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松本零士先生に、哀悼の意を表して…
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あれは、確か私が中学2年生の時だったと記憶している…。
同じクラスの、今で言うオタク寄りの友人何人かが集まって何かの鉛筆画を見せ合っていた。
覗いてみると、どうやらそれはTVアニメ宇宙戦艦ヤマトに出てくる、敵のガミラス艦隊の艦の様だった。
記憶が定かではないが、その時再放送していたのかもしれない。
しかし…何かちょっと違う…。
砲塔が多過ぎるのだ。
『こんなデザインのガミラス艦あったか??』
話を聞いてみると、彼らのオリジナルデザインのガミラス艦だった…。
『俺の巡洋艦は砲塔が30門ある…。』
『俺のは空母だが砲塔が30門ある。艦載機は100機だ…。』
…と言った具合に、火力自慢だった。
絵画の腕には多少覚えがあった私は、その火力自慢に参加してみる事にした。
放課後、家に帰った私は鉛筆でガミラス艦を描いた。砲塔の数を数えながら…。
『30…40…50…。』
そして次の日。
彼らが集まっている所に行ってみると、また昨日とは違う新しいガミラス艦を自慢していた。
私は昨日描いたガミラス艦を持ってそこに参加しようとして話し声を聞いて驚いた。
『俺の戦艦は砲塔が70門ある…。』
やばい、数で負けている…。
急いで自分の机に戻ると、鉛筆で空いたスペースに砲塔を描き足した。
そして参加した。
『…俺の戦艦は100門ある。』
『❕…。』
…勝った。…。
…しかし何か不毛さを感じた私は、次に火力ではなくデザインを重視したガミラス艦を描いてみる事にした。
そして次の日その絵を持って彼らの元にそれを持って参加した。
『俺の戦艦は砲塔が50門しか無いんだけど…デザインを重視して描いてみたんだ…。』
『ふーん…。』
私の絵を見た友人は、ニヤニヤしながら自分の絵を私に見せてきた。
そこには…。
フジツボの様にびっしりと砲塔に埋め尽くされたガミラス艦が描かれていた…。
文:コーコダディ
画:AI描画アプリ(STAR BLAZERS The Quest for Iscandar)
Posted at 2023/02/21 04:14:20 | |
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