
私、商用車が好きなんですね。
小学生だった1970年代後半。
街を走るクルマは、今より商用車が多かった記憶があります。
現在、商用車の数は乗用車の約20%程。
それが当時は、乗用車の半分くらいありました。
これ、別に商用車の数が減っているんではないんです。
乗用車が3倍近くと、爆発的に増加したからなんです。
ですが商用車、ほとんど後世には残っていません。
結局道具として使用されるので、壊れてしまえば買い替え。
手間暇かけて修理されたりはしないんですよ。
あんなに身近な存在で街中を走っていたのに、今では皆無。
そんな所も魅了されるポイントのひとつなんでしょうか。
例えば、私の好きなスカイライン。
コロナ禍以前は、足繁く通った旧車イベントでよく見ました。
そこで展示されているC10(愛スカ)は、ほとんどがGT-R。
R380からの流れを汲んだDOHCエンジン。
富士スピードウェイで繰り広げられた、ロータリーとの壮絶なバトル。
数々の名声があるのは知っています。
でも、当時GT-Rを見た体験が、ほとんどありません。
凄いクルマだけど、どこか遠い所のクルマだったっていう感じなんですね。
それより、イベントでバンを見た時の方が、テンション上がります。
C10のバン、父が配送の仕事をしていた時、会社にありました。
父は専らチェリーバンだったので、スカイラインに乗ったのは、ほんとたまに、
多分、1回だけだったかもしれません。
「わっ! スカイラインだ!」と、すごく嬉しかった記憶があります。
そういえば子供の頃、自営の友達は、休日ライトバンで出掛けていました。
時々、私も乗せて貰ったりもしましたし。
仕事用とレジャー用でクルマを2台使い分ける、そういう家は少なかったですね。
なので商用車って、当時は休日に乗用車としても役割も担っていました。
現在、通勤の足に使っている、アクティトラック。
特段、何かに荷物を運ぶでもありません。
必要にして軽トラに乗っている訳でもありません。
ですが、働く軽トラ、好きなんですよね。
そんな私なんで、こんな本を買ってしまいました。
ダイハツ ハイゼットは、昨年の2020年、誕生60周年を迎えました。
今乗っているのはアクティは、ホンダ。
バイト時代に乗っていたエブリィは、スズキと。
何故かダイハツ車には、縁がありません。
そんなハイゼットですが、実際記憶にあるのは、このモデルからです。
1968年発売の、この3代目からですね。
1976年に軽規格が550ccになったのですが、暫くは、まだかなりの360ccが走っていました。
実家の方は道が狭くごちゃごちゃしていたので、軽トラックは大活躍。
そういえば昔の商店で、営業終了後に軽トラを店舗内に入れているところって、ありませんでした?
自分のうちの中にクルマが置けるって、子供の頃は、なんだか羨ましく思っていました。
あれ? このトレイみたいなインパネ、見覚えがあります。
ラジオが上を向いていて、妙なデザインだなぁと思っていました。
ひょっとして、乗った事があるかも?
父が勤めていた酒屋さんだったか?
あるいは、お団子屋さんの叔父の店だったか?
ハイゼットで人気があるのは、この6代目。
通称「まゆげ」ですね。
デビューは1981年。
この頃は、SUVブーム の始まりでした。
当時はSUVではなく、RVと呼ばれていましたが。
大きな荷室に遊び道具が満載出来るので、重宝されていたんです。
そんなRVユースも見込んで「アトレー」が誕生しました。
私の中で1台を選ぶのであれば、この4代目。
1971年から10年間販売されていました。
なんといっても、このモデルで良いのは、デザイン。
丸みのある柔らかいデザインで、丸目のライト。
青いとやっぱりドラえもんみたいです。
あと、当時は今と違い、低床一方開きがありました。
これだとホイールベース内の部品もカバーされて、キャビンとの一体感も演出出来ます。
私が積載するのは、粗大ごみか原付バイクなので、高床三方開きでなくてもいいんです。
むしろバイクを積むには、低床の方が便利かも。
でも今は低床トラック、ないんですよね。
4代目でのトピックス、それは軽規格の変更です。
1976年、排気量が360ccから550ccになっています。
ハイゼットも基本ボディは流用で、2スト360ccから4スト550ccになりました。
そういえばこの時期、メーカーもかなりバタバタでしたね。
スバルサンバー、三菱ミニキャブは4スト500ccだったり。
スズキキャリーは550ccでも2ストだったりと。
各社いろんなアプローチで対応していました。
ダイハツも乗用車は、360ccだったフェローMAXを、サイドパネルを流用しながら拡幅。
550フル規格ボディに対応させた、MAXクオーレを誕生させました。
片やハイゼット。
結局4代目は、旧規格サイズのままモデルライフ終了。
フル規格ボディは、次代の5代目からの対応となりました。
小さいまま4代目ですが、それ故のメリットも。
当時は普通免許の他に軽自動車限定免許がありました。
この免許で運転出来る最大排気量は、360cc。
同じ軽自動車とは言え、550ccは運転出来ないんです。
550ccに対応するには、軽限定解除の試験に合格すればOK。
ですが、使用状況、年齢等もあり、軽限定のままで良い、という方も少なくなかった様です。
そういった方々の救済で、ハイゼットは5代目になっても4代目360ccモデルを暫く併売していたんです。
ワイドボディ化しなかったので、こんな事も出来たんですね。
今の軽トラック、流行りはイカツイ系。
クルマは丸目が良いのかな、そう思う私は、4代目ハイゼットみたいなデザインもあればいいのに、なんて思います。
例えばサンバー。
今はハイゼットのOEMですが、外装だけ2代目っぽくして差別化が出来れば、売れたりするんじゃないかなぁ。
