フロントブレーキパッド交換

ワタシは30セルシオのキャリパーですので、スバル車の多くのキャリパーとは若干違いますが、対向キャリパーの場合はあまり違いはありません。

まずは、留めピンの抜け止めである、「Ｒピン」を引き抜きます。留めピン1本に付き1本づつ差し込まれています。ＳＵＢＡＲＵ対向キャリパーの場合は長い針金状のもので、2本の留めピンをまたがって使用するかもしれませんね。
ワタシのキャリパーは留めピンはセンターに1本だけです。

Ｒピンを抜き、留めピンを抜きます。固着していて手前に抜くのは大変なので、反対側から細い棒を差し込んで押し出したほうがよいです。

留めピンを抜けば、同時に板バネも外れます。

留めピンが抜ければパッドを手前に引きだします。
しかし、ローターが削れて溝の中にパッドがはまっている状態ですと、そう簡単には手前に引き出せません。その場合、ローターの縁をかわすようにパッド（ピストン）を外へ押し戻す必要があります。ローター縁（1ｍｍ位の段差）とパッドのベース板との間にドライバーを差し込んで「こじる」様にパッドを外へ開いて、段差をかわし、パッドを引き出します。

この写真の位置まで半分くらい引き出したら、パッドを掴んでこじるように外へ開いて、ピストンを押し戻しておきます。このやり方であればピストン戻し機などは要りません。

外したパッド（左）はウインマックスのＺＥＲＯＳ。温まるとまるでヤスリがけしてるように効きます！これはサーキット用に温存しておきます。でももう山があまりありません・・・。
今回のパッド（右）もウインマックスのストリート用。中古品ですが、まだ当たりが出ていない程度の極上品です。
静岡の某社長から購入してます（笑）

留めピン用の穴のそばに溝がありますが、これはパッドの温度センサーがはまる溝なんです。さすがセルシオですね。だけどこの存在意義は無いに等しい（笑）
当然フォレスターにはそんなセンサーは付いてませんね。

新しいパッドのベース板裏には小指の先くらいの量の耐熱グリスを薄くまんべんなく塗っておきます。ホントに少しでいいです。
パッド交換初期はわずかに「ガタ」がありますから、ブレーキ鳴きを誘発しやすいんです。パッドが定着するまでの鳴き防止ですので、少しでいいのです。
それでも鳴き易いパッドは鳴きますけどね。

キャリパー内部です。ピンク矢印の部分はパッドのベース板がキャリパーと接していて、車両の減速Ｇをモロに受ける面です。ワタシはここの当たり具合はいつもチェックしています。ここにもし異物をはさんでいたりすると大変です。
ブレンボキャリパーはここにステンの板がボルト留めされていて交換可能になっていましたが（でもその部品だけの販売はしていない）、このキャリパーはブロックが直接受けるようになっています。

でもセルシオキャリパーはその分、パッドとキャリパーとの接触面が多く、パッドを抱きかかえるようになっているので、安心感と剛性感があるのです。

この図の赤線部分がパッドを支えている面です。
セルシオキャリパーは下側まで回っているので、パッド面積がちょっと小さくなってしまうのが玉にキズですが・・・。でも、純正キャリパーにしては良くできていると思いますし、ワタシはこういう考えが好きです。

ブレンボのときは激しい走りをすると、パッドがキャリパーの中で踊ってしまい、走行後はバックしたりするとパッドがキャリパー内で「カチンッ！カチンッ！」と回転運動して音が鳴っていたのが記憶にあります。
セルキャリはそういうことがありません。

ワタシはパッドを1枚づつ入れ替えます。
両方のパッドを外してしまうと、ピストンを両方同時に戻すのが大変だからです。

元に戻して完了！
板バネを入れるのを忘れずに・・・・。
Ｒピンは上から下へ刺さっている状態の向きにしたほうがよいでしょうね。まあ、いずれ留めピンが回転してしまうかもしれませんが。

最後に、走り出す前に必ずブレーキペダルを２～3回踏み込んでおいてください。それを忘れると・・・一発目のブレーキで

チョーーーーーーー　焦ります（笑）