「琳派」とは
『琳派(りんぱ)とは、
俵屋宗達、
尾形光琳ら江戸時代に活躍し、同傾向の表現手法を用いる美術家・工芸家らを指す名称である。
かつては尾形光琳・
乾山とその作風を継承した
酒井抱一らを一つのグループとみなし「光琳派」と呼んだり、その先駆者と考えられる俵屋宗達・
本阿弥光悦らを含めて「宗達光琳派」と呼んでいた。現在は「琳派」という呼称が一般的である。
背景に金銀箔を用いたり、大胆な構図、型紙のパターンを用いた繰り返し、たらしこみの技法などに特色が見られる。宗達・光琳・抱一の3人が著名であるが、この3人は生存時期が違い直接の師弟関係は無い。光琳が宗達を、抱一が光琳をそれぞれ私淑し、影響を受けている。(この点で狩野派や円山派といった流派とは異なる)
琳派はヨーロッパの印象派や現代の日本画、デザインにも大きな影響を与えている。』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
上野の東京国立博物館で開催中の「
大琳派展」に行ってきました。
今年は「琳派」の代表者とも言える、尾形光琳の生誕350周年という事で、読売新聞社、NHK、東京国立博物館が主催となって開催されています。
展示は4章構成。
「第1章:本阿弥光悦・俵屋宗達」
琳派の始まりと言われる、宗達と光悦の作品が展示されています。
この部屋は見応えが有りましたね~。
中でも宗達の「
風神雷神図屏風」は良かった~!と言いたい所なんですが、まだ展示期間になってない為、今回は見られませんでした(T_T)
贅沢だなぁと思うのは「四季草花下絵古今集和歌巻」とか「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」など、宗達が下絵を描いて、光悦が文字を書いたものがいくつかあるのですが、どれも素晴らしいものばかり。
宗達の見事な下絵と、光悦の美しい文字が、互いに殺し合う事無く、逆に生かしあって、シンプルだけど最高のコラボレーションなんですね!
他にも光悦の書、蒔絵、茶碗と、宗達の素晴らしい絵画が沢山あって、圧倒されっ放しでした。
「第2章:尾形光琳・尾形乾山」
宗達・光悦から百年後に活躍した二人は兄弟です。
特に遊び人だった光琳は、父から受け継いだ財産も使い切り、40過ぎてから画業に励むようになったようです。
彼は特に宗達を意識し、宗達の作品を多く模写している。
「
風神雷神図屏風」などはその代表的なものですが、宗達のをそのまま真似るのではなく、若干構図を変えたりしてオリジナリティを出している。
他にも宗達の作品を模したものがいくつかありましたが、どれもその中に光琳の「自分らしさ」を表現しており、宗達が創造した画風を更に一歩進めた感じで、より一層デザイン的な感じがしましたね。
「
燕子花図屏風」などもとてもよかったのですが、「
紅白梅図屏風」の展示が無かったのが残念です。
弟の乾山は陶磁器が中心で、これもまた良かったです。
「第3章:光琳意匠と光琳顕彰」
ここでは光琳などのデザインを用いた他の作者の作品が展示されている。
「第4章:酒井抱一・鈴木其一」
光琳・乾山からさらに百年後に活躍した二人は師弟関係にある。
酒井抱一も、宗達、光琳と同様に「
風神雷神図屏風」を描いているが、これも展示期間外の為、見られず。
と、ここまで全4章を見るのに3時間半位かかったかな…。
入るときは写真の様に明るかったのに、出るときは真っ暗でした(^_^;)
今までにも、それぞれ個別に作品を拝見した事はありましたが、こうやって順を追って見ていくと、創世記の宗達から始まり、光琳が完成させ、抱一・其一がそれを受け継ぐという流れがよく分かりました。
作風も若干変化があり、どの作家が好きかはそれぞれ見る人の主観によって違うと思いますが、僕は光琳が好きだと思ってましたが、今回の展示を見ると宗達って良いかも、と思うようになりました。
一般的な見解でも、今までは琳派を確立させた尾形光琳が脚光を浴びていたのが、「宗達素晴らしい!」という意見が多数になっているようです。
前回は
「対決!」展を見に行って、とても感激したのですが、今回の展示は前回に負けない程の迫力でかなりの見応えがありました。
開催期間は11月16日(日)までですから、是非一度は行ってみて下さい。
一見の価値ありです!
Posted at 2008/10/13 12:00:49 | |
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