ショック・ドクトリン

ナオミ・クラインの名著 「ショック・ドクトリン」

チリの軍事クーデター、天安門事件、ソ連崩壊、米国同時多発テロ事件、アジアの津波災害等々、大きな惨事と並行して起こった出来事を、一つの視角から徹底的に検証して、「強欲資本主義」とも呼ばれる経済システムが世界を席巻した原因を明らかにした著作です。

経済学者故ミルトン・フリードマンとシカゴ学派と言われる人たちが何をしてきたのか、アジア通貨危機の際に、韓国をはじめとする「アジアの虎」諸国にIMFが何をしたのか、各国の公共事業がどう奪われたのか、などがよくわかります。

これは決して他人事ではなく、過去の国益企業民営化や、現在K総理大臣が「新しい資本主義」と称している日本の経済政策の本質を明らかにするものです。

戦争、津波やハリケーンのような自然災害、政変などの危機につけこんで、あるいはそれを意識的に招いて、人びとが茫然自失から覚める前に、およそ不可能と思われた過激な市場主義経済改革を強行する - パンデミックを契機に現在行われていることと重なります。

この本を分かりやすく解説した番組が放送されています。
解説の堤未果さんは、ばばこういちさんの娘で米国野村のOGです。経済の本質を抉り出す著作で知られています。


100分de名著（NHK Eテレ）
放送日 / 再放送日など詳細はコチラ

同じ放送局の報道とドキュメンタリーは偏向しているのに、教育番組はまともなのが不思議です。
経済学を学んだことがない方にもわかりやすい内容ですので、是非ご覧ください。