タクシー運転手という仕事：備忘録⑤

あれは…もうかなり前になるかもしれない。

深夜、流し営業をしていて手が挙がった…。

季節は夏…赤いTシャツの比較的若い男性だった。

私はスーッと男性の横に車を停め、ドアを開けてそのお客様を乗せた。

私
『こんばんは、どちらに参りますか？』

若い男性
『新宿…。歌舞伎町…。』

私
『はい、かしこまりました…。』



新宿…眠らない街、新宿歌舞伎町…。


私は普段あまり営業しない場所なのだが、その日たまたまお乗せしたそのお客様が、ぶっきらぼうに指示した目的地がそこだった。

男性は携帯で誰かと電話していた。
そのTシャツの袖からは、年季の入った立派な彫り物が見えていた。

それは若い人がする様ないわゆるファッションタトゥー等では無く、その筋の人が入れる様なタイプの紋々だった…。

いつもなら、だからどうこうとは全く思わないのだが、その日はちょっと違っていた…。


それは会話の内容のせいだった…。


男性
『…そんで武器は揃ったのかよ…？』

⁉︎😳

…なんか物騒な会話だな…出入りか？😨

私は会話を聴くつもりは無かったのだが、狭い空間なのでどうしても聴こえてしまう。

男性
『うん…うん…。』

…具体的な話は相手の話が聴こえないので分からないが、どうも思う様に武器が揃わない様だった。

そうこうするうちに、目的地が近づいてきた。

男性
『…運ちゃん、そこでいいよ…。』

私
『はい…。』

男性
『…それで、あれは手に入ったのかよ？あれは？』


男性は目的地に着くまでずっと相手と携帯で会話をしていた…。


そして私が車を寄せて停める時に、その男性は電話の相手にこう言ったのだ…。











『…エクスカリバーとか…。』









…😨









…なんだ…ゲームの話か…。







…疲れた…🫠





そう、私はタクシードライバー✨🚕
直接誰かの役に立つ仕事。
そんな仕事が割と好きだ。
そして今日も都内でハンドルを握っている…。
✋🤢
『はい、こんばんは…どちらまで…😨ｵｲｵｲ…』


文：コーコダディ
画：AI描画アプリ

⚠️内容の無断利用は固くお断り致します🙇