
過去に例がないような大型連休の真っ最中、New Hokkaido GT Seriesの第1戦が行われた。いよいよシーズン開幕である。
今回は連休中ということもあり、前泊と後泊の2泊3日の日程で十勝入りをした。夫婦二人、ちょっとした旅行気分である。前日から天気も良く、絶好のコンディションとなった。
しかし、長いことNHGTを走っているけれど、開幕戦というのはあまり芳しい結果になったことがない。そんなこともあって、気負わずいこうと心に決めていたが、当日になっていつも以上に自分が緊張していることに気付いた。
久しぶりにTS(十勝スピードウェイ)に着くと、いつもの顔ぶれで気分的にもリラックスできる。
ピットを探していると・・・・事前の情報で予想はしていたが、このクルマが!
私とまったく同じ156の2.5V6!しかもMARTINIカラー!
以前NHGTもよく走っていたOさんだった。
よくぞこのクルマでエントリーしてくれました!
急ピッチで仕上げたらしく、まだ分からないこともあるとのことだったので、
「トラブルがあったらお役に立てると思いますよ」と伝えておいた。
ピットはOさんとご一緒させていただくことに。
サーキット用にカラーリングされた156が2台・・・イイ眺めである。
ちなみにMARTINI156のほうはシマさんとmininoriさんがピットクルーという贅沢な布陣!
今回はOさんと私がEURO2、そしてもう一台、こちらもNHGTの大ベテランのCさんがロータスでEURO1にエントリー。
どぅーさんが道外に異動となり、good-eyeさんがまだ間に合わない中でEUROクラスが3台というのは明るい兆しと思える。
【フリー走行・予選】
前日入りしていることもあり、当日は時間的に余裕があったので、ドライバーズミーティングの前に1本走っておくことに。
今シーズン初走行である。
まずやるべきことはクルマと人間のチェックである。
どちらも「そこそこのペース」で走らないとチェックできないので、徐々にペースを上げる。
ところが、早くもクルマのほうに異変が・・・。
5コーナー出口、強いGがかかったところで急にトルクがなくなり
チェックランプ点灯。
Oさんに「トラブルがあったら・・・」などと調子のいいことを言っておきながら
まさか自分のクルマにトラブル発生とは・・・。
恐らくエアフロかインジェクター周辺と思われるので
一旦ピットに戻り各部の点検。
見立ては正しかったらしく、その後は終日この症状が出ることはなかった。
それでも一応の全開走行ができ、ベストの1.5秒落ちならまずまずといったところ。
ただ、気になる問題もあった。
シートである。
今回フルバケを変更したが、これが思いのほか難しい。
まずシートの中で腰回りが遊んでしまう。
これはシートのサイズ(これまでのTSシリーズより、今回のSP-Gのほうがサイズ的に大きい)の問題と、自身の軽量化(-16㎏)が原因。
以前、GTVにこのSP-Gレザーを装着してクラブマンコースを走ったことがあったが、そのときは何も問題がなかった。
ところが今回はブレーキングでは前に滑るし、
コーナーでは横に腰が振られる。
懸案だった高さの問題(ヘルメットがロールケージに当たってしまう)は
ほとんど気にならなかったとはいえ、シートは新たな課題となってしまった。
その後、ドラミを終えフリー走行へ。
気温はドンドン上昇し、25℃くらいまで上がっていた。
フリー走行1本目から予選までの3本、順調に周回を重ねてはいったものの、
結果的には朝の今季初走行のタイムを上回ることはできなかった。
予選タイムがいちばんよかったが、それでも朝のタイムに届かず
ベストの1.7秒落ちというなんとも残念なもの。
ここでふと思ったのだけれど、これまでならコース入り前から多少の緊張があったにせよ、1本走ればもう大丈夫なのが普通だった。
ところが今回はどういうわけか、何かスッキリしない。
一定の緊張感みたいなものが抜けないのである。
その証拠に朝の1本目でも、気が付けばドライビングシューズに履き替えるのを忘れていたり、決勝でも車載ビデオのスイッチを入れ忘れたり。
何かこう・・・いつもは普通にできていたことができない。
自分の中で上手く「回っていない」感じがした。
【決 勝】
とはいえレースをしにきているわけで、そこは楽しみたいところ。
予選タイムはダメダメだったが決勝は順位である。
というわけで「いざ、出陣!」である。
無事に帰ることを誓いつつ、決勝のグリッドに並ぶ。
8番グリッドには家内が誘導してくれた。
思えば決勝のグリッドで家内を見るのはいつ以来だろうか。
やはりありがたいものである。
good-eyeさんご夫婦の応援もいただき、スタート!
昨年からTSではスタートのシグナルが変更となった。
それまでのレッド→グリーンではなく、レッド→消灯でスタートとなった。
ところが今回、レッド点灯がやたらと長かった!
(これは恐らくTS側のミスと思われる)
「???」と思っているうちにレッド消灯、すっかりスタートのタイミングを外してしまった。
普通こういう場合、後ろからドンドン抜かれてしまうのだが、
後方のドライバーも同じだったらしく、そのままの順位で1コーナーへ。
しかし3コーナーでシンシアBRZのMさんに先行を許してしまう。
予選タイムが接近しているMさんのようなドライバーを抜くのは難しい。
まずは接近してプレッシャーを・・・と思うものの、
なかなかチャンスが見つからない。
「Mさん、乗れてますね・・・」などと思いながら勝機を伺う。
3周目から4周目にかけて、1コーナーの進入で横に並び、
続く2コーナーの出口で先行することに成功。
イン側を1台分スペースを空けてくれた
Mさんのクリーンな走りに感謝である。
その後は前を走るRX-8のW選手を追いかけるが
追いつくには至らなかった。
結局予選順位のままフィニッシュ。
決勝まではどうもチグハグだったけれど、無事に終えることができた。
家内と二人、宿に戻った。
駐車場にクルマを入れようとしたところで電話が入った。
聞きなれたカン高い声・・・
「Hataさ~ん!計測器~!」
本部に返却するのを忘れていた。
やっぱり今回のレースは、最後まで歯車がかみ合っていなかったことを痛感。
計測器を返却したあと、夕暮れのパドックで撮影。
原因は色々と考えられるが、今日はこの辺で・・・・。