
1961年から毎年開かれている陸上自衛隊による「富士総合火力演習」の練習会を見てきましたのでご報告いたします。
本番は大臣も呼んで23日の日曜日なのですが、18、20、22日と練習会も本番さながらに公開されていまして、練習会は自衛隊員枠の招待客になっていて、実際見学者の3分の1が自衛隊員という一種独特の風景でもありました。
この時弾薬の破片で観客が怪我をするという事故があったのですが、当の私はそんなこと知らずに楽しく見学してきました。
その時の記事(かすり傷でそのまま見続けたようです)
陸上自衛隊の装備がわかる本当にすばらしく、迫力のある演習でしたので、私の下手な写真と動画を交えお伝いしたいとも思います。
いつものようにちょっとした情報量なのでお時間のある方はお付き合いください。
20日に辺境伯さんが見学されているという情報をこのみんカラで得ていたのでアドバイスを頂きました。
内容は「凄い人でした。僕らは20番(海苔川駐車場)に止めました。
イスは禁止、傘も禁止でした。
僕らは7時半頃着いたのですが、既にEスタンドは満席でシート席に座りました。昨年よりバスの停留所は会場から遠くなっています。土産は席を確保してから10時の開始前までに買った方が楽です。
会場からの出入りは出も入りも半券を提示するので、TDRなどで使うチケットホルダーがあると便利です。
帰りは最後までいるとバス待ち1時間半~2時間になるので、最後の展示を見る気がなければ最後の煙幕が終わった段階でバスの所に向かった方が良いかも。
74式戦車は90や10式に比べ射撃音が大きいので、気になるなら耳栓を用意した方が良いかも。
虫除けとムヒも持参した方が良さげかも、あとウインドブレーカーも…。
こんな感じですかね。」
このアドバイスを頂いたこともあり伊那を3時半に出発して6時前に到着し、会場から近くの民家を探して交渉して車を止めさせてもらい、約1.5kmを歩いて6時半頃会場入りしました。
その時も練習会の練習でしょうか6時というのに大音量で爆撃の音が響いています(@@;
朝からこのあたりはこんなにうるさくして大丈夫なのだろうかと心配になるほどです。
確か以前、虎屋の御殿場工場に見学に来たとき昼間でも遠くで大砲の音がしていたのを思い出しました。
いつもこんな感じの場所なんですね。
もちろんロードスターの軽井沢ミーティングでもらったチケットホルダーに耳栓、虫除け、それに、ぎんがめさんからお借りしている双眼鏡を持参し登山でもできるんじゃないかという装備で望みました。
結局座席までは3kmほど歩いて到着し迷彩色のシートに椅子なしで座っての観覧です。私は分厚いクッションを持っていったので、合計5時間の観覧はそれほど苦になりませんでした。
やっと会場のついたとき、スタンドの裏
よいよ会場入りです。
一列に並んでから座っていきますが、早かったせいもあり、一般客の中では8列目あたりで見やすい左側に座ることができました。
ちょっと富士山が見えます。
このあと天気が良くなる予報なので富士山も楽しみですね。
練習会の練習が行われていました。
もうちょっと遅く来るとこの練習が見られなかったので、早く来てラッキーでした。
このあとの本番よりも練習会の方が何度も繰り返しているし、まだ座席を立っていいので写真も撮りやすいのですよ。
本番の時撮り損ねたバイクのジャンプ
これは偵察用オートバイ
カワサキのKLX250がベースになっています。
以前はホンダのXLR250でしたが排ガス規制の関係で製造が中止になったのでカワサキになりました。そういえばわが町伊那のバイク隊もKLX250でしたね。
後ろの青いトレーラーはこのあとスクリーンを出して私たちに情報をくれるものです。
そして装甲車からの砲弾開始
こんなに近くで射撃が始まります。
だから迫力満点なのですよ!
お~富士山の全景が見えてきました。
富士山バックに陸自の演習なんて最高のシチュエーションですよ!
だんだん人も増えてきました。
この時間を利用して辺境伯さんのアドバイスに従ってお土産を買いに出かけます。
もちろんチケットは軽井沢MTGホルダーに入れて(^ー^
スタンドの裏では20軒ほど出店が出ていました。
これらは民間のお店のようです。
まんじゅうから模型、タオル、Tシャツなどいろいろなグッズが売っていました。
このワッペンはどんな人たちが買うのだろうか・・・
私は左下のタオルを買いましたよ。
Tシャツは着るかわからないのでやめておきましたw
総火演限定のものもたくさんありましたよ
会場に戻ると富士山が綺麗に姿を見せていました。
まだ座らなくてはいいので、通路でカメラを構えて撮り放題です。
こちらは89式装甲戦闘車
1980年から三菱重工業より1輌6億5000万円なり!
エンジンは水冷4サイクル直列6気筒ターボの600馬力
時速70kmで走行可能で行動距離は400km
武装は35mm機関砲、7.62mm機銃、対戦車ミサイルを搭載しています。
装甲車といえども目の前での砲撃は迫力ありますよ。
富士山をバックに!
最高の配置(^ー^
バックしてくるとディーゼルエンジンが煙を吐き出します。
そして89式装甲車の小隊連帯
いい感じ~
先ほどのトレーラーからモニターが出てきました。
細かいところはここのモニターに映った映像を見たり、解説の図や映像が流され、わかりやすく工夫されています。
次に出てきたのが203mm自走榴弾砲
核の砲弾も打てるんだとか、車体は小松製作所で砲架は日本製鋼所、一輛3億4500万円、1981年から91両以上調達されています。
これには陸上自衛隊最大の203mmが搭載されています。
5名乗車とありますが6名載っていますね。
このエンジンはデトロイトディーゼルの液冷2サイクルV型8気筒スパーチャージドディーゼルで411馬力
それにしても人がむき出しなのは怖い乗り物ですね。
お次はボーイング/富士のAH-64D
世界最強の戦闘ヘリコプターです。いわゆるアパッチというやつですね。
1機50~73億円と高価で2002年から13機しか入っていません。
エンジンは1662軸馬力が2基搭載されています。
丸いのはミリ波レーダーで、後ろの席が操縦し前の席が射手が座ります。
30mm機関砲をガンガンぶちかまします。
煙がその機関銃です。落キョウがすごいことになっていそう。
富士山とAH-60アパッチ!
練習が終わり会場の整備です。
またこれがすごいのですよ~
これらの重機が何十台も出てきて、平にして20台ほどの散水車が出てきてヘリによる砂の巻き上げを防ぎます。
そして標的の方はシャベルカーが出てきて30分ほどで元の形に直してしまいました(@@
今回の私の資料はこの本です。
わざわざこのために買いまして、左に写真、右に解説と大変わかりやすかったです。
今回の解説もここからピックアップしています。(2012年情報)
よいよ練習会の本番前
9時になったので音楽隊が出てきて7曲ほど演奏してくれました。
中ではパンちんこ屋で流れる「軍隊行進曲」が一番違和感があったのは私だけでしょうかw
気がつくと雲が晴れ直射日光が肌をさします(::
首にタオルを巻いて帽子をかぶりますが、さすがに暑く半袖になりました。
青空と富士山最高!(自衛隊員の頭が気になりますが・・・)
観客の様子、一番いいところは自衛隊員の教育の場所になっていました。
それにしても平らな帽子が上空から見ると芝生のように見えるのだろうと想像したのは私だけではないはずw
後ろを振り向くとこんな感じです。
スタンドがありますがDスタンドは自衛隊員で埋め尽くされておりました。
こうやってみると私の前から8列目はかなり前というのがわかりますね。
6時半に会場入りした甲斐がありました。
それでは10時になったので本番開始です。
先ずは99式自走155mm榴弾砲
車体が三菱重工業で砲塔、主砲が日本製鋼所
一輛当たり9億5000万円と高価ですが93輌以上調達されています。
有効射撃が30kmで一分間に6発発射でき、600馬力のエンジンで時速約50kmで走行できます。
1999年から配備されていますが陸自では最新の自走榴弾砲なのですよ。
双眼鏡を覗いて弾薬を入れる隊員の動きを楽しめました。
そして特殊な砲弾です。砲弾の軌跡がわかるように途中も破裂しながら着弾します。
後ろから「ダンチャ~ク!」と号令がかかるのがなんとも気持ちいいのですよw
そしてこのあと4台の榴弾砲による富士山型の砲弾が披露されました。
結構精度がいるんだとか
富士山型の弾着(TAB撮影)
そして結構気に入っている写真の一つ
87式対戦車誘導弾、装備一式が高機動車両に集約されています。
川崎重工業製で30~300GHzの簡易ミリ波レーダーを搭載し射程距離8000mのミサイルを発射します。
1セット5億円とは(@@
ちょうどミサイルを写真に収めることができました。
このあと第2弾の火薬がついたのか、いきなり見えなくなり、気がつくと3km先の標的にあったっておりました。指向性散弾
お次はベル/富士のAH-1S
世界初の攻撃型ヘリコプター、自衛隊ではコブラと呼んでいます。
胴体は98cmと細く作っているのが特徴ですよね。
1機25~49億円で90機調達されましたが既に退役が始まり現在では73機まで減っています。
またアパッチが登場
そして87式自走高射機関砲
装甲化された攻撃ヘリコプターを目標としています。
レーダーが起倒式になっていて、光学レーダーも搭載されているので電子妨害されても戦闘を行えます。
一輛14~15億円で52輌以上調達されました。
車体が三菱重工業、砲塔が日本製鋼所、射撃銃制装備が三菱電機
90口径35mm機関砲2基が一分間に1100発の発射速度があります。
そして一番音量の大きいい 74式戦車
一輛あたり4億円、三菱重工業製で1974年から1989年までに873輌が生産され、大事に使われています。○国軍とは違いますかね
51口径105mm施条砲は本当に迫力あります。
74式戦車、その時の動画がこれです。(TAB撮影)
砲弾から火が出ているのが分かりますでしょうか。
標的は3キロ先なんですよ(@@
そして私の一番好きな10式戦車、ひとまると呼ばれています。
軽く、強くなった最新鋭戦車
2015年までに68輌調達される予定ですが一輛10億円になります。
90式と同じ44口径120mm滑腔砲ですが威力は向上しています。
1200馬力で時速70kmで走行可能です。
主砲を自動追尾モードにより一方向に指向しながら走行できます。
実は上の10式戦車例の事故により離脱していたんだと後で知りました。
ということでちょっと動画をお借りしました。
事故の時の映像
90式戦車(きゅーまる)
目標自動追尾システムが組み込まれていて驚異的な射撃精度を持ちます。
90式戦車小隊の俊敏な動き(参考)
中距離地対空誘導弾はさすがに映像紹介だけでした。
ということで前段演習は終了20分の休憩がありました。
後半戦の後段演習の始まりです。
そして後半しょっぱなは
F-2戦闘機が登場!
爆音とともに真上を通過していきます(@@;
翼が見えにくいのは根元から雲が発生していました。
そして爆撃弾を一発おいていき凄い爆音が響きます。
あっという間に飛んでいってしまいました。
それにしても紹介のアナウンスにぴったり合わせて登場はどうやって上空で待っていたんだろう?
尾回転翼が特徴な川崎OH-1登場です。
これは宙返りをなど普通のヘリコプターでは不可能な動きを見せます。
1機20~25億円で、エンジン含め全て純国産でできています。
幅も1mと細身でテレビカメラ、赤外線暗視装置、レーザー距離儀と搭載し索敵する観測ヘリコプターと言われています。
目の前の急降下には見ている全員が驚きの声をあげましたよ。
お次はベル/富士のUH-1
1機10~15億円でH型では搭乗員2名と乗員11名を載せることもできるため、今回のようにバイクを2台を載せて登場です。
降りたと思ったら素早くバイクを下ろし離陸していきました。
2機のUH-1と雲がかかってしまった富士山
お次は陸自最大の輸送ヘリコプター、ボーイング・ヴァートル/川崎CH-47の登場です。
1機50~68億円、3149軸馬力×2基
着陸を向こうに見えるアパッチが援護射撃をしています。
降りてきて後ろのハッチを開けると・・・
なんとフロントガラスを折畳たんだ高機動車が出てきました(@@
なんと兵員が55名も搭乗できるとか(@@
ヘリからギリギリにトヨタ日野の高機動車(こうき)が出てくるシーン(TAB撮影)
87式偵察警戒車(RCV)
パンクしても走り続けられるコンバットタイヤ6輪で駆動し戦場で敵戦力の規模や種類を見極める威力偵察を行います。偵察機を装甲化したことに意味があるんだそうです。
小松製作所製造ですがエンジンはいすゞ製で305馬力、時速100キロで走行可能です。
もちろん攻撃も可能で25mm機関砲と7.62mm機銃を搭載しています。
標的に煙幕を投下したり
74式戦車も出てきて一斉攻撃を仕掛けます。
そして92式地雷原処理車の発射!(一輛2億6000万円)
これまた発射の瞬間を収められました!(^ー^Y
途中でバラバラになって一度の爆発で200m、幅5.5mの範囲を処理する爆撃とか
そして会場の脇にヘリ部隊が集結してきました。
会場でドンパチしている間(制圧を待っている)ずっとホバリングしています。
そして部隊全部会場に入ってきて一斉砲火の煙幕をはります。
多分この時事故が原因で一斉砲火が変更されたのではないでしょうか・・・
そして最後は砲弾での戦車などの制圧後ヘリ部隊が進撃していきました。
その時のヘリの編隊の動画がこちらです。(TAB撮影)
本当に迫力ありましたよ!
ということであっという間の2時間でした。
隣には少年が座っていましたが、子供の頃これを見たら絶対自衛隊に入団していたと思いますw
帰りは約30分歩いて民家に止めさせていただいた車を回収し、5時には家につきました。
するとカミさんと辺境伯さんから事故のことを知って心配してメッセージをいただきました。辺境伯さんご心配をおかけしました、ありがとうございました。
まだお時間がある方はこちらもご覧下さい。
射撃シーンのダイジェスト(参考)
前段練習のダイジェスト(参考)
夜間練習もあるそうです。(参考)
どういう人たちが見れるのでしょうか?
以上です。お付き合いくださいましてありがとうございました。