2015年01月09日
灰色の空に、断続的に黒い雨雲、雪雲が、流れて、霰(あられ)が、ぱらついたり、氷雨が、間欠的に音もなく降り注いだり、冷え込んだ一日となった。寒いのは、寒いのだが、虫が出てこないのは、助かる。都会で暮らしていると、虫を気にすることは、ほとんどなかった。しかし、田舎暮らしでは、冬場を除けば、虫の出てくるのが、当たり前という世界であり、ぞっとする。ほんとに、虫が常駐する環境には、 どうしても慣れない。とくに、許せないのがカメムシだ。こいつには、なんとしても、遭遇したくないのだが、なぜか、いたるところに、いる。黙って、背中にくっついていたり、箱の中にいたり、ほんのちょっとした隙間に、ぢっとしているので、もう、見つけたときには、絶望的になる。
色は、最初は、緑色だが、だんだん、黒くなる。潰すと、悪臭が出て、しつこく残って消えることがない。家のいろんな、ところで、カメムシの匂いがする。どっかに、いるんだろうな、と、カメムシ探しが始まる。けっこう、発見が難しいので、時間をかなり喰う。まことに、傍迷惑な虫なのである。
あのカメムシの嫌な臭いを消すために、消臭剤を何本買い込んだことか。
予防対策に、カメムシを近づけない防虫剤というのを、700円で買ってきた。袋に入っており、カメムシの出入りしそうなところに、吊るしておけと、書いてあった。効果は、一ヶ月と、書いてあったので、期待したのだが、これが、まったく効果がなかった。
夜中に、トイレに行こうと、寝ぼけ眼で歩いていると、何か違和感を足の裏付近に感じて、あやうく足をあげると、カメムシが通路にへばりついていた。踏み潰す、ほんとの、一秒の何分の一かの機敏な動きにより、踏み潰しを回避したので、難を逃れたのだ。このときは、ほんとに、気味悪さで、どうしようもなかった。翌日、通路には、なるべく、白っぽい絨毯を敷くようにして、寝ぼけ眼でも、カメムシを即座に、発見できるようにした。この、習性は、冬になって、カメムシがほぼ100%いない、と思っても、消えない。いまだに、用心して歩くようになっており、ほんの僅かな、黒いものにも、敏感に反応する。
姿なき、カメムシの陰に怯えて暮らし毎日は、田舎暮らしのほんとに、嫌な一面である。
カメムシのほかには、ムカデがいる。
一度、一人で、食卓のテーブルに座り、脇にあるテレビを見ていた。
何気なく、ふっと、足元を見たら、とんでもなくでっかいムカデが、びひゃーーん、と、跳ねた。うわっっっっっち、と、飛び上がり、あやうく斜め後ろに倒れそうになるのを、かろうじて、バランスを取って、テーブルの下をのぞいた。まさしく、超特大の、ムカデが、テーブルの下の、ダンボール箱やら、ふすまやらの奥へ、逃げ込んだ。そこから、ムカデ退治の格闘がはじまり、殺虫剤やら、ムカデを接着するガムテープやら、箒やら、ハエたたきやら、思いつく限りの柄モノを繰り出して、30分くらいかかったかもしれない、やっとのことで、取り押さえて、始末した。
長さは、10センチから、15センチくらいはあった。幅も、1センチくらいは、あったのではないだろうか。黒光りして、ビンビン、跳ねて、思い出しても、ぞえええええーーーーーーっつ、とする。
そんなことがあって、しばらくは、平穏な日々が、続いていたのだが、ある日、またぞろ、そっくりのムカデ出現。しかも、同じ場所で!今度は、やや、前回の大物に比べれば、小ぶりではあったが、それにしても半端ない大きさだった。
二度の、ムカデ出現で、もう、ムカデ恐怖症になった。そこで、コーナンで、ムカデ殺虫剤という、大きな袋に入った粉薬を買い込み、玄関の周り、ベランダの下などに、散布して、ムカデを家に近づけない作戦に、打って出た。攻撃は、最大の防御なりという言葉を実践した。これは、かなりの効果があって、それ以来、ムカデを、家の外で見かけることはあっても、家の中で発見することはなくなった。
ほかには、蜘蛛や、藪蚊は、どこにでもいるし、小さい飛び回る虫もいる。
一度、畑でブヨの攻撃を受けて、翌日から、顔、首、手が真赤に腫れ上がり、一週間ほども、苦しんだことがある。田舎暮らしが長く、馴れた人には、なんでもないかもしれないが、都会からやってきて抵抗力のない人間には、悲劇である。夏の畑に、それも夕方、うっかり、半袖短パン姿で、行くものではない。ブヨの集団の総攻撃を受けて、半死半生のひどい目にあうのは、間違いない。
いささか、大げさかもしれないが、決して、大げさではない。ブヨの被害にあってみれば、この表現でも、少しブヨの祟りを恐れて、遠慮していることがわかるだろう。
蛇は、虫ではないが、道路でよく車に轢かれて死んでいる。
とにかく、山里の空間は、こうした、虫などの生き物で充満しており、逃れることはできない。
虫だけでなく、猪、鹿、アライグマ、猿、川鵜、白鷺、カラス、鳶、などなど、野生動物や野鳥は、そこかしこに、生きており、普通に目にする。夜間に行動する、鹿や猪の行動しあたとは、朝見れば、道路や畑や、いたるところに、くっきりと、残っている。
数量的には、圧倒的に、これらの非人間生物のほうが、多い。したがって、こうした野生生物の支配する空間の中に、囲いを作って人間が暮らしているというほうが、正しい表現である。
ものごとは、だんだんと、慣れるものだが、どうも、虫攻撃には、慣れるのが難しい。
寒い寒い冬だが、虫のいる夏に比べれば、快適なのである。
冬は、虫を殺してくれる、有り難い季節なのだ。
寒さに感謝だ。
暖房費は、半端無く、かかるけど。
Posted at 2015/01/09 17:31:18 | |
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