R35 GT-R`08

　GT-Rに乗るのは、実は今回が2回目だったりする。一度目は、学生最後の折にカーソムリエの企画として、13年のクラブトラックエディションを試乗させていただいた。まあ、FY13は、水野GT-Rの最終モデルなわけで、実質GT-Rの完成形ともいえる。で、今回カーシェアリングで試した一台、というのは、2008年のモデル。R35の中でも最も個体数の多いモデル。5年の進化が、まだ始まった段階というわけで、果たしてどんなものなのか…？

　と、思って走り出してみると、これがまた扱いが大変だった。日本唯一といっていいDCT搭載車なわけだが、これがクリープするのも難しいし、そろそろと走り出すのも結構難しい。ラフにアクセルを開けると、まあガクガクとヘタなクラッチ操作みたいにぎくしゃくする。それに1→2速への変速も、これまたガックンと動くようなかんじ。クラッチ動作については、まだまだ洗練されていないのか経年の劣化なのか…ともかく、ミッションに関しては結構繊細な扱いが必要なようですね、GT-R。

　とはいえ、やっぱりエンジンは良い。とにかく加速度は半端ないし。パーシャルスロットからの加速感も半端なし。まあ、ラフな扱いでフロントが浮く感じがあるのはドライバーの問題なわけで。それでも、脳みそがずれるようなトラクションがとんでもない加速感を生み出す。

　やっぱりこのクルマ、すげぇなぁ…乗り心地も言われてたほどひどくないじゃないか。いったい誰だ、乗り心地が悪いなんて言ったの。乗り心地とスポーツ性を両立しているのは驚きではあるものの、まあ、これを所有するとなると…うーむ、となりますね。サーキット特化で欲しいか、逆にGTカーが欲しいのか、と言われれば、サーキットならまあ別のクルマがあるし、GTだったらもっと豪華なのもある。となったときに、GT-Rが選択肢に入るかというと…むむむ。これなら、R34が欲しいというのもまあよくわかる。結局、非日常を日常にしてしまっては、勿体ない、と思っちゃうんだよな、うん。