前回はバイク便に向いているバイクと向いていないバイクを書いたが、今回はバイク便時代によく見かけたバイクや珍しいバイクについて書いてみようかと思う。
ちなみに今回は自分がバイク便をやっていた2000年代前半から2010年くらいまでの話で、今は昔と比べてバイク便の環境や状況が変わっている事が多々あり走ってるバイク便も少なくなっていて今回の話とは合致しない部分があるので話半分で読んで頂けたらと思います。
当時バイク便でよく走ってたバイク①
VTR250
自分がバイク便を始めた当初から頻繁に見かけていたバイクで、都心を走っていたら100%の確率で見かけていた。
純正でバイク便の箱を積めるキャリアが出てるくらいだった。
バイク便時代に知り合って他社に所属していた友人が乗っていたが、取り回し、耐久性、燃費、整備性も良いが唯一、5速しか無くて高速が高回転になりやすいらしい。
ちょっと借りて乗せてもらった事があったが、当時はバリオスで仕事していて4気筒好きだったのもあり、2気筒の回転がもっさりしてダルく感じて良い印象がなかった。
当時は若かったからかもしれないが、今の感覚だと印象は違う良いバイクだと思う。
当時バイク便でよく走ってたバイク②
CB400SF
バイク便では出た当初から御用達みたいなバイクで、これも街中を走っていたら遭遇率は100%だった。
しかも初期型のNC31のCBがほとんどだった。
後に自分も93年式のCB400SFで仕事する事になるが、これが一番バランスに富んでいたのがよくわかった。
基本的な整備だけでトラブルらしいトラブルは全く無く、選らばれる理由も納得出来た。
当時バイク便でよく走ってたバイク③
ジェイド
このバイクも当時よくバイク便で見かけたバイクで、ポジション的にはCB400SFの250cc版的な感じだった。
耐久性も高く、センタースタンドが標準装備なのが当時バリオスに乗ってた時はうらやましかった。
カムギアトレーンの独特なエンジンサウンドも個人的には好きで、一時期本気でバリオスからジェイドに乗り換える事も考えた程だった。
だが、当時でも程度の良いジェイドのタマ数が少なく部品も欠品がちらほら出ていると聞いたりして諦めた事がある。
このジェイドで印象的なジェイド乗りのライダーがいたが、それはまた違う機会に書こうと思う。
当時バイク便でよく走ってたバイク④
AX-1
このバイクも当時、箱を積んで走っていたのをちらほら見かけていた。
このバイクが出たのは87年と古く、生産終了が94年と短い間しか出てないが自分がバイク便やっていた2000年代当時でも走っているのを高頻度で見かけていた。
AX-1は出た当初からキャリアが標準装備しているのもあり、バイク便御用達で使われている事が多い。
自分の周りにAX-1で仕事している人はいなかったが、出向先の他社の人で同じエンジンを積んでる後継種のXL250ディグリーで仕事している人がいて、その人は30万km以上走っていたからエンジンの耐久性も高い事も使われていた理由の一つだと思う。
オフ車とも違う中途半端なジャンルで不人気だったらしいが、バイク便としてはちょうど良かったのかもしれない。
当時は全く興味無いバイクだったが、今だったらわりと興味あるバイクだ。
AX-1と同じエンジンを積んだXL250ディグリー
当時バイク便でよく走ってたバイク⑤
セロー225
セロー250
セローもバイク便でよく使われていたバイクで、取り回しや燃費の良さ、整備性や耐久性も高く、リアタイヤがチューブレスなのもパンク修理の際に重宝していた。
自分の周りに他社で知り合いの人がセローで仕事をしていたが、都心を中心に走って20万km以上走っていた。
当時バイク便でよく走ってたバイク⑥
マジェスティ
バイク便で使われているスクーターは大体マジェスティが多かった印象がある。
スズキのスカイウェブもいたと思うが、当時は(今も)ビックスクーターに興味が無くあまり印象に残っていない。
会社でもビックスクーターで仕事している人もいたが、車種すらも覚えてないくらい興味がなかった。
でも当時でもビックスクーターで仕事している人は多かった。
当時バイク便でよく走ってたバイク⑦
アドレスV125
最初に入ったバイク便が輸出入の通関業務の手続き代行で都心を走る事がほとんどで、同じ仕事をしているバイク便だと高速を走る事が無い為に125ccで仕事をしている人もいた。
スクーターだとダントツでアドレスV125がほとんどだった。
当時出たばかりで通勤快速の名に恥じない機動性が印象的だった。
このアドレスV125で印象的な事がある。
出向先から仕事に出る際に、同じ時間に遭遇する青いアドレスV125に乗ってるセレブな感じの派手なおばちゃんがいた。
そしていつの間にか毎朝、途中分岐するところまで自然発生的にすり抜けバトルをしていた。
当時はバリオスに乗っていたにも関わらずおばちゃんのアドレスV125にほぼ敗けていた…
距離的には僅か5~6km程だが朝の通勤ラッシュの間を抜きつ抜かれつを繰り返して、最後に捲られて分岐を先に走り抜けられて終わりといった感じがほとんどだった。
約半年近く毎朝それを繰り返していたが、ある時から毎朝その時間帯に白バイが路肩に止まってる事が多くなり、自然発生的にバトルは終焉を迎えた。
多分、俺とおばちゃんのせいで白バイが出る事になったのかも…
それ以降は仕事に出る時間帯が変わったり出向先が変わったりしておばちゃんとは遭遇する事は無くなった。
それからちょっとだけアドレスV125が欲しくなった。
当時バイク便でよく走ってたバイク⑧
スーパーカブ系
同じように通関業務で仕事している人でスクーターの他にカブで仕事している人がいた。
100cc以上のカブがほとんどでやはり取り回しと耐久性は随一と言ってもいいくらいだった。
会社でスクーターで仕事していた人がカブに乗り換えて、十数年経った今でも同じカブで仕事をしているらしい。
ここからはバイク便で見かけた珍しいバイクをいくつか話していこうかと。
バイク便で見かけた珍しいバイク①
VTZ250
VT250スパーダ
ゼルビス
これら3台はVTRが出る以前はバイク便御用達のバイクで街中をあちこち走り回っていた。
そう言う意味では珍しいバイクと言うより、よく走ってたバイクに分類するのかもしれないが自分が走っていた当時でよく見たのは、ゼルビスの方だった。
面白いのはスパーダの方が新しいのに見かける確率が古いVTZ250の方が見かける事が多く、スパーダはまれに見かける程度だった。
どちらも古いバイクだからよく動いてるなぁと言った印象だった。
バイク便で見かけた珍しいバイク②
VFR400K
VFR750K
この2台は見かけた時は結構驚いた。
まずVFR400K。
Kは教習車の頭文字で教習や試験場で使用される事を前提に開発されたバイク。
ちょうど信号待ちをしていた時に、大手のバイク便会社の箱を積んだ青いVFR400Kが通り過ぎて行ったのを見た時は正直驚いた。
自分が教習所で乗っていたのCB400SFで世代的には見た事がなかった。
実物を見たのはそれが初めてだった。
後に白いVFR400Kも配達先の会社のバイク便駐輪場で見た。
次にVFR750K。
これは大型二輪免許の教習や試験で使われていたバイクで、当時は限定解除で使用されてる事が多かった。
実は教習所で一度だけVFR750Kに乗った事がある。
当時大型二輪教習は主にCB750を使用していたが、教官が車庫からボロいVFR750Kを出して来て
「今日はちょっと変わったバイクで練習しましょう」
と言ってVFR750Kになった事があった。
印象としてはCB750に比べて乗りずらかった印象がある。
当時は20代前半でまだバイク便もやってなく、ライテク技術も身に付けてなかった頃だったからそんな印象だったが、今乗ればだいぶ違う印象を持つかもしれない。
バイク便で使われているのを見た時は丸目のVFR750Kに旭風防を着けていた。
こんな感じの風防。
バイク便で見かけた珍しいバイク③
CB750four
750RS(ZⅡ)
これもバイク便の箱を乗せて走っているのを見た時は驚いた。
自分がバイク便やっていた当時でも今程じゃなくてもプレミアが付いていたし、完全に旧車扱いだったからだ。
だが箱を乗せて仕事するバイク便と違い、プレスライダー(テレビ局や新聞社専属のバイク)の仕事を下請けで手伝った事があったが、意外にも旧車で仕事する人がチラホラいた。
CB750fourやZⅡだけじゃなく、XJ750やGSX1100S刀で仕事している人もいた。
ちなみにプレスライダーの人達はバイク便の箱を嫌っていて、基本的にタンクバッグで仕事をしていた。
持って行く荷物もテープや原稿がメインでタンクバッグって事足りる事が多かったからだ。
あとはバイク便の事を箱屋と呼んで差別してる風潮が少しあった。
ちなみに最後にいたバイク便会社にいた人は、昔Z1000Rローソンレプリカでバイク便の箱を乗せて仕事していた事があったらしい。
バイク便で見かけた珍しいバイク④
ER-5(Kawasaki)
このバイクはパッと見バリオスⅡに見えるが実際はKawasakiが欧州で出してる500cc2気筒のバイクで、タンクの形状や外装がバリオスとほぼ同じ(互換性はあるかは不明)でリアはドラムブレーキでセンタースタンドが標準装備していた。
テレビ局に納品に行った際に何台か止まっているバイク便の中の一台でたまたま隣に止めてパッと見てバリオスかと思ったら、よくよく見るとフロントディスクが逆でエンジンが違っていてセンタースタンドがあってリアがドラムブレーキで違うバイクで驚いた。
ER-5の存在は知っていたけど、実物を見たのは初めてでちょっと驚いた。
行き着けのバイク屋(Kawasakiの店)に聞いたら、一時期実験的に逆輸入で入っていたけどあまり売れなかったらしいとの事。
かなりレアなバイクみたいだった。
バイク便で見かけた珍しいバイク⑤
ゴールドウィング
信号待ちしてる時にちょうど横に並んだゴールドウィングを見たら、某大手のバイク便のジャケットを着ていて後ろを見たらバイク便の箱が乗っていて見た時は
(マジか…)
と呆気とられた。
大きさや動力性能はもはや車と言ってもいいくらいだが、これで仕事になるのか?と疑問符が出て仕方なかった。
信号が青になって走り出したら慣れた感じであっと言う間にはるか先に行ってしまった。
それ以降ゴールドウィングのバイク便は見て無いが、走り方を見たらかなり慣れてる感じがしていた。
と長々と書いてしまったが、自分が見て来たバイク便で使われているバイクの一部を紹介してみた。
長々と書いていたので、読みづらい部分があった場合はご容赦下さい。
次はバイク便で行われているメンテナンス等を紹介しようかと。