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2022年03月02日

ターマックラリー スペシャリスト Vol 1

ターマックラリー スペシャリスト Vol 1 ブログの間隔が、だいぶ空いてしまいました。

結局、2月は1本だけ。

いざ書こう!とPCに向かうも、なかなか文章がまとめられない・・・

「書かない」と「書けない」になるので、気を付けないとなりませぬ。



さて、今回のお題は、WRC 世界ラリー選手権。

ラリーには、ダート主体のグラベルラリーと、舗装路主体のターマックラリーがあります。

最近は半々か、ちょっとグラベルが多いでしょうか。

それが90年代以前まで遡ると、ほとんどがグラベルラリーでした。

年間タイトルを狙う様なワークスチームは、主戦場であるグラベルで速いマシンを作り上げてきます。

その結果、Gr B以降ではターボ + 4WDが主流です。


各ラリーには、それぞれ付与されるポイントがあります。

その合計数で年間のチャンピオンが決まる仕組みです。

チャンピオンを狙うワークスチームは、当然、全戦参戦。

ところがセミワークス、プライベーターとなると、それは資金的に難しい。

そこで得意なラリーだけスポット参戦するチームもあります。

中には数少ないターマックラリーだけに、全力で挑むチームも。

今回は、そんなターマックスペシャリストを取り上げていきます。

このクルマは、1970年代後半からGr 4, Gr Bで活躍していました。






フェラーリ 308 GTB



フェラーリと言えば、サーキット。

F1は元より、70年代の365 GTB/4 デイトナ、現代の488 GTE・・・

ロードカーベースの車両でも、数々のレースで勝利を挙げています。

そんなハイパフォーマンスなフェラーリ。

舗装のターマックやフラット ダートであれば、サーキット並みのパフォーマンスが発揮出来るのではないか?

そう考えたチームがあったとしても、不思議ではありません。

そこでフェラーリの中では小柄なミッドシップの308 GTBをベースに、Gr 4仕様のラリーカーを製作し、参戦するプロジェクトが動き始めます。

このプロジェクトには、フェラーリも参画。

ですが、マラネロで作られたものではありません。

フェラーリは、ボディとエンジンを、それぞれ単体で提供。

それをラリー仕様のGr 4にまとめあげたのは、市販車ベースのレース車両を開発していたミケロットです。

スチールのボディは、一部をFRPに変更し軽量化。

リアにはオーバーフェンダーが追加されました。

ラリー仕様なので車高もアップし、ボディ補強も追加しています。

3L V8のエンジンは、圧縮比アップを始め、インジェクション化。

ノーマル比 50psの300psまでパワーアップを果たしたのでした。







まずはヨーロッパのラリー戦に1978年より参戦。

1979年のモンツァでは初優勝を挙げています。

1982年からWRCにも参戦。

スポット参戦に選んだのは、フランスはコルシカ島のオールターマックラリー、ツールドコルスでした。

この年は、Gr 4とGr Bの混走。

WRCは前年参戦したこのクルマによって、新しい時代の扉が開かれていたのでした。




アウディ クワトロ


その後の主流となる 4WD + ターボを、初めてWRCに持ち込んだクルマです。

1981年よりGr 4で参戦しましたが、当初はターボトラブルが多発。

白煙を吐くシーンが多く見られました。

そして熟成を重ねてきた、2年目。

マイナートラブルは解決され、信頼性も大幅に向上しています。

そうなるとターボパワーを4WDで路面に叩きつけ、怒涛のトラクションで疾走するクワトロに、もはや死角はありませんでした。


そして、もう1台。

後年語り継がれる事になる名車が、ここコルス でデビューします。





ランチア ラリー


エンジンは過去3回マニュファクチャラーズチャンピオンに輝いた、フィアット 131に搭載されていた、2L 4気筒 DOHC。

それをベースにスーパーチャージド化し、アバルトにより更にチューニング。

そのエンジンをダラーラで製作されたチューブラーフレームに、ミッドシップで搭載。

最後はピニンファリーナデザインのボディを纏った、世にも美しいラリーカーをエントリーさせたのです。



コルシカ島に降り立った、2台のスーパーラリーカー。

いくらフェラーリと言えども、こちらはセミワークス。

しかもラリーフィールドは、全くの未知数です。

果たして、フェラーリに勝算はあるのか?






そして幕が切って落とされた、ツールドコルス 。

序盤からフェラーリが快走し、トップに立ちます。

そのまま逃げ切れるかと思いきや、メカニカルトラブルが発生。

残念ながら2位でのフィニッシュとなりました。

ですが、この時の2位リザルト。

この記録が、今もWRCにおけるフェラーリの最高順位として輝いています。

結局、優勝したのはあの2台のどちらか?

ランチアは、初戦故のマイナートラブルに泣かされ、完走するもノーポイント。

アウディは、怒涛の4WDシステムが災いし、プッシュアンダーに苦しめられ下位に沈んでしまいました。

となると、フェラーリに勝ったのは、一体?






地元フランスの意地を見せた、ルノー 5 ターボです。

操っていたのは、世界最速の広報部長、ジャン・ラニョッティ。

ツールドコルス 、一筋縄ではいかないラリーですね。



この結果を受けてかどうか、定かではありませんが、遂にマラネロが動き出します。

フェラーリ自らが、Gr B車両を開発する事になったのです。

そのクルマとは・・・





フェラーリ 288 GTO


車名の「GTO」、これは「Gran Turismo Omorogato」の略。

オモロガート、英語で言えば、ホモロゲーションです。

つまり、FIA GTカテゴリー(グループ B)の公認車両、という意味を表しています。

308 GTB Gr B (Gr 4)からの変更点です。






V8 DOHC 4バルブエンジンは、ツインターボ化。

その為、ターボ係数 1.4を掛けて4.0L以内になる様、排気量は2855ccへ下げられています。

その結果、パワーは100ps以上アップし406ps。

そのエンジンを縦置きに変更し、前後重量配分をより50:50へ近付けています。

この大パワーを受け止めるべくボディも、308に似ていますが変更が実は似て非なるもの。

ホイールベースを110mm延長し、幅も190mm拡大し、この暴力的なパワーユニットを抑え込むべく、より安定方向で改善されています。

それでも、ミッドシップ 2WDで、406ps。

時代は4WD化していく中、果たしてこんなモンスターマシンが、コルシカ島のワインディングで戦えるのか?

そんな予感は的中しました。

288 GTOが発表された翌年の1985年、ツールドコルスではランチア ラリーで死亡事故が発生。

1986年にも、同じくツールドコルス でランチア デルタS4で死亡事故と悲劇が続きました。

もはやGr Bは、人間がコントロール出来る様なシロモノでは無くなっていたのです。

これらの事故を受け、1986年を最後にGr BでのWRCは終焉します。

288 GTOは生を受けたものの、活躍する事なく使命を終えたのでした。


その後の288GTOは、エボルツィオーネと進化し、舞台をサーキットへ。

そして、あの名車へと昇華するのでした。





フェラーリ F40


フェラーリ創立40周年を記念して、誕生したクルマ。

そしてエンツォ フェラーリが見届けた、最後のクルマでもあります。

基本パッケージは、288GTOを踏襲。

エンジンを3.0L化し478psへアップし、ホモロゲモデルからロードカーへ仕立て直されました。

戦う事のなかった288GTOでしたが、その技術はF40で活かされたのです。


歴史に「たら・れば」はありませんが。

ツールドコルスを豪快なパワードリフトで駆け巡る、288GTOの勇姿は見てみたかったですね。

ですがそうなれば、きっとGr Bの終焉がもっと早くなっていた事でしょう。
ブログ一覧 | モータースポーツ | 日記
Posted at 2022/03/02 10:27:13

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この記事へのコメント

2022年3月2日 11:22
ラリーって憧れてますが、全くの専門外。

自分で極めた事も無いのに(笑)フォーミュラドライバーよりラリードライバーの方が運転が上手いイメージがあります。

プラモデルしか作った事がなく、その生い立ちなど知る由もありませんが、ルノーサンクターボって大好きです。

因みに本国だと、フェラーリって一般人にも手の出せる車両なんでしょうか?
パワーはありそうですが、勿体ない!と思ってしまう自分は貧乏人だからかなぁ。
コメントへの返答
2022年3月2日 12:50
こんにちは。
コメントありがとうございます。

フォーミュラドライバーは、限られた環境の中でコンマ以下のタイムを刻む、凄い人達。
ラリードライバーは、いかなる環境の変化に対応しながらタイムを出す、やっぱり凄い人達。
そんなイメージです。
以前カーグラTVだったかで、レースドライバー vs ラリードライバーのワンメイクレースを見たことがあります。
その時は、ラリードライバーが勝った様な。
ワンメイク故にダンゴ状態でレコードラインが取れない、市販車なのでフォーミュラよりもユルユルボディで曲げられない。
そんな要素も影響していたかと思います。

イタリアでもフェラーリは高いです。
下手をすると、日本より少ないかもしれません。
いくら速そうとはいっても、ラリーに使うのはちょっともったいないかも。
なので参戦イベントも、オール舗装路がギャップの少ないダートに限定していた様です。
2022年3月2日 12:41
こんにちは。
私ように、回数ブログを綴っても中身の薄いものより、くまとっどさんのように深い中身のブログの方が、みなさん読んでいて深く共感されると思います。
ベタですが、フェラーリにラリーのイメージがなかなか結びつかないですね。ほんとたらればではないですが、フェラーリが常勝していればまた、モータースポーツの歴史が違ったものになっていたでしょうね。
コメントへの返答
2022年3月2日 12:59
こんにちは。
コメントありがとうございます。

308で始まりF40で終わる流れは出来たのですが、その間が繋げられない・・。
情報が少なくて分かりにくく、逆に詰め込み過ぎたらダラダラ長い・・・。
もうちょっとマメに書く様しないと、段々書けなくねってしまいますね。

フェラーリでラリー参戦は、普通いないですね。
これ以降、WRCには参戦していないと思います。

サーキット以前のレースだった、公道のレースではフェラーリも参戦していました。
ミッレミリアとかタルガフローリオとか。
288GTOも、そんなイメージで作られたのかもしれません。

ただ公道レースは70年代初め頃には、なくなっていましたけれども。
2022年3月2日 17:50
こんにちわ!

うわあああああ!痛いところを!!
オイラも1月は3回、2月は2回。
ほぼ「エコから杯」のみなんです。
書かないと書けなくなるって真理!
もうちょっと頑張って書かなきゃ。

が、経理の仕事と格闘中のわが身。
数字とPCを見るのがプレッシャー。
本来の現場作業も当然あるしねえ。
もう少し慣れるまでこのままかな。

そんな時に良い気分転換となるのが
くまとっどさんのブログなんですよ。
今回のブログもオイラ的には涎もの。

ささ、気分一新。もすこし頑張ろう。
コメントへの返答
2022年3月2日 20:24
こんばんは。
コメントありがとうございます。

ほんと、書けなくなってきますね。
このブログも一度308のところまでまとめて読み返したところ・・・面白くない。

文章が、なんか作文みたいなんです。
リズム感がないと言うか。

自分で読んで見ても、すぐに読み進められないのはダメだろうと、一度リセット。
どうにか今回カタチにしてみました。

これが生業ではないので、書かなかったからといって問題はないのですが。
やっぱり継続は力なり、なんでしょうかねぇ。
2022年3月2日 18:53
こんばんは^ ^

ラリーのスーパーカー列伝、楽しく拝読させていただきました😊現在のWRCではさすがにレギュレーションもあってトンデモカーを見ることは稀になりましたが一昔前は何故?って車種もありましたよね。ポルシェのモンテでの活躍なんてのもありましたし。それこそストラトスや037の成り立ちなんかもラリーカーとは思えない部分もあります。その多様性がラリーの魅力のひとつだと思います。ちなみにこちらの地区戦では軽自動車が最上位クラスの2リッターターボに勝るタイムで走ったり、FFのマシンがオーバーオールを達成したりとまだまだ古き良き美しい?ラリーの風景が見られます(笑
コメントへの返答
2022年3月2日 20:37
こんばんは。
コメントありがとうございます。

Gr Aの初期までは、一発屋が出て来てましたよね、フランスには。
このコルス とは逆パターンになるのが、サファリ。
事実上、この一戦の為だけに開発した様なGr Bを送り込む、日産、トヨタ。
勝利などおそらく眼中にはなく、ただポイントを獲る為だけに、スペアタイヤを頭に載せて耐えたストラトスとか。

ポルシェのGr Bは、959しかないと思っていました。
最近、他にもあった事を知り、Vol 2はそれをネタにしようかと思っています。

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「本日の業務が終了しました。連休初日でしたが物量は普段同等、激しい渋滞もありませんでした。この後、エコからオフ会で小松に向かいます。睡眠が1時間以内で収まれば、オンタイムで到着予定。ちょっと無理かなぁ。」
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