■工場出荷時リセット直後は転回方向ズレは全く起きない
前回は2〜3ヶ月に一度、数百km程度の長距離を走行すると、突然マツダコネクトの方向の精度が異常になることを記事にしました。
マツダコネクトの御乱心
https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/42914254/
ところが、マツダコネクトを工場出荷時にリセットすると、ほとんど狂いがない、正常な状態に戻るのです。
工場出荷時リセット前(6月1日)は、360度転回すると、ナビ上では390度ぐらい回ります。
その直後に工場出荷時リセット行うと、360度転回しても方向ズレは無くなりました。
リセット直後の動画を撮り忘れたので、同じ場所で翌日6月2日にもう一度360度転回したのが動画の後半です。
360度転回しても方向ズレが全くない状態が一日経っても維持されているのがわかります。
この通り、一度工場出荷時リセットをすると、ほとんど方向ズレがない状態が続きます。
しかし一度狂いだすと、再度工場出荷時リセットをするまで、狂ったままになります。
また、この方向ズレの程度は、使っているうちに大きくなったり小さくなったりするようです。
前回記事の5月19日の動画では、方向ズレがとても大きかったのですが、そのままの状態で使い続けて、6月1日の時点では方向ズレが小さくなっています。
誤差は工場出荷時リセットをするまでなくならないものの、使用状況によって方向ズレは大きくなったり小さくなったりする様です。
■現在の疑問
私は「数百km程度の長距離を走行すると、突然マツダコネクトの方向の精度が異常になる」と思っていました。この不具合に気付くのが、いつもそういう状況だったからです。
しかし、これも今まで気付きませんでしたが、使い続けるうちに、一度は大きくなった誤差も小さくなる様です。(5/19 動画と 6/2 動画の比較)
ということであれば、実は方向ズレは常に小さいながらも存在し続け、ある時、何かの要因で誤差が大きくなった時に、「突然マツダコネクトの精度が異常になった」と思ったのかもしれません。
また、これが仮にソフトウェアの問題だとすると、全てのマツダコネクト搭載車でも同じ問題が内在していて、走行条件によって顕在化しないだけかもしれません。
しばらくは同じ場所で360度転回し、方向ズレが突然起きるのか、それとも徐々に起きるのかを調べてみたいと思っています。
■CX-8(自車位置演算ユニット搭載車)の自車位置ズレ不具合との関連
前回記事でも紹介した、Angelkiss さんのCX-8(自車位置演算ユニット搭載車)の自車位置ズレ不具合ですが、私の方向ズレ不具合とも原因が関連しているのではないかと疑問を持っています。
自車位置が突然飛ぶという症状は、私の不具合とは違いますが、リセットすると治るという状況は全く同じです。
準備OK
https://minkara.carview.co.jp/userid/1139133/blog/42789646/
(上記 Angelkiss さんのブログから抜粋)
1.高架下や防音壁横、高い建物の付近、背の高いトラックの横で自車位置ズレが発生する。全くの天空の下で自車位置ズレは発生しない。
2.ルート案内中に発生する。ルート案内中で無い時には不明。
3.ETC2.0ユニット付きでも無しでも自車位置ズレは発生するが、ETC2.0ユニット付きの場合には100%自車位置がズレる
4.ETC2.0ユニット付きだと自車位置ズレが発生した後に天空の下に出ても自車位置が10分くらいは戻らない。ETC2.0ユニット無しだと、天空の下に出てくると自車位置が戻る。
5.渋滞のような低速度での走行ではルート案内をしていても自車位置がズレる事がない。
6.案内・警告音声は、正しい自車位置を認識している
7.Carplayでは位置ズレが発生しない
自車位置演算ユニット搭載車のマツダコネクト Carplay では、マツダコネクトから位置情報が iPhone に提供されているそうです。
上記 6,7 の状況から、マツダコネクトから Carplay や案内・警告音声に提供されている位置情報と、マツダコネクトナビゲーションで使われている位置情報が異なり、マツダコネクト内部では2つの位置情報が存在するということがわかります。
Carplay や案内・警告音声に提供されている位置情報に狂いはなく、これが「正しい自車位置情報」だとすると、マツダコネクトナビゲーションで使われている「正しくない自車位置情報」はどのように生成されているのでしょうか。
自車位置演算ユニットでは、車速センサーからの情報と、内部のジャイロと、GPS 情報のみで位置情報を計算しているはずです。それ以外の情報はないのですから。
それに対して、ナビゲーションシステム側では地図情報があるので、自車位置演算ユニットからの位置情報に対して、さらにマップマッチング(道路情報による補正)を行っているように思います。
これは、ナビゲーションマニュアルに記載されている「自車位置のずれを修正するには」の内容とも合致します。
マツダコネクトから Carplay に提供される位置情報は、自車位置演算ユニットからのもので、マップマッチングによる補正はされていない位置データでしょう。
何故なら、Carplay はマツダコネクトナビゲーションの地図情報が無くても動作するからです。
自車位置演算ユニット非搭載車は、自車位置演算ユニットがありませんから、車速センサーからの速度情報、車体からのジャイロ情報、GPSからの位置情報、そしてマップマッチングによる補正は、すべてマツダコネクト本体側(CMU)で行なっています。
これは想像ですが、この位置情報算出の方式の違いによって、自車位置演算ユニット搭載車は、位置情報が突然飛ぶという症状になって現れ、自車位置演算ユニット非搭載車は、方向ズレとなって現れる違いが出てくるのかもしれません。
マツダ(純正) 自車位置演算ユニット
https://minkara.carview.co.jp/userid/1139133/car/2742641/9911937/parts.aspx
(上記 Angelkiss さんのコメント欄から抜粋)
自車位置演算ユニット付車は、マツコネから自車位置の出来ません。GPSが届くエリアを50km/h以上の速度で走行する事により、自車位置演算ユニットが計算した自車位置とGPSの位置情報を比較して、自車位置演算ユニット側を補正するようです。
自車位置演算ユニットが正常であれば、この流れで問題点は無いのですが、今起こっているのは、GPS信号が弱いところで自車位置演算ユニットが正しい自車位置を計算出来なくなるからですが、この情報を元に補正してしまっているようです。その為か、自車位置ズレの発生頻度が上がっています。
上空に障害物が無い(GPS が受信できる)道で、50km/h 以上のスピードで定速走行を行うことで、自車位置の精度補正をするのは、自車位置演算ユニット無し車でも同じで、前述の通りマニュアルに記載されています。
しかし前回ブログで記事にした、5/19に方向ズレが大きく起こったのは、実はGPSが届くエリアを50km/h以上の速度で走行し続けた後のことなんです。
ですから、50km/h 以上のスピードで定速走行を行うことで、自車位置の精度補正が上がるとは思えず、何らかの不具合があるのではないでしょうか。
GPSが届きにくいところは、ナビ上で進行している道路が何度も左右に振れて、その後、一気に飛びます。
実は方向ズレが起きている時も、似たような動きになります。方向がずれているので、道から外れようとし、しかしマップマッチングで元に戻されるという動きが、ナビ上で進行している道路が何度も左右に振れるような動きになります。
自車位置演算ユニット無し車は強力なマップマッチングで道に戻されると同時に方向も補正され、この動きはすぐに収まります。
そして次の右左折で方向がズレ、ナビ上で進行している道路が何度も左右に振れるような動きが繰り返されます。
メーカーからは、自車位置演算ユニットで計算した結果、例外エラーが発生し、その際に自車位置が大きく飛ぶと聞いています。
(中略)
毎日走っていると段々と必ず自車位置がずれる場所が出てきます。それがどんどん蓄積している感じです。そうなると、本当に少し高い壁の横とかを走るだけで一瞬自車位置を失うようになります。自立航法となっても自車位置演算ユニットが正しい計算をしている間は、ずれないものの、演算エラーになり自車位置が飛ぶと、次回以降は同じ場所での自車位置ずれ確率が高くなる感じです。
自車位置演算ユニット無し車は例外エラーが発生しないために、自車位置が大きく飛ぶという症状が現れないのだと思います。しかし、例外エラーが発生する原因、例えば間違った学習情報(?)は同じで、自車位置演算ユニット車はそれが自車位置が大きく飛ぶという症状になり、自車位置演算ユニット無し車は方向ズレという症状になるのかもしれません。
そして最も大きな疑問は、次に書きます。
■最も大きな疑問、お粗末なマツダとディーラーの対応
ロードスターのサービスキャンペーンについて
https://www2.mazda.co.jp/service/recall/sca/20190513001/
自車位置ズレサービスキャンペーン(ロードスター) その後
https://minkara.carview.co.jp/userid/1139133/blog/42915359/
(上記 Angelkiss さんのブログから抜粋)
このロードスターの不具合は、私がお世話になっているディーラーの販売会社で発見したそうです。店舗は別な店舗になるそうですが、ロードスターを購入したお客様からで自車位置ずれの件を言われて調べてみたところ、本来は自車位置演算ユニットに車速センサーが接続されていないといけないのですが、Bose付きのローダースターだけ接続されていなかったそうです。
配線図ではもちろん繋がっている事になっていて、カプラーもきちんと接続されていたのですが、そのハーネスに車速センサーの線が入っておらず、当然カプラーにも線が入っていなかった為に接続がされていなかったと言う、なんともあり得ない不具合だったそうです。その為に今回のサービスキャンペーンでは、現行ハーネスに割り込ませる形で車速センサーから線を追加する内容のようです。
この説明をしてくれた方も「本当にお粗末なお話しで恥ずかしい限りです」と言われましたが、本当にあり得ない不具合です。
私がお世話になっているディーラーの整備の方には大変親切にしていただいています。しかしこのマツダコネクトの方向ズレ不具合に関しては、改善は見られるものの、納車されてからずっと続いています。
というのも、マツダコネクトに関してはマツダやディーラーに「この程度が実力」という認識が蔓延しているように感じるのです。
ですから、不具合が現実に発生しているにもかかわらず、それをとことん突き詰める姿勢が感じられません。
私の場合は発生頻度は数ヶ月に1度程度、しかも工場出荷時リセットをすれば治るのは分かっているので、実用上は何とか使えます。
しかし、この BOSE 付きロードスターの車速センサーの線が繋がっていなかった問題は、あまりに杜撰です。
半年以上、5000台近くの車が出荷されるまで不具合を認識できず、それどころか出荷前の社内の品質試験を通過していた訳です。
ディーラーに相談しても「マツダコネクトはこの程度です」と門前払いされていたケースも多かったのではないでしょうか。
もしかしたらメーカーすらそう返答していたのではないかと疑っています。
マツダ本体やディーラーも「この程度が実力」という認識を改めて、現実に発生している不具合に対して、とことん突き詰めて改善・改修しようとする姿勢を見せて欲しいものです。