以前に e-power の燃費について記事にしました。
e-power と燃費と正規分布の話
https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/39251822/
e-power と燃費と正規分布の話、その後
https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/41140213/
最近はヤリスの納車が始まっているらしく、実燃費もe燃費に登録され始めました。
e燃費によると、実燃費はなんと 32.38km/L (6月29日)だそうです。
アクア、新型フィット、Mazda2 などの他のBセグメント車と比べても、頭一つ抜きん出いているようですね。
e燃費のガソリン代ラインキングでは、長らくデミオ(ディーゼル)とアクアが競っていましたが(軽油とレギュラーの価格変動で順位が決まる感じ)、今後はヤリス一強になりそうです。
しかしまだ実燃費の登録件数が49件、ピーク値でも6件、信頼性が高いとは言い難い登録件数ですが、正規分布から大きく外れているエラー値が、20km/Lで、これが「低すぎる値」だなんて…。
いつもの様に正規分布を取ってみたのですが、登録件数は少ないものの、それほど大きなエラー値はなく、このまま登録件数が増えても大きくズレる様な気がしません。
■なぜヤリスはそんなに燃費がいいのか
ちゃんと検証まではしていませんが、大雑把に言えば
1)車両重量が軽い
2)前面投影面積が小さい
3)THSの効率の良さ
にあるのではないかと想像しています。
車両重量はかなり軽く、 量販グレードの HIBRID G でも 1060kg です。
新型フィットは量販グレードの HOME で 1180kg ですから、大人二人分ぐらいは違う。
エンジンが3気筒というのも重量的に有利で、しかもエンジンの摺動抵抗が少なくなります。
車も小さいですが、アクアの様な無理矢理感はないですね。
アクアは(大人の男性が)運転席にきちんと座れるレイアウトになっていない。
対してヤリスはデミオ程ではないにしても、大きな不満はない感じでした。
後部座席が狭いにしても1人〜2人乗りがメインとなるBセグメントとしては、必要十分ではないかと思います。
そして、やはり THS のコンセプトの優秀さ。
ノート e-power はシリーズハイブリッドですが、実燃費は 20km/L 近辺をウロウロしています。燃料代を考えるとデミオ(ディーゼル)の方がよっぽどいい。
これはやはり、すべての駆動エネルギーを一旦電気に変換しているため、エンジンで直接駆動するよりも効率が悪い場合がある、というのが大きいと思います。
その点、新型フィット e:HEV は、モーターでは効率が悪い場合は、エンジンから直接駆動力を伝達できます。
しかしながらTHSはそれを上回り、「常に」エンジンとモーターの比率を変動させることができるというのが大きそうです。
もちろん、ヤリスに搭載された THS II は、リチウム電池を採用したりすることで、そのエンジンとモーターの比率を変動させられる領域を広げたというのは大きいでしょう。
ホンダは HONDA IMA から始まり、i-DCD、i-MMD(e:HEV)と、ハイブリットのコンセプトを進化させ、仕組み自体が大きく変わってきました。
それに対してトヨタは 1997年に登場させた THS という仕組みを20年以上にわたり熟成させてきたという違いがあり、今回はトヨタに軍配が上がったように見えます。
操縦性も、以前のアクアはどんなに燃費が良くても…という代物でしたが、ヤリスはそんな感じではありません。
マツダはそのハイブリットの長い歴史の発端にもついていない訳ですが、エンジン自体はとても良いものがあります。
(コストはともかくとして)ディーゼルエンジンに、発進時の補助的なモーター駆動が付いただけで、最新ハイブリットに近い燃費は叩き出せるとは思うのですが、まあ言うが易しとはこのことですね。
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Posted at
2020/06/30 09:36:02