
先日の
スーパーロングツーリングで利用したフォレスター。今回の利用では、自分のクルマもレンタカーも含めて初めて、一日(24時間)で800kmを走破したわけであるが、色々は機能を試させてもらういい機会になった。以前
マイナーチェンジ前のフォレスターに乗ったことはあるが今回は、アイサイトを中心に試させていただいた感想をレポートしておくとしよう。

全体的にきりっとしたフロントフェイスになったマイチェン後フォレスターは、なるほど、ヘッドライトにボクサーエンジンの鼓動を示す"コ"の字が奢られている。先代までのエクストレイルが硬派なSUVをイメージさせていて、現行ではちょっと都会派へと変わったわけだが、フォレスターはその中庸、仕事用のクルマぽさは薄いが、だからと言ってタフさも失っていない、絶妙な所を狙っていると言っていいだろう。

サイドミラーのピラーだけが、唯一浮いて見れるので残念。とはいえ、フロントウィンドウに取り付けず、ボディから生やすようにしたのは周囲の視認性を考えての事だろう。おかげで高速道路の旋回時にも、左右が見えやすいというメリットができている。
やはりなんといってもボンネットが低くできるのがボクサーエンジンのメリットでもあるわけだが、まだもう少し、下げられるだけの余裕はありそうか。クーペスタイルのSUVも最近では好評を博しているようだし、よりスポーティな形状の派生車が出てきてもいいのかもしれない?それはXVに一任か。

フロントは結構凝っているのにこのリアはちょっとのっぺりしすぎ。もうちょっとなんかあってもいいんじゃないかなー…とか。そこはまあ、レヴォーグに始まり、最新のインプレッサにも入っているテールランプが、次期型フォレスターでは取り入れられるだろうから期待しておくとしよう。

ラゲッジルームは広さも充分。高さ方向にも余裕があるので積むことに関しては不満があまりないだろう。また、リアシートを倒してしまえば、斜めになれば170cm程度の人一人は車中泊が可能。フロントシートを倒してのフルフラットにはさすがにならないので、丸まって横に二人の車中泊も対応はできそうだ。

インテリアは、まあ、普通?特に高質感という事を感じる部分もないが、逆にちゃちく感じる事もない。及第点、といったところだろうか。気になるところはといえば、メーターパネルが白系の配色に対し、エアコンなどのダイヤル系は夜間点灯時は赤系の配色。これはどちらかに統一しておいた方が、統一感のあるインテリアになっていいだろう。高級感を演出するなら、白系の発光で統一し、スポーティ感を演出するなら赤系、あえて、スバルのイメージで青系で全部統一、もアリか。バラバラだとちぐはぐな印象を受けてしまう。
さて。今回のフォレスターには最新のアイサイトVer3.0が付いていた。まあぶっちゃけ、謳われている機能上は自動運転技術を謳う日産のプロパイロット遜色がないレベル。一体そこに違いはあるのやら…?
違い、ありますね。これは考え方の違いが根底にはあるだろうけれど、レーンキープアシストの介入力。アイサイトもプロパイロットも、白線の中心をキープするように動作するような設定ではあるが、あくまでもアイサイトは補助としての機能になっている。
確かに左右の白線を認識して、ちょっとずつ中央へ修正を加えようとする力をステアリングには感じるが、例えばそのまま放置してアイサイトに任せておくと白線の外へとはみ出すような動作をとる。これはカーブ時も同様で、あくまでも、ドライバーがステアリングを握り操舵をしている前提で、切込みの力を弱くする程度の介入が入ってくる。
アイサイトは、あくまでも運転の責任者はドライバーで、システムだけでまっすぐ走る、曲がるはしません、というような思想が根底にある事が良くわかる。なるほど、前のクルマにも追従し、渋滞時のノロノロ運転でも追従走行が可能というのは実に素晴らしいし、足が楽になる。
これにステアリングまでもシステムがやってくれたら、ドライバーは楽にはなるが、場合によっては居眠りだったり運転に集中しないといった緩慢運転を助長しかねない。恥ずかしながら私も、運転の途中で眠気に襲われながらの運転を強行してしまった部分もあって、前への追従、止まるのも自動でできるというシステムへの過信が、かえって安全を阻害しかねない事を今回の運転で実感している。
加減速で足元は楽にしてはいるけれど、行く先を決めるハンドルはしっかりドライバーで制御してくださいね、というスバルのスタンスを、このアイサイトの設定からは如実に感じた。ちなみに、あまりにも白線逸脱直前の警告音声がなり始めるので、さっさとパーキングで仮眠をとる事にしています。居眠り運転ダメ絶対、あくまでもアイサイトは、運転補助機能であることを忘れてはいけない。勿論、長距離ドライブは楽になりますが。
まあ、フォレスター自体が長距離ドライブ快適かというと、少々考える部分もある。やはりなんといっても車高が高い。ボクサーエンジンが低い位置に搭載されていて、高速道路のコーナーを舐めるように走るのは、SUVからは考えられないものではあるのだが、いかんせんドライバーの着座位置が高いから、ロールは否応なしに感じてしまう。
また、ピッチングも事あるごとに感じてしまうのが残念なところ。クロカンライクな硬派SUVというわけで、例えばスキーだったり山道、さらには海へ等々をハードに走りたい、という強い用途があるならばフォレスターがこれらのデメリットを補って余りあるが、長距離ドライブ使用前提で、おっきい、いかつい、かっこいい、という理由だけでフォレスターを選ぶんだったら、同じくらいに荷物も積めるレヴォーグか、ちょっと車高の低いレガシィアウトバック位を選んだほうがより、快適なドライブが楽しめるとだけ、書いておこう。
Posted at 2017/03/21 06:22:28 | |
トラックバック(0) |
評 -Car Review- | クルマ