この、写真のカメラは、「NICON COOLPIX L610」です。
カメラの紐が、違うのが、お分かりかと、思います。紐を変えたのではなく、ここには、同じニコンのカメラが、二台あるんです。二台で、相互に撮影した画像です。
どういうことかといえば、一台のカメラを二年前に買ったのですが、なぜか、去年の夏に、おかしくなった。

◆故障したカメラ。なぜか、奇跡の復活を遂げている。
◆二台目に、中古で買った同じ種類のカメラ。
海外旅行に出かけたとき、異常が発生した。
最初は、なにもしないのに、電源を入れると、勝手に動画を撮影しはじめた。
あわてて、止めようとしたが、動画撮影ボタンを押しても、止まらない。やむなく、電源を停止して、やっと、動画撮影が止まった。そんなことを、繰り返しているうちに、動画がまったく撮影できなくなった。続いて、各種の設定ができなくなり、動画再生もできなくなり、かろうじて、静止画の撮影だけが、できる状態だった。それも、撮影密度、感度の設定ができない状態での撮影しか、できなかった。
したがって、旅行中の撮影が、ほとんどできなかったのである。
帰国後、あわてて、修理に出そうと思った。
だが、カメラを買った時に、5年間の修理保証を薦められたが、していなかった。
そのために、修理は実費となる。いろいろ、調べたり、聞いたりすると、10000円から、13000円くらいかかり、その上、送料などを入れれば、1万5000円は、覚悟しないといけない。
この、カメラの買値は、13500円だった。
イオン橿原店のカメラのキタムラで買ったものだ。修理するなら、もう一台、新品を買ったほうが、安くつく。故障したのは、銀色の細い紐のついている方だ。このカメラの最大のポイントは、単三電池で、動くということだ。ふつう、こういうコンパクトカメラは、専用のリチウム電池がついており、電池がきれると、動かない。充電をするのにも、時間がかかる。予備の電池を買えばいいのだが、専用電池のため、値段もかなり高い。とくに、動画を撮れば、すぐに、電池がなくなるので、予備電池もなく、撮影を諦めることも、少なくない。
その点、この、「NICON COOLPIX L610」は、なにしろ、単三乾電池二本で、動く。どんな、種類の乾電池でも単三であれば、大丈夫だ。それが、気に入って、即決で買ったのだ。
私は、最初から、リチウムの充電式単三電池を6本買っている。
この、充電器と、リチウム充電電池は、大阪、難波のビッグカメラで、買った。
なので、予備に4本の充電した電池を持っていれば、電池切れということは、まずない。しかし、万が一、電池切れになったら、そこらのコンビニでも、単三電池を買って入れれば、問題なく動く。海外旅行に行く場合でも、よほど、辺鄙な場所でなければ、単三電池を入手できない場所は、まずない。
レンズもワイドで、使いやすい。動画もよく撮れる。実際、よく働いてくれた。小型なので、持ち運びにも。とても便利だ。
だが、原因不明だが、カメラは故障した。うんとも、すんとも言わない。
修理は、新品を買うよりも、高額だ。もう、生産は終了しているが、新品を買う気になれば、色違いの赤色ならば、簡単に入手できる。
どうするか・・・・。かなり、迷った。
棄ててしまうには、あまりにも、愛着がある。修理して使いたい。というか、故障したまま放置しておくことが、しのびない。修理して、治してやりたい。人間ではないが、愛着があると、故障したまま放置していることが、辛い。なんで、治してくれないのか、と、責められている気になる。まして、このカメラを棄て、別の新品を買うのは、非情すぎるような気にさえなる。
で、どうしようかと、考えつつ、一ヶ月ほど、過ぎたころ、中古で同じカメラがオークションに、出品されていた。価格は8500円。付属品なし。微妙な価格だった。
だが、結局、買うことにした。
そして、二台、同じカメラが並ぶことになった。
ずっと、手に取らなかった、最初の故障したカメラを持って、電源を入れた。
すると、それまで、まったく機能停止していた動画撮影が、少し動き始めた。
あれっつ、おかしいな?設定機能も、そのうち、動き始めた。
棄てられると感じたカメラは、自力で自然治癒を始めたようであった。そして、一週間も、たたず、なんと、完全に機能が回復したのである。
これは、奇跡ではないか!
そうなってみると、あわてて、オークションで買う必要もなかったではないか。
二台目が、肩身の狭い思いをするかのように、佇んでいた。
ともかく、本当に、治ったか、テスト撮影をしてみよう、と考えた。そこで、奈良市へ出かける時に、そのカメラをバックに入れて、出かけた。最初は、順調に動いてくれた。だが、動画の再生が止まり、動画撮影が止まり、ついには、設定機能も動かなくなり・・・・・・元の故障状態に、逆戻り・・・・・。
うーん、ぬか喜びだったのか。
そして、また本棚の片隅に放置されることになった。
二台目のカメラは、ようやく、代打の役割を果たし、ときどきの撮影に、順調に動いてくれていた。
それから、一ヶ月ほど、経過して、なにかの折に、そろそろ、回復しているんじゃないか?と、カメラに触ってみた。だが、やはり、動かないままだ。やっぱし、もうだめかなあ。でも、このまま、故障したままで、置いておくのは、やはり、しのびない。無駄に二台のカメラを持つことになっても、故障を直してやろう。そうしなければ、なんとも、気が済まない。壊れたままじゃ、ちょっと、冷たすぎるだろう。
そこで、故障修理の先を、いろいろと、調べはじめた。
ニコンの修理は、けっこう、いろんなところで、できる。大阪の家電量販店に、持ち込んでもいいし、買った店のキタムラでも、受け付けてくれる。ネットで調べた先でも、あらかじめ、連絡して宅配便で送れば、修理ができるようだった。
ついに、修理すると決めた。
「嘘だろう!」
思わず、そう、口に出してしまった。
修理に出すことを、決めて、カメラを手に取ると、どうしたことか、またまた、復活の兆しを見せ始めたのだ。
でも、信用はできない。じきに、また、へたばってしまうに、違いない。もう、修理するほかはないのだ。たぶん、基盤が異常になっているはずなので、自然治癒は、ありえないのだ。もう、治ったふりを、することはないんだよ。いくらお金がかかろうと、完全に治してやるからな。
そう、カメラに言い聞かせっるのだったが、なぜか、わずかづつ、じりじりと、機能を回復させつづけて、ついに、数日後、また、完全復活を遂げたのである。
それが、昨年の暮れ、12月初めのことだ。
故障して、復活したり、ダメになったりを、二度繰り返し、三度目の復活を果たしたのである。
ほんとに、これで、治ったのだろうか?
いまだに、半信半疑で、この原稿を書いている途中にも、わざと、乱暴に、スイッチを入り切りして、無理な負荷が来るように動かして、テストしてみたが、きちんと、動いている。それでも、まだ、治ったとは、思っていない。いつか、だめになるかもしれない。でも、もう一ヶ月、異常なく動いている。
この状態で、修理に出すのは、さすがに、ためらわれる。
もうしばらく、このまま、様子をみることにしよう。
それにしても、カメラが、自然治癒することは、あるのだろうか?
なんとも、不思議なカメラである。
当分、カメラは、余裕のスペアを持つ二台体制だ。旅行での撮影は、万全である。
できれば、このまま、完全復活を続けてほしい。