ターボってヤツは、よく出来てるなァ!
そして車ってよく出来てるなァ!と思ったのでした。
今年の夏頃から、「EVC」や「アクチュエーター」「ブローオフ」を交換して、
ターボの仕組みが少しずつわかってきたのでブログしてみようと思いました。
以下は「ABARTH500 IHIタービン仕様」についてです^^;
そして、いろいろ弄ってみてわかったこととは大きく2つ。
① ターボ掛かり具合に抑揚をつけるとメリハリがつく
② ターボに限界がある
まず①ですが、これはどういうことかというと、
ブーストの掛かり具合をEVCで制御し、下図のように2つのパターンで設定した場合、
パターン2の方が勢いよくブーストがかかる。
低回転も、高回転もと欲張ってパターン1のようにすると、メリハリがなくて面白くないし、目標とするブースト圧に達しないこともある。
また、エンジン出力特性から、ブーストを抑える所で抑えてないと、制御できない所がある。
(横軸、回転数、縦軸、ブースト圧設定)
パターン1
↑↑↑↑↑
↑↑↑↑↑
↑↑↑↑↑
REV →→→→ LIMIT
パターン2
↑
↑ ↑↑
↑↑↑↑↑
REV →→→→ LIMIT
音楽のグラフィックイコライザー設定に近い感じで、
トータルでは「1」なんだけど、ひっこめたり、でっぱったりしたところがあると
音楽にメリハリがつくような。そんなの似てると思った。
抑揚付けすぎると、一気にブーストが上がりすぎてしまい、
制御困難になるので、やりすぎないように設定すると
「気持ちよく」加速できるようになる。
※EVCでは「エンジン回転数」(もしくは車速)と「アクセル開度」でブースト圧MAPを作るので、
単純にエンジン回転数だけで設定するわけじゃないんだけど、
説明のため端折っています・・・。
設定について、EVCがあればターボの性格を好みに変更可能。あと、オーバーシュートしなくなりました。
ちょっと蛇足。
【低回転ターボ】
3500〜4000回転のとき最大ブーストが掛かるようにする低回転ターボは、レスポンスが最高に良く、
出足や低速時の加速、それ程回さない環境において最大のパフォーマンスを発揮する。アクセルを踏んだ瞬時に80kpa(純正状態の最大ブースト圧)までかかり、スポーツモード時の最大トルク発生の3500回転付近で145kpaを叩き出す。
弱点は4000回転以降の加速が鈍いというか頭打ちで、140kpaをキープするが、面白いかどうかでいうとちょっと物足りない。
また、ノーマルモードだと4500回転付近が最大トルクかかる特性なので、ノーマルモードで低回転ターボだとレスポンス良すぎてブーストがかかりすぎてしまう。4000回転以上でアクセルベタ踏み状態でサージングを起こし、やたらブースト圧だけあがるが実際はパワーでてない状態になり、こうなってしまっては、負荷が掛かるだけで良いことはない。
【中回転ターボ】
5000回転で最大ブーストがかかるようにする中回転ターボは、レスポンスは鈍るが5000回転まで加速していく楽しさがある。
レスポンスが鈍るぶん、じっくり155kpaくらいまでサージングせずにターボが掛かる。
EVCで、エンジン特性のトルクカーブが下がるところでオフセットを上げて、回転あがるとどんどんブースト掛かるようにし、車両のもつ限界を探る。まさに現車合わせセッティング。
どこまでも(じっくり)加速する感覚がわりと高回転まで続くのが特徴。
中回転ターボが結構レスポンスが鈍るので、
高回転ターボのセットは作ってない。
作るとすると、5500回転で最大ブースト掛かるようにセットする感じになるかな?
ちょっと脱線しました。
ここから本題。
② ターボに限界がある
そして、②ですが、
『アバルトのIHIタービンに150kpaまでは、ターボ勢いあるけど、
それ以上圧力かけても頭打ちになる。』
ブースト圧かければ、かけるほどパワーアップするものと思っていましたが
「限界」があることに気がつきました。
(ホース抜けたとか、壊したとかそういうアレじゃなくて、スペック的に)
その限界とは、「タービンの大きさ」と「吸排気バランス」によって決まることがわかりました。
つまり、ブースト上げていくら空気吸い込んでも、
排気が追いつかなければ、空気吸えない。
空気吸えない状態→限界
そこで効率よく吸排気するために
「ハイカム」にしたり、
「触媒をアレ」したり、
「マフラー太くしたり(アバルト500は中間タイコもないので、あとは径を太くするくらいしか効率あがらないような・・・)」
ここまですると、150kpa以上も出せる、、、かもしれません。
吸排気の効率を上げたら、「燃料」を多く出すために
インジェクター・フュエルレギュレータ交換が必要になってくるので、整備費用が大変なことになるので、
「経済的限界」も考慮しないといけません。
↑のようにすると、「純正タービンの限界」まで使えることになります。
もちろん、パワーアップしたぶん、冷却系やブレーキ系、足回りの交換と、いいタイヤを履かないといけなくなるのは、言うまでもないですね。
私は「経済的限界」に既に達しているのでこれ以上のパワーアップはできません。^^;
以下、私の試行錯誤の努力の結果と後悔が入り混じった蛇足。( ;∀;)
いろいろ試してきた中で、
アバルト500においてライトチューニングを施すための最適なメニューをまとめてみました。
「できるだけ低コスト(今後の維持費含む)でパワーアップのおすすめ」方法。
※純正からの変更
・レコモン装着
・RaceChip Ultimate 利用
おすすめ理由『燃費が一割向上し、パワーは30%近くもアップ!導入コストも比較的低くて、費用対効果がMAXでいいことずくめ』
ちなみに、私はRaceChip Proと、G-TECHのサブコンを試しました。
RaceChipの方が過激なのでお勧めしたいです。
ただし、サブコンはあくまでコンピュータの中にある燃調マップの範囲内でしかパワーアップできません。
純正のもつポテンシャルを最大に引き出すのがサブコンです。
少し物足りないかもしれません。
キノコやマフラー交換などを行うと、マップからはみ出てエラーがでます。
セッティングを変えてエラーがでた場合にエラーを消すため、診断機を用意するのをお勧めします。

CreaderⅥ
(スロコンも試しましたが、こちらは燃費が下がるので、個人的にはあまりお勧めできません。)
「安心でおすすめのお手軽パワーアップ」方法。
※純正からの変更
・レコモン装着
・社外コンピュータ(書き換えタイプ)利用
おすすめ理由『純正ベースで調整されているので他の補記類の強化も必要としないチューニングの中で最もパワーアップ効果が大きい。エラーも出ないので安心してパワーアップが楽しめる』
アバルトの吊るしコンピュータは、どこのお店も13万円以上、20万円近いものもある。
私は300のコンピュータを使っていて、こちらお勧めです。
メーカーによると、135psから192psまでパワーアップするのだとか。
確かにRaceChipProよりパワーがでているのが体感できます。
ただし、その代償で燃費が純正比で一割ダウン。
ターボのセッティングは安全第一設定となっていて、オーバーシュート142kpa、120〜110kpa安定ブーストとなっていました。
◼︎ちょっと後悔しているチューニング
・強化ブローオフバルブ
・強化アクチュエータ
・EVC
理由は、吸排気がキノコとレコモン程度しか弄ってない車両では、ブースト圧限界が140kpa〜150kpaなので、これだと吊るしコンピュータでも近い値を達成できるし、
実際走ってみると吊るしコンピュータの車両と比べても速さにほとんど差がない。
ステージによってはサブコンとも差がない。
現車合わせセッティングを行うと燃料、交通費が多大に掛かる( ;∀;)
さらなるパワーアップには、エンジンチューニングを行わないといけないので敷居が高い。
触媒レス、あるいはスポーツ触媒を導入し、ワンオフでストレートなマフラーを作って交換するという高コスト。それに見合う効果はあるか?
なにより、純正で180psのギャレットタービン装着の現行のアバルトがいるので、
コンピュータ交換以上のお金かけちゃうと、アバルト乗り換えちゃったほうが、、、。
この車にはお金かけないようにしてたのに、
EVCを導入した夏からやたらお金がかかっていてだいぶ厳しい。
コンピュータでとめとけば良かった( ;∀;)
しかしターボ車について勉強になりました。
お高い授業料ですが。。。
やっぱりやってみないと、わかんないですもんね。