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おっさんくんの愛車 [トヨタ プリウスPHV]

整備手帳

作業日:2021年1月22日

ヒートポンプvs エンジン排熱暖房 暖房性能比較実験!

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 30分以内
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今年は例年に比べ、寒さの厳しい日が続きます。

プリウスPHVには、通常HVプリウスと同様のエンジン排熱を熱源にした温水暖房系統の他、EVモード時に稼働するヒートポンプ暖房系統が装備されています。

エンジン排熱暖房の特徴として、冷却水温度が上昇するまでの間は温風温度が上がらないなど、立ち上がりが遅い点が弱点ですが、外気温が低下しても安定した暖房能力を得ることが出来る点が優れています。

一方、ヒートポンプ暖房の特徴として、暖房開始後にすぐ温風が出てくる点で即暖性に優れていますが、外気温低下に伴い暖房能力が低下してくる弱点もあります。
PHVでは低温でも暖房性能を確保すべくガスインジェクションヒートポンプエアコンが採用されるなど、この点には結構力が入っていると思います。

さて実使用上の性能はどうなのでしょうか?両者の暖房性能を比較検証しました。
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検証は、EVモード(ヒートポンプ暖房のみ)、HVモード(排熱温水暖房のみ)での検証をそれぞれ別の日に実施。

いずれも早朝、クルマが完全に冷えた状態から検証スタート。
日の出前に検証を実施することで日射の影響を除外しています。

外気温は1~2℃(車両モニタ表示)で同じ条件です。一人乗車。

エアコンの設定は、外気導入、デフロスタ+足元送風、温度設定はHI(最大能力)、風量は最大としました。(ステアリングヒータとシートヒータもオン)
左右の吹き出し口はそれぞれ正面に向けて送風されるように調整。

EVモードとHVモードで、それぞれ同一ルートを8kmほど約30分かけて走行。街中の道で信号停止もあり、平均速度は16km/h程度。
このときの車内温度上昇値を測定しました。
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温度計測は12Vソケットに差した電圧計兼温度計で実施。
サーミスタ位置は12Vソケット横でちょうど車両中央付近です。サーミスタにはエアコンの送風が直接当たらない条件です。
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測定結果です。
まずEVモード時のヒートポンプ暖房ですが、運転開始直後から温風がでてきます。この点はいつも素晴らしいと思います。
停車中や速度25km/h程度以下ではコンプレッサ回転数は抑えて運転されますが、速度が25km/hを超えると回転数が一気に上がりフルパワー運転となります。表にはコンプレッサの消費電力の変動幅を記載しています。信号停車の間はコンプレッサ回転数が低下するので、暖房能力は常にMAXではなく変動しています。

次いでHVモード時のエンジン排熱温水暖房。運転開始直後しばらくは、冷風しか出てきません。これは原理上仕方がない点ですが、寒い中の辛抱は結構つらいです。冷却水温度を上げるためにエンジンは回りっぱなしです。運転開始17分経過後、やっとエンジン停止しました。以後、エンジン稼働/停止を繰り返す運転になりました。
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測定値をグラフにしてみました。
横軸は暖房運転開始後からの経過時間、縦軸は車内温度上昇値です。

まず暖房開始直後の立ち上がりはヒートポンプ暖房が優位なことが数値でも確認できました。
排熱温水暖房では暖房開始後3分程度は車内温度が全く上がらない結果でした。
暖房開始10分くらいの間は、排熱温水暖房の立ち上がりの遅さが影響して、ヒートポンプが大きくリードしました。
立ち上がり後は、排熱温水暖房のほうが傾きが少し大きいので、最大暖房能力(=kW)としては排熱温水暖房がヒートポンプをやや上回るのだと思います。
しかしながら少なくとも運転開始後30分の範囲では、車内温度上昇値はヒートポンプ暖房が優位の結果となりました。
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まとめ:

外気温1~2℃ということで、ヒートポンプ暖房にとってはそこそこ厳しい外気条件と思いますが、排熱温水暖房よりも優れた立ち上がりとほぼ同等の最大暖房能力を発揮し、車内温度上昇値はヒートポンプ優位の結果となりました。

なお、ヒートポンプ暖房は、信号停止の度にコンプレッサの回転数が絞られる運転での結果なので、まだポテンシャルを有しています。信号停止の無い郊外走行なら、さらに高い暖房能力を発揮したものと考えられます。

一方、外気温がさらに低い条件の場合や、高速走行時などエンジン排熱がふんだんにある場合は、排熱温水暖房が優位かも知れません。
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エアコンのポテンシャルを最大に引き出すには・・・

温度設定をHI以外に設定して暖房運転すると、マイルドな暖房制御となって最大能力で運転することはありません(感覚的には最大能力の1/2~1/3での運転になります)。
寒いときはちょっと物足りない感じになります。
設定HIで5分くらいフルパワー運転させてから25℃等の希望温度設定に戻すのが早く暖めるには有効とおもいます。
(MAXボタンがあれば便利なのですが・・・。)

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この記事へのコメント

2021年1月22日 22:54
最近の朝は寒すぎなのでリモートエアコン使います。バッテリーの消耗が激しいですが、10分後には温まってますね。
(^ ^)
コメントへの返答
2021年1月23日 9:08
おはようございます。
リモートエアコンは必需品ですね。窓の凍結もとれるのでありがたい装備です。(^^ )
2021年1月23日 8:00
おっさんくん さん、おはようございまーす。

なるほど!!
電動の場合、温まりが遅いと思ったら最大にする必要があったのですね。
勉強になりました。
m(__)m
しかし、ここでは積雪もあるので、寒くなるとEV走行のみで40km超えがやっとで45kmに到達するかどうか?、悪い時は36kmにまで下がります。(エアコン有り)
電動エアコン最大だと、もっと距離が落ちそうで悲しいです。
やっぱり、自宅スタートではリモートエアコンで予め暖房が必要ですね。
コメントへの返答
2021年1月23日 9:17
toro_555さん おはようございますー。

家庭用エアコンのように設定温度に最短で到達するような運転制御にはなっていないようですね。
積雪地で40km越えはすごいと思います。
こちらは冬は暖房優先でEV距離の低下はあきらめています・・。30kmギリギリのときもあります。
悲しいですけど快適性優先ですね。
2021年1月23日 21:13
こんばんは

毎度、有意義な実験をして頂きまして、ありがとうございます!

暖房は、ヒートポンプしか無いと思ってました…
エンジン排熱暖房も有ったんですね。
コメントへの返答
2021年1月24日 0:04
こんばんは。

HVモードで起動するとヒートポンプは稼働しないですね。
エンジン稼働時は、排熱有効利用を優先する設計になっているようです。
2021年1月24日 8:11
おはようございます。

不思議なクルマですね。
冷間時HVモードでヒートポンプ動かないとは知りませんでした。
初年度、ヒートポンプ外気導入で冬期走行可能距離が半減してしまったので現在冬期は内気循環+AC、最初10分だけヒートポンプ、その後HV/EV切り換えながら排熱暖房で走ってます。
EVモードでも排熱暖房しますが水温下がるとヒートポンプ起動(48℃程度)するのでてっきり冷間時HVモードでもヒートポンプ起動すると思い、わざわざ「エアコンoff」と音声コマンド発声してからHVモードにしていました。
次からはこのステップ減らせそうです。ありがとうございます。

このクルマは暖房出力が小さいと思います。アルファードHVの方がキャビン空間が大差あるにも関わらず効きます。これも不思議です。
コメントへの返答
2021年1月24日 12:15
こんにちは。

HVモードで冷間起動すると、コンプレッサ消費電力0kWのままなのでヒートポンプ動作していないですね。
ただ、EVモードで起動して一旦ヒートポンプ起動後、HVモードに切替えると、エンジン起動後もしばらくの間はヒートポンプ動作しています。
冷却水が温風吹き出しに支障ない温度まで温まるまでの間?はヒートポンプ動作を継続する制御なのかもしれません。
冷間起動時はEVモードでのみヒートポンプが起動されるが、EV/HV遷移時は暖房能力が断続しないように水温条件等でヒートポンプ起動/停止制御をしているのかもしれません。

アルファードは乗ったことないのですがプリウスは空調制御も燃費に振ったチューニングにしているのかも知れませんね。

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