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　日産本社ギャラリーにて行われた日産GT-Rセミナーを今日聴いてきたのであるが、面白い面白い･･･！GT-Rの話も多くあったが、そんなことはどうでもいい。完全な水野節に酔いしれた時間であった。少なくとも、自分にとって目を冷まさせるような話を多く聞けた。

　まずはGT-Rの事である。今まで知らなかったGT-Rの事を数多く知ることとなった。12年モデルについてであるが、なるべくしてなったGT-Rにとってのクルマとしての形、それが12年モデルということだ。今回目指したのは世界トップレベルから、世界"ぶっちぎり"レベルを目指しての開発。他社が追うことを諦めるようなクルマに仕上げることが目的ということだ。実際に0-100km/h 2.8秒、0-400m10.6秒という数字は圧倒的なもの。しかし、これでもマージンを残しているというから驚きだ。また、数値だけでなく速度と回転数の変化に注目すべきで、停止から滑らかに加速し、また回転数も線形的に変化。つまりどこにも無駄が無いということだ。手元のパドルシフトでシフトチェンジをする。クラッチが離れ、ペラシャフトの回転が緩まり僅かに加速が鈍る。ギアが変わりクラッチミート。再びペラシャフトが回り始め加速が始まる。この一連の動作がスムースでないと滑らかな加速変化は起きない。そして、エンジンは中低速領域から線形的に回る。つまり、ピークパワー重視ではなく平均的なトルク配分によって一様に回るということだ。

　12年モデルから採用された左右非対称セッティングは利にかなったもの。例えば、ニュルブルクリンク最終ストレート290km/hで走行しているときは回転系のジャイロ効果で6mm左に傾いている。その他にも、そもそものGT-Rの構造上左右非対称の配置もあり、今回のセッティングになったということだ。また、製造行程でも興味深い話があった。例えば、イタリアの某F社は一台一台手作業で作っていてライン生産を行っていない。だが、GT-Rはラインで生産されている。なぜか？F社は丁寧に作りたいのか？GT-Rはそうまでして価格を下げたいのか？答は簡単なことだ。各部品の精度がGT-Rは桁違いということだ。

　F車の場合、というよりイタリア車を含めた海外車の場合、多くは各部品の精度が甘過ぎる。つまり、高級車なようなパネルがずれていたりバンパーとボディに隙間ができたりするのが許容されないクルマはラインで生産ができないのだ。パーツを組み込み、合わせる旅に微調整をせざるを得ない。仮にこう言ったクルマがラインを流れた場合、止まってばかりで全く生産が進まない。GT-Rの場合、各部品の許容寸法が桁違いなのである。例えばバンパーを見るとJIS規格の100分の一が許容値。だから、ラインに乗せても組み上げられる。その副産物として価格が安くなっているというわけだ。また同時にクルマの個体差もほぼ無いということになる。

　さて、ここまではGT-Rの話だが他にも多くの興味深い話があった。ニュルブルクリンクの1気圧が970hPa以下ということや、今日より明日、今年より来年といい仕事を追い求めるといった話等々心に響く言葉も数多くあった。しかし、後継者の問題については苦心しているようで今一番の課題とも氏は言っていた。しかし、総じてGT-Rがどうしてここまでのハイパフォーマンスを得るに至ったかの課程の一端を知ることができた。後はGT-Rというブランドをどうやって継続するかが課題、ということだろう。

昨日今日と行われているクラシックカーフェスタin神宮外苑に昨日行ってきました。クラシックカーはシンガポールGPでドライバーズパレードを見たときに展示車両を見たことはありましたが、本格的なクラシックカーイベントは今回が初めて。今まで見たこともないような古いクルマ等を間近で見ることが出来ました。こういった、名車をノーマルのまま保存していくというのも楽しみ方の一つだと今回感じました。NBロドがクラシックカーになるのはいつなんだろうな…？