこんなことが書かれている。
 北海道  とうきび とうきみ きび きみ
 青森県  きみ
 岩手県  きみ
 宮城、福島、山形、茨城、栃木など とうみぎ とうむぎ
 新潟   とうきび
 富山   とうなわ
 石川   とうきび
 福井   とうきび
 山梨   もろこし
 長野   もろこし
 岐阜   とうなわ
 愛知   なんばとう
   
 近畿地方、岡山、山口など   なんばん なんば 
 滋賀   なんば こうらい
 岡山   なんば
 広島   きび
 徳島   なんば
 香川   とうきび
 愛媛   とうきび
 高知   とうきび(きび)

 福岡   とうきび
 佐賀   とうきび
 長崎   もろこし
 熊本   とうきび
 大分   とうきび
 宮崎   ときび
 鹿児島  たかきび
 
 沖縄   ぐすんとーなちん
 
 ここに地名のない県は「とうもろこし」と呼んでいる。
 
  
 かなりアバウトな感じだが各地にいろんな呼称があるということがわかる。
 なかでも、近畿地方のなんばん、なんばが中国地方にも及んでいるらしいことがわかる。
 
 島根県出雲地域で「とうもろこし」の呼び名を出雲の地域内での呼称分布調査をしたブログを見た。これを見ると、出雲という限られた地域内だけで実に多様な言い方がある。
 「とうもろこし」を呼ぶネーミングを上げるとこうなる。
 なんばぎん
 とーぎん
 たーたこ
 きみ
 とうもろこし
 とうとぎん
 とーときみ
 とーとこ
 まんまんこ
 とうとーこ
 
 
 ちなみに、「とうもろこし」のことを指す「とーとこ」は出雲方言では、「とても」や「すごく」という意味を表す言葉だという。とうことは「とーとこ」とは「とうもろこし」の固有名詞ではないということだ。想像するに、「とうもろこし」を見て「こりゃなんだ」「すごいな」「とてもおいしいな」という昔人の思いが呼称として定着したのかもしれない。
 
 また一般的に考えると「とうもろこし」が出雲地域に伝わったころは、出雲全域が「とーとこ」(凄い)だったと思われる。それが次第に、これは「なんば」と言うらしいという二次情報が都の京都方面から伝わってきて広まった。柳田國男の「蝸牛考」ではないけれども新しい言葉が伝搬すると新しい言葉が広まる一方で比較的遠隔地域には文化伝搬の速度が遅く古い言葉ほど過疎遠隔地域に残るというのが実際のところである。
 そう考えると出雲の中心部や平野部には「なんば」が広まったけれども遠隔地の南部の山岳地域に「なんば」は伝わらず、古い言葉の「とーとこ」が残ったというのは自然の成り行きのようにも考えられる。
 もしそうでなければ言語境界線の形成には別の要因が想定される。
 分布図をみると日本海に面した出雲北部から中部にかけては「なんばぎん」が占めており、南部の山間地域に「とーとこ」が分布している。呼称の広がりは「なんばぎん」が主流である。なぜ南部の山間部のみに、「とーとこ」が存在しているのかは、言語境界線が何によって境界を形成しているのかという社会学的、また民俗学的な観点からの検討が必要になろうし、
それは出雲地域という習俗や因習を含めた地域特性との関連へのアプローチも視野に入れねばならない。これはあまりに横道にそれるので、ここで中断する。
 島根県にも「なんば」が広まっている。
 こうした調査を見ると島根県出雲地方という山陰地方にも近畿地域の呼称である「なんば」が普及していることに驚かされる。山陰地方は一言で言えば、京都文化圏なので京都からの文化伝搬が「なんば」を鳥取や島根にももたらしたのだろう。
 これは近畿地方の方言が近畿一円もみならず、山陽方面から山陰方面にまで広く及んでいることがわかる。ということは「とうもろこし」の「なんば」という表現は、近畿地方というよりも、、むしろ、西日本地域に拡大できるかもしれないという予測がなりたちそうだ。
 
 いずれにしても、「とうもろこし」の呼び方は実に多くあり、細かく言えばきりがない。
 すでに上げた呼称のほかにも、「とうまめ」「とうむぎ」「まるきび」「ときみ」などもあり「あぶりき」や「さんかく」など地域独特の言葉もあるという。
 
 横道に入りすぎたので話を強引に引き戻す。
 以下は、「とうもろこし」がいつ頃日本に伝わったのか、そして、難波という地名と「とうもろこし」との関係のありやなしや、というこの論考を書来始めた動機つまり本題(テーマ)について少々考察して終わりにしたい。
 
 
 実は「とうもろこし」はアメリカ大陸が原産地だ。
 
 とうもろこしの原産地は、アメリカ大陸、特にメキシコとボリビアの地域と推定されています。紀元前7000年頃にはすでにメキシコで栽培されていたとされ、その後、マヤやアステカなどの古代文明で栽培されてきた重要な作物でした。
(GOOGLE AI)
 
 15世紀末にコロンブスがアメリカ大陸へ上陸し「とうもろこし」をスペインへ持ち帰ったらしい。
 スペインへ入った「とうもろこし」はスペイン国内にとどまらずヨーロッパ各地へ広まり、さらに貿易船によって世界各地へ持ち込まれる。コロンブスが持ち帰ると、とうもろこしはスペインをはじめ西ヨーロッパ諸国、北アフリカ、中近東に広まった。
 さらに16世紀にはスペインから全ヨーロッパにとうもろこしの栽培が広がった。
 一方で、ヨーロッパだけでなく、海路でインド、中近東、中国にも伝わった。
 コロンブスのアメリカ大陸発見は世界にとうもろこしを広める結果となった。
  日本にとうもろこしを伝えたのはポルトガル船だった。16世紀の終わりころ、長崎にポルトガル船が長崎に「とうもろこし」を持ち込んだ。1579年のことだと言われている。
 
  ポルトガルから日本へ伝わったものには、鉄砲、火薬、中国製の生糸、またキリストをはじめ実に多種多様である。ビスケット、ボーロ、金平糖、カステラなどのお菓子もそうだ。
  またポルトガルの文化である「言葉」も日本へ伝わった。
  ポルトガル語に由来するの日本の単語ではパン、コップ、タバコ、ボタンなどが有名だ。
  その他、ブランコ、キャラメル、コロッケ、シャボン、かるた、カッパ(合羽)、ジョウロ、おんぶ(ポルトガル語の肩=オンブロ)、ビードロ、シャボン(石鹸)、おいちょカブ、てんぷら、オルガン、などもある。
  
  このようにポルトガル人は日本に多くのものを伝えたのだが、その一つが「とうもろこし」だった。想像だが、とうもろこしの種を持ってきて日本人に売ったのだろう。日本人がこの種を植えてみたところ、とうもろこしの苗が育った。
  それを見た日本人は、「こりゃあ、もろこしだ」と。先に、もろこし(コーリャン)が中国から伝来して日本で栽培されていたと書いたが、「とうもろこし」の苗は中国由来の「もろこし」に似ていたので、日本人は「これは唐のもろこしだ」(唐は舶来品という意味)と意味で「とうもろこし」と呼ぶように、なったと言われている。
    
  一方、ポルトガル人は一般に「南蛮人」とも呼ばれていた。この南蛮人が持ち込んだキビ(もろこし)だというので、ナンバンキビ、という名でも呼ばれていた。南蛮黍(なんばんきび)である。このキビが省略されて、「なんばん」また「なんば」と呼ばれるようになった。
  
  そこまでは良くわかった。
  だが、わからないことがある。
  「とうもろこし」は南蛮黍だから「なんば」となった。それはいいとして、なぜ、全国的には「とうもろこし」というのに、近畿地方とその文化圏である西日本、中国地方だけでなぜ、「なんば」と言うのだろう。
  大阪の地名の「難波」と「とうもろこし」は関係ない。難波と南蛮とも関係ない。
  では、なぜ近畿地方で「とうもろこし」のことを「なんば」と呼ぶのか?
  この疑問は、残ったままである。
  
  おまけに、「とうもろこし」を題材にした俳句でお口直しを。  
  
  唐秬や軒端の萩の取りちがへ
                芭蕉「六百番発句合」

  古寺に唐黍を焚く暮日かな
                蕪村「蕪村遺稿」
                
  唐黍の驚きやすし秋の風  
                蕪村 『蝸牛 新季寄せ』              
                

  唐黍やほどろと枯るる日のにほひ
                芥川龍之介「澄江堂句集」

  唐黍焼く母子我が亡き後の如し
                石田波郷「春嵐」

  蜀黍を食った美瑛の空の丘
                拙句
  
  
  
  
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Posted at 2025/05/03 15:10:14

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この記事へのコメント

2025年5月3日 18:39
こんばんは☺️…

お久しぶりですね…お元気そうでなによりです♪…

そうですね…「なんば」ですねぇ…でも、もう随分と少なくなってきてる感じはしますね…
子供達も、じーちゃんばーちゃんが言ってるので理解してますが、トウモロコシか…最早、コーン🌽って言ってますし😅…

関西圏以外の「なんば」は、言葉の伝わり方なんですかねぇ?…関西人の「なんば」ゴリ押しとか😁…

面白いですね…
ではでは〜♪
コメントへの返答
2025年5月4日 10:04
おはようございます。
コメントありがとうございます。
長い事みんカラご無沙汰してました。NZ-Rさん、変わらずみんカラに居てくださって何よりです。
モネ展と京都の古刹巡り、いい小旅行?でしたね。
江戸時代にはもう、とうもろこしは日本で栽培されていたんですね。以外に古くからあったのだと驚きました。でも、なんで近畿地域だけが、なんばと呼ばれていたんか、それが謎です。
今は、コーンですか。やがて全国でコーンと呼ばれる時代が来るかもしれませんね。
また、きび、と言っても、とうもろこしの事だとわからない人も多いみたいです。
まあ、なんば、というのは語源は南蛮ですから、この令和の時代に「南蛮渡来」のとうもろこしを、昔の言葉とおりに「南蛮」(なんば)と呼んでいる関西人の言葉文化には南蛮渡来の歴史の尻尾というか言葉の世界史というか、日本人の使う言葉が辿ってきた遥かなる旅路を感じさせられます。
そう思うと、いつまでも、「なんば」が通じる関西や関西人であってほしいなと思います。

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日本保守党の竹上裕子衆院議員の質問主意書に25日付で答えた。無責任だろ。」
何シテル?   05/18 14:14
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