前々から岡寺へ参詣したいと思っていたが今年のお盆に行くことができた。
岡寺への参道は駐車場前からいきなり急な坂道である。コンクリートで整備されているが年寄りには極めてきつい登り坂である。
やっとのことで坂を登り切ると左手に岡寺の仁王門が見えてくる。
その前にある受付で入場料一人300円を支払い仁王門を見学。左右の仁王像がいかにも古い木材であり風格もある。
仁王門をくぐると境内だが日本庭園風の庭の前は石垣のような壁になっており本堂はさらに石段を登った上にある。
猛暑の中夕方といえども西陽が射して暑さは半端ない。頑張って石段を折り返して登ると岡寺の本堂がそびえていた。
ここはもともとが岡山という山であり岡寺はこの山を切り開いて創られた山岳寺院なのである。
岡寺ははるか明日香の平野を見下ろす山の上にあるのだ。
岡寺(おかでら)は、奈良県高市郡明日香村にある真言宗豊山派の寺院。山号は東光山、寺号は龍蓋寺(りゅうがいじ)とも称し(寺号については後述)、詳しくは東光山真珠院龍蓋寺という[1]。本尊は如意輪観音。西国三十三所第7番札所。
『岡寺』と『龍蓋寺』
岡寺は奈良県明日香村の東、岡山の中腹に位置しています。
岡寺という名は地名に因る名で正式には、
山号は 東光山(とうこうさん)
院号は 真珠院(しんじゅいん)
法名は 龍蓋寺(りゅうがいじ)
『東大寺要録』「義淵伝」、『扶桑略記』等によれば、天武天皇の皇子で27歳で早世した草壁皇子の住んだ岡宮の跡に義淵僧正が創建したとされる。史料上の初見は、天平12年(740年)7月の写経所啓(正倉院文書)である[2]。
現在の寺域は明日香村の東にある岡山の中腹に位置するが、寺の西に隣接する治田神社(はるたじんじゃ)境内からは奈良時代前期にさかのぼる古瓦が発掘されており、創建当時の岡寺は現在の治田神社の位置にあったものと推定されている。寺跡は平成17年(2005年)に「岡寺跡」として国の史跡に指定された。
現在では真言宗豊山派の寺院だが、義淵僧正は日本の法相宗の祖であり、その門下には東大寺創建に関わった良弁や行基などがいた。義淵僧正が法相宗の祖とされていたため、江戸時代までは興福寺の末寺であった。江戸時代以降は長谷寺の末寺となった。((Wikipediaより抜粋))
石段を登って一段高い位置に広がる岡寺の中心部へ足を踏み入れた。
本堂は見上げるほど巨大で古色蒼然としている。
その前にぼんやりと立っていたら作務衣を着て本堂の手入れをしている寺の人が「どうぞ中へ上がって・・・・」と言ってくれた。
これはご親切に、ありがたい。お礼を言って遠慮なく上がらせていただいた。
外から見上げててもご本尊の巨大な観音像が見えるのだが本堂の中からは目の前に白い観音像が間近に拝観できて圧倒された。
堂内は撮影禁止なので「岡寺」ホームページの写真をここに掲載させていただいた。木造のようにも見えるが塑像の観音仏であるという。
堂内にはほかにも貴重な古い仏像や西国三十三寺のご本尊像、江戸時代のお逗子などまるで博物館級の宝物が展示されており眼福至極であった。
ただこういう国宝級の品々がだれでも見学できると不心得者が傷つけたり盗んだりしないかと心配にもなった。
先に大問題になった寺社への油掛け事件だがこの岡寺にも仁王門などに油が撒かれて被害を受けている。
あの犯人は捕まったのか知らないがとんでもない罰当たりなやつである。
この日人は多くはなかったが三々五々という感じで参拝の人もいた。
境内には紅葉の木も多く秋にはさぞ紅葉で全山が染まり美しいことだろうと想われた。
弘法大師の像、祖師堂もあり三国三十三箇所の遍路も人びとの信仰を集めているのだろう。
参拝に登り上りで一汗かいたがいい雰囲気の岡寺であった。
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仁王門
国指定の重要文化財。左右に木造の仁王像がある。
慶長17年(1612)建立。埋蔵文化財の宝庫といわれる明日香村において建造物で唯一、重要文化財に指定されているのは、岡寺のこの仁王門と書院だけであります。

仁王門を入ると日本庭園風の中庭が広がる。正面の石垣の上に本堂などがある。正面右にある石段を登っていく。
西国第七番
日本最初やくよけ霊場 岡 寺
〒634-0111
奈良県高市郡明日香村岡806
入山時間 : 8:00〜17:00(12月〜2月 8:00〜16:30)
個人 団体(50名以上)
一般(大学生以上) 300円 240円
高校生 250円 200円
中学生 150円 120円

立派な金属製の灯籠が寄進されていた。

祖師堂と弘法大師石像。

本堂を中心に伽藍が広がる。
岡寺本堂。
現在の本堂は棟札などから、文化2年(1805)の上棟ですべての完成迄に30年以上かかった事が判明。4mを超えるご本尊さまが安置されているお堂であり境内の中でもひときわ目立つお堂。

鐘楼堂
正確な建立年代は不明ですが、梵鐘には文化5年(1808)と刻まれており、建築様式などから本堂と同時期に再建されたものと思われます。

重要文化財 塑造 如意輪観音座像
本尊の高さは4.85メートルにおよび、通常は平安時代以後に、密教の流入に伴って流布した六臂(六本の手)で、片膝を立てて思惟する像容が多いのですが、岡寺本尊は二臂(二本の手)で、右手は施無畏、左手は与願の印を結んで、結跏趺坐をする姿をしています。(岡寺HPより)。

本堂内部から厄除け観音を拝観する。(岡寺HPより)

龍蓋池。龍をこの池に閉じ込めたという伝説がある。

奥の院へつづく道。本堂前、龍蓋池の上手には十三重石塔がありさらにその上にいくと開祖 義淵僧正の廟塔と伝えられる宝篋印塔がある。

三重宝塔。
平成13年に復興、完成。

岡寺より明日香平野を望む。
日差しはまだ残暑だが空の雲はどことなく秋の気配を感じさせた。
関連情報URL 岡寺ホームページ。