ずいぶんと古い映画ですが、高槻の映画館でやっておりまして見てきました。(粗筋は、関連情報URLに載ってます)
サスペンスものは、まず見ないのがわかっているので、この映画に誘われたわけですがまずはタイトルバック。2色の石をランダムに組み合わせてある石畳を人々が行きかい、誰が作曲したかとか主演者が誰だとかを見せていくのですが、まったく気にならない。そして「傘を差して歩く奴は弱虫だ」という知り合いの言葉を思い出したり。
雨が小止みになってカメラが前を向いて自動車の修理工場の中に入り込みます。中ではシトロエン(?)が修理を終わって出て行き、入れ替わりにベンツが入ってきます。ギイに残業が出来るかを聞いたところからせりふが全部ミュージカル仕立てになっているのがわかる。
そしてギイとジュヌヴィエーヴの恋物語が進行していきます。映画のストーリーは、交響曲のような4章仕立てになっていてスターウォーズみたいにフレーズ単位の絵が切り替わって進行していくことも無く、わかりやすいといえばわかりやすい。(1964年ですからね)
で、見ていたのは壁紙とかジュヌヴィエーヴと母親の衣装の組み合わせです。光線の具合も見てましたし背景の美しさも。
二人がデートするのですが、歩かないのに背景が後ろに流れていくところがあったりして(まあ、よいではないか)という気持ちにもなりました。雨傘のお店は、赤系統の色にそろえてありギイの部屋は、ブルーが基調になっていました。たぶん、その当時のは、そんなんじゃないかと思ったり。
そして最終章では、ガソリンスタンドに立ち寄ったジュヌヴィエーヴと娘がギイに出会います。ジュヌヴィエーヴの母親が2年前に死んだことと娘の名前を聞いたこと。そしてすぐに出発していくジュヌヴィエーヴ。入れ替わりに帰ってきた妻と子供。やりきれない気分というか運命なのかなとも思った。
現代でもう一度構成をしなおすなら、ギイの妻にももう少し焦点を当てるんじゃないかとも。
映画はこれで終わるのですが、「すぽん」と終わります。映画に関係する人たちや現像所のメンバーとか衣装の提供者、ロケーション現場の協力に感謝というものも無くです。あっけないといえばあっけない。
例によって観客のほうですが、10時スタートで最も見やすい場所が20%ほど埋まってました。がらがらではなくほどよいかんじです。
ストーリーの秀逸さでは、ローマの休日に勝るものはありませんが、フランス映画の美しさを見るには、これに勝るものがあるのかなと。そんな感じです。
Posted at 2015/05/27 22:06:47 | |
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