2011年01月30日
幽霊
その昔、親から聞いた話です。
とある、蒸し暑い夏の夜、北の方角にある火の山を見上げると、火の玉のようなのが
ゆらゆらと、揺れていたそうな。
それも、1日だけではなく二日たっても、三日たってもよく似た頃合に火の玉のようなのが揺れていた。
遠目に見ているから火の玉なのか。気になって火の山のふもとまで行ってみた。
いつもの頃合になると、火の玉が揺れ始め、徐々に近づいてきた。
「幽霊を目の当たりにする」のか、
向こうから、ちょうちんのような炎の塊が近づいてきた。
息を止めて逃げ出したい欲望(否、恐怖だ)を抑えつつ何かが近づくのを待った。
それは、池の端の堤をゆらゆらと歩いてくる。これが、遠目にゆらゆらしていると見えたのだった。
さらに近づくと左手に提灯、右手に杖を持っているのが仄かな明かりに透かして見えた。
さらに近づくと白い浴衣を着た女だった。幽霊かもしれないと思いつつ
声をかけた。
「誰だ・・・」
「山の向こうの按摩でございます」と返事が返ってきた。
「な、なぜ白い浴衣を着ている」
「万一、提灯の火が消えても幽霊と間違えてくれるからでございます。」
「なぜ、目が見えないのに提灯をつけている」
「元々、目が見えませんので提灯をつける必要はありませんが
暗闇で突然姿を現すとたいていの人は驚きます。ゆえに、提灯をつけて
ここに居ることを知らせているのです。」
そうか、気をつけていけよと答えて水音の方向を見て振り返ると
女は・・・・
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昼間のトンネルの中でヘッドライトをつけないと追突されます。自分が見えていても相手から見えないと追突した相手に過失があっても後遺症やら事故処理で余計な手間が発生してしまいます。
自らは大丈夫で些細なことでも、手間を惜しまないことが大切だという教訓が含まれているような怪談です。
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うんちく | 日記
Posted at
2011/01/30 21:19:21
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