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タツ1016のブログ一覧

2022年10月21日 イイね!

小悪魔外伝👿💧 ~異形~

小悪魔外伝👿💧 ~異形~

「うあああああああーーーーーーーーーーーーー‼」




砂防ダム下の水溜まりから大声を張り上げながら飛び出した俺は一目散に沢の下流に向かって走り出した…



相変わらず硫黄のような匂いが鼻をつく。



少し走った所でどうしても気になり止まって後ろを振り返った。



目を大きく見開きハアハアと肩で息をしながら後ろの砂防ダムを見上げた…(;゚Д゚)


眩しい程の日差しが差し込む水溜まりのキラキラした反射が砂防ダムの壁に幾つものウネウネとした陽だまりを作っていた。


見上げる俺の視界の端に黒いものが映った。



俺は目を凝らし見つめた…



砂防ダムの上…  左端の方…



黒いものが置いてある。



「ししまい⁉(獅子舞)……」


黒いシーサーのような顔に真っ白いたてがみ。


ただ砂防ダムの上にペタンと置かれている様だった。



「誰⁇」


無音状態の恐怖の中俺は震える声で尋ねた…


誰かのいたずらかと思ったのだ。


体の部分は見えない、真っ黒な顔に大きな目玉…剥きだした歯は金色で笑っているようにも見えた。


まるで金縛りにかかったような異様な空間の中で数秒間俺は謎の黒い獅子舞と見つめあった。


「プシュッ」


炭酸が抜けるような缶ビールの蓋を開けたような音とともに獅子舞はゆっくりと顔をこっちに向けた…


「い…生きてる⁉」


とたんに耳をつんざく周りの轟音‼((+_+))



「うわわわわわーー」



俺は思わず耳を塞ぎ身をかがめた。



だがそれは今までの無音状態から解放されずっと聞こえなかった風の音や沢の音蝉の鳴き声だと気づいて我に返った……(゜.゜)〈放心状態



「あっ‼ししまいは…??」



砂防ダムの上を見上げるともうどこにもその姿は無かった…



(こっちに来る⁉)( ;∀;)



俺は恐怖に震える足で立ち上がり水の入ったスニーカーをグシュグシュ言わせながら命がけで沢を下り走った。


もう悲鳴を上げる余裕もなく、これが夢なら覚めてくれと願いながら走った。



足元はまだ濃い霧のようなものが立ち込めていて良く見えないが構わず俺は走り続けた。


足場の悪い沢を全速力で下っていた俺はさっきから何度もこけそうになっていた。



それは岩の上を走るたびに何かを踏んで滑るのが原因だった。


そしてとうとう…




「ズリィィィィーーーーーガツン❕」




もう足の回転が限界なのと大きな岩の上で何かを踏み右足を大きく滑らせたことで俺は派手にスッ転んだ。




「痛ったああああ----!!」(´Д⊂ヽ


ゴロゴロと2回転程回り岩の下に投げ出された。


白い体操服をドロドロにしながら俺はしたたかにぶつけた右ひざを右手で押さえた。


指の隙間からは血がにじんでいた…


傷口がズキズキと痛んだ(:_;)



(今はそんなことより逃げなアカン!)


再び立ち上がろうとした時に霧のようなものが立ち込めるその下に何かがいるのに気づいた。



(何かいっぱい動いとる…)



そこで俺が目にしたものは無数の沢蟹だった。



今まで見たこともない体が黒くてハサミと足が異様に赤い沢蟹がウヨウヨとうごめいていた(基本的にこの辺の沢蟹は全体的に朱色)



(さっきから踏んでたのこれか…!汗)



転んですぐに立ち上がれない俺を取り囲むように異形の沢蟹はワサワサと動いていた…



(とにかく逃げなアカン)





そう思ったその時…



「プシュッ」



(またあの音や…)




周りを見渡す。




(けどアイツおらん…)




また硫黄のような匂いが濃くなった…   その時 
 




「プ・・・・・・」
 




(ん⁉)(´・ω・)








「プ・プ…ワッハッハーーーーーーーーーーーー‼」







頭上すぐ上の辺りから突然大きな笑い声が響き渡り谷間中にこだました。









(こ、これさっきの俺の笑い声やん⁉)







現実か夢かわからないような世界の中俺は混乱した…







ただ自分の意志とは別に股間からあふれ出る生暖かいものがこれは現実だよと物語っていた……























小悪魔外伝 ~間(はざま)~に続く
















Posted at 2022/10/21 09:41:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔スピンオフ | 日記
2022年10月07日 イイね!

小悪魔外伝👿💧 ~「恐怖の楽園」~

小悪魔外伝👿💧 ~「恐怖の楽園」~小学1年の頃から家の周りの草原や空き地で虫取りをしていた少年は歳をとるごとにその行動範囲を広げ、2年生の頃にはすでに近くの野山は制覇し、3年生ともなると川の源流を辿ることに興味をもち、4年生になる頃には誰も知らない山中の洞窟を発見し町内でもちょっとした有名人になっていた...


そんなときに発見した「秘密の楽園」


もちろんオカンや大人達は「行ったらダメ! (# ゚Д゚)〈アカンでーー‼」


と口うるさく言っていたがそんなことを聞くような俺ではないのである。


「秘密の楽園」は沢伝いに獣道を抜けると広がる秘境のような美しい場所でクヌギやコナラなどの木々が生い茂り細い沢を覆いつくしていた。


足元には澄んだ沢の水が岩の間をチョロチョロと流れ頭上を見上げれば切り立った深い谷の淵に青空が見える…


そして正面を見れば石を組み上げてできた古くて大きな砂防ダムがあった。苔でむした砂防ダムは周りの緑に溶け込み当時の俺にはまるで絵画のように見えた。


砂防ダムの向こうには水辺は無く森林になっており沢の源流は砂防ダムの中を通って流れているようであった。砂防ダムの下には澄んだきれいな水溜まりができていた。


水溜まりに木漏れ日があたりキラキラと周りの木々に反射している…


ただいつもと違うのは異様に静かなのと生き物の気配がしないこと。


それと硫黄のような匂いがすること。


俺は気にしない事にして試しにいつもクワガタが採れる大きなコナラの木を蹴ってみた。


「ドン!」


軽めに一発…  


低めの所にいるヤツならこれで落ちてくる。


木の上の方から「カサッ…カサッ…」


これは落ち葉と木の実が落ちてくる音。


(何もいない?じゃあ… )



「ドン!ドン!ドスン‼」


強めの連発…


木の上から「ーーーザザザザーーーーーーーバサッーーーーバサッ」


「何⁉何⁉」Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)


コナラの木に片手をついた状態で上を見上げてた俺は真上から黒くて大きな物が落ちてきたのに気づいたが余りにもとっさの事で避けようが無かった。


「ドッスーーーーーーーーン‼」



「ギャアアアアアアーーーー‼」(+o+)



俺の背中に当たりバウンドした。一瞬息ができなくなるほどの衝撃だった…


「うううっ……」


背中をおさえながら振り返ると大きなシマヘビが草の間でのたうっていた。


(痛った~~~ 汗 なんやシマヘビかいや… 木の上でカエルでも狙っとったんかな?…それにしてもツイてないにもほどがあるで…)(;'∀')〈ううっ…


シマヘビは幾度かのたうったあと、滑るように山の斜面に消えて行った…


「はぁ~~~」(ため息)


「ん?」(;´・ω・)


ふと気づくと視界はハッキリとしていて臭い匂いも消えていた。


谷の合間から吹き抜ける一陣の風がボーッと立ち尽くしていた俺を吹き抜けていった。


俺は砂防ダムの方に目を向けた。


(今日はクワガタはヤメや。カエルか蟹を捕まえよう…)


(時間的にはまだ4時頃やなぁ…まだもうちょい遊べるで…)


懲りない俺はまだ日の高い空を見上げながら残りの時間で何か収穫を得たいと考えていた。


砂防ダムの下には大きな岩が抉れてできた澄んだ水溜まりがあり、そこが秘密の楽園の行き止まりとなっていた。流れてくる水は砂防ダムの表面の苔を伝って落ちてくる水滴と、ダムの下から湧き水のように流れ出る水流によって夏でも冷たく澄んだ美しい水溜まりとなり幻想的な雰囲気を醸し出していた。


そーーっと足音を忍ばせて砂防ダムの下へと近づいていく…


キラキラ光る水溜まりの表面をクルクルと回りながら泳いでるミズスマシとその上をハグロトンボがフワフワと飛んでいるのが目に入る…   その時…


「キュッ!」(ピョン)
 


「チャポン‼」



一声上げた小さなカエルが岩の淵から水溜まりに飛び込んだ。


(おったぁ~~~‼)(゚д゚)!


一瞬だがこの辺では非常にレアな「カジカガエル」に見えた(あとレアなのは「モリアオガエル」)


カエルは深さ50㎝くらいの澄んだ水溜まりの中に素早く潜り石の下に身を潜めた…


(初めて見たで!あれはアカ(ガエル)やない!絶対捕まえな!そこの石の下におるはず‼)(≧◇≦)


カエルに続いて俺もすかさず水溜まりに飛び込んだ(靴履いたまま)



「ジャボーーン❕」(つ、冷たぁぁぁ~~)(;´Д`)



捕まえても入れ物が靴下以外無いのも忘れて俺は右腕の裾を濡らしつつ必死でカエルが逃げ込んだ石の下に手を突っ込んだ。


(あれ~~⁉ 行き止まりやのにカエルおらへん…)


手を突っ込んだ石の下はすぐ行き止まりになっていた。


(違う石の下に逃げたかな⁉)


俺はその近くにある石の下にも手を入れ、動かせる石は除けたりしながら探した。


半袖の両脇まで水に濡らしながらもあっちこっち探したがどうも見つからない…


気がつけば水をかき回したせいで水溜まりが茶色く濁り何も見えなくなっていた。



(ちょっと水が澄むまで待ってみよう…  )(・・;)



(・・・・・・・・・・・・)




(・・・・・・??)





(・・・・・・音せえへん・・・・・・)



意識はしてなかったが気が付けば無音状態… … なにこれ?… …



まるで時が止まったかのような感じ。



俺は辺りを見渡した。



ハァ ハァと聞こえるのはどうやら俺の呼吸の音らしい…



「あーーー、あーーーーー」



不思議に思い俺は声を出してみた…




無音の中俺の声だけが響く。



まるで誰かに耳を塞がれているようだ…



静か…とかいうレベルじゃない。聞こえるのは俺の吐息と心臓の鼓動だけ…



おれは本能でじっとして周りの気配をうかがったが無音以外何も変わった様子はない。



(俺の耳おかしくなったんかな⁉)(ーー;)




足で水をかき回してみた…




「ジャバ ジャバ」





(聞こえる…)




どこからともなくまた硫黄のような匂いが漂ってきた…






ここで俺は初めて言いようのない恐怖に駆られた…







「うあああああああーーーーーーーーーーーーー❕」








恐怖のあまりありったけの声を張り上げ俺は水溜まりから飛び出した…












ここからが本当の恐怖の始まりだった。




















小悪魔外伝 ~異形~に続く












Posted at 2022/10/07 09:54:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔スピンオフ | 日記
2022年09月27日 イイね!

小悪魔外伝👿💧  ~異変~

小悪魔外伝👿💧  ~異変~山の谷間へと続く小道は車が1台通れるくらいの狭くくねった道で下に見える川沿いに畑と古い民家があり、反対側は切り立った山の斜面になっていた。


そこを越えると険しい獣道に入る。


ここからは民家もなく人気もない…


チョロチョロと水が流れる沢伝いの獣道を小走りで登っていく…


その時に何となく山全体が霞んでいるような、色が薄くなっている事に気が付いた。


構わず俺は登り続けた。



途中にはお気に入りの湧き水スポットがある。



ちょうどのどが渇いていた俺は岩の間から流れ出る湧き水に口をつけた。



「⁉」



(ぬるい… マズい… ;´Д`)



(あれ~~⁉いつもは冷たくて美味しい湧き水出てたのに…)




俺はジュースを持たずにここへ来たことを少し後悔した。



しかし目的地は目と鼻の先。



相変わらず霞んでいる⁉風景と生暖かい風の中を俺は進んで行った。



そしてやっと目的地「秘密の楽園」に到着した。



でも何かおかしい。静かだ…




いつもなら密集した木々の間からハチやカナブンの羽音がするはず…







蝶も舞っていないし…  セミも鳴いてない…  鳥たちの声もしない…  












それよりも







 




なにこの「硫黄」のような匂いは (。-`ω-)〈くっさー













この時俺はまだこれが何の匂いかわからなかった...
















小悪魔外伝 ~「恐怖の楽園」~に続く









Posted at 2022/09/30 09:22:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔スピンオフ | 日記
2022年09月21日 イイね!

小悪魔外伝👿💧  ~きっかけ~

小悪魔外伝👿💧  ~きっかけ~
誰にも邪魔されない自分一人だけの「秘密の楽園」


澄んだ小川のせせらぎには沢蟹が戯れ、見上げた木々の木漏れ日の間にはオオムラサキが舞う…


人気のない山奥の谷間で日が暮れるまで夢中で遊んでいた俺はもうその時には山に魅入られていたのかも知れない。



51歳のおっさんになった今、一人であの場所に行けと言われたら金をもらっても行きたくないわ〜(汗)っつーかムリ… (未だに夢に見るよ…;´Д`)


まぁ そういう場所である。



時期は小4の夏休みが始まる前、七月の半ばくらいだったと思う。


小学校指定の白地に青い線が入った体操服上下(半袖半ズボン)に白い靴下そして履き古して茶色くなった白のスニーカー。


当時の俺はいつも同じカッコをしていた(^^)


家の外を走り抜けいつものように山へ向かう。


何故かガキの頃はいつも走ってた。


「タッちゃん!えらい勢いやなぁ~ どこ行くんや~~?笑」


コロちゃんのおっちゃんが開けっ放しの玄関ドアから顔を出し走り去る俺に声をかけた(コロちゃんは散歩と間違えてグルグル回ってたヾ(≧▽≦)ノ)



「水源地に虫取りーーーーーー!!」(タッタッタッタッ)

(行き先は水源地ではないのだが、正直に言うと怒られるので俺は嘘をついた)



「気ぃつけてな~~!! あ、タッちゃん!虫かごは~~~?」





「いらんねんーーー!」(タッタッタッ)






俺くらいの玄人(笑)になると虫取り用の網や虫かご、お腹が空いた時のお菓子や飲み物などは一切要らなかった(日曜日とか友達が一緒の時は持って行った)


そのわけは...



〈捕虫網〉 蝶やセミなどには必要だがこの頃になると目的はクワガタ類や甲虫となるので基本的に網は持たない。クワガタ取りは主に木を蹴ると落ちてくるのを拾うか木に登り採る。


〈虫かご〉 くつ下が虫かご(クワガタ類はくつ下に入れると土の中にいるのと勘違いして大人しくなる。窒息死もしない。履いているくつ下を脱いで使用 笑)


〈お菓子類〉 当時の俺は山に生るアケビやザクロ、野イチゴやコクワ落ちているしいの実などがある場所を把握し、自分だけのおやつとして食べていた(食べて苦い時はだいたい虫が入ってる(´;ω;`)ウッ…)


〈飲料〉 湧水あるよ~~~!夏でも冷たい(^_^) 友達はビビって飲まんかったけどね^^;



川沿いの狭い舗装路を登っていくと川を渡る古びた大きな橋があり、その下をくぐると世界が変わるような気がした。空気が変わるような…


谷間に続く道の頭上には木々が生い茂り昼間でも暗い木漏れ日のトンネルを一人小走りで登っていく。


「あっ!」


暗い木漏れ日のトンネルを抜けて少し開けた右手の山の斜面には太くて立派なクヌギの木があった。


そこに黒いものが張り付いてるのが走っていた俺の目に入り、瞬間的に急ブレーキをかけた。


「おっとっとっと… … ‼」


止まってよく見るとそれは大型で立派なアゴを持つ「通称 水牛(ノコギリクワガタ)」だった。


(ラッキー‼ツイてる‼めっちゃデカいやん)


地上約2mくらいの高さにまるで昆虫標本のように木にくっついていた。


ヤツはどうやら木から出る樹液を夢中で吸っているようである。



俺は静かに近づきその木を見上げた…


(手が届かんなぁ… けど…  ̄ー ̄)ニヤリ


その木の下にあるのは高さ1mくらいの立派な三角屋根の祠だった…


いつも見慣れてる古びた祠…


そう、そこには登ってくださいと言わんばかりの大きな祠が祀られていたのである(扉は閉まっている)



(よっしゃー‼めっちゃラッキー!足場『祠』もあるでーー≧◇≦)



みなさんお気づきのようにこれでもうフラグが立ってますわな~見事に 笑



俺はその祠によじ登り無事に屋根の部分に到達し、しゃがんだ状態から立ち上がりクワガタに手を伸ばした...


「ガシッ」(採ったど~~~)ヽ(^o^)丿


右手でクワガタを掴み木の幹から引きはがした瞬間俺はバランスを崩した。


「うわっ」Σ(゚Д゚)


「バキッ‼ズボッ‼」


右足が祠の屋根を突き破り膝下まで内部に貫通した。


「痛ったぁーーーーーーー」(;O;)


と、声を上げたと同時に



「ゴットン❕」



大きくて黒いものが祠から飛び出て山道に転がった。



それはよく見ると「お地蔵さん」だった。



俺は右足を祠の屋根に貫通させたまましばらく振り返り見下ろしていた…


(なんや、地蔵か、 びっくりさせんなや… ー_ー)



やけに黒くて不気味なお地蔵さんを俺は祠から蹴り出してしまったのである。


「痛たた…」


擦り傷だらけの右足を屋根に空いた穴から引き出した。どうやら出血は無いようである。右足には幾筋もの白いひっかき傷がついていた。


気にせず俺は態勢を整え慎重に祠から下に降りた。


(お地蔵さん割れてたらどないしょう^^;)


周りを見渡し誰もいないのを確認して道路に倒れているお地蔵さんを起こしてみた…


お地蔵さんは7~80㎝程で赤い前掛けをしていて頭にも赤い帽子を被っていたようだが祠から落ちた衝撃で取れて道で裏返っていた。


古くて元々あちこち欠けていたようで俺が蹴り落した衝撃での大きな損傷は無いように見えホッと胸をなでおろした(;'∀')ホッ


お地蔵さんの顔は優しく微笑んでいて俺は小さく「ごめんなさい(..)」と呟いた。


「よいしょ」


俺は力を振り絞りお地蔵さんを持ち上げ元の祠に納めてブランブランになった祠の扉を優しく閉めた。


屋根を蹴破ったからか分からないが祠は少し内側に傾いてるようだった。


(あ、お地蔵さんの帽子も入れんと)



と思い傍らに落ちていた赤い帽子を拾い上げ土をはらい祠の扉を開けようとした瞬間…


「ギーーーー」


と勝手に片側の扉が開き中のお地蔵さんが見えた。


「うわっ」


思わず後ずさった。



真っ黒い顔が怒ってた…  ように見えた…



何故だかムカッときた俺は乱暴に赤い帽子をお地蔵さんに被せ




「ごめんて言うたやろ!」(゚Д゚;)←逆ギレ



一言浴びせた。



そして気がつけば捕まえたクワガタの姿はどこにも無かったことが俺の怒りを増幅させた(# ゚Д゚)ムキー



「おまえのせいで水牛逃げたやんけ‼」(゚Д゚;)←言いがかり 


「こうしてやるわ‼」


俺はお地蔵さんにかぶせた帽子をはぎ取り、薄く平らに整えてやや斜めに傾けてお地蔵さんの片目が隠れるようにしてかぶせなおした…



「プ・プ…ワッハッハーーー!! ジュリーやんけーーーーーヾ(≧▽≦)ノ」(沢田研二のことね)



俺は一人爆笑した。




「ジュリ蔵さんやーーー 笑笑」



俺の笑い声が山にこだました… ヾ(≧▽≦)ノ




「はぁ~ おもろかったから許したるわ~~~(^◇^)」






(今度友達にも見せたろ~)







そう思いながらセミの大合唱が響き渡る山の谷間を俺は再び走り始めた…

















これが事件の発端(きっかけ)となることをつゆ知らずに… 

















小悪魔外伝 〜異変〜に続く





Posted at 2022/09/23 18:18:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔スピンオフ | 日記
2022年09月08日 イイね!

小悪魔外伝👿💧 ~野生児だった頃の不思議な記憶~😱

小悪魔外伝👿💧 ~野生児だった頃の不思議な記憶~😱「小悪魔の懺悔」👿💧




制作中に思い出した話がある…



誰にでも子供の頃の不思議な体験や、不可解な出来事なんかはあると思う…




これはブログに上げると頭がおかしいと思われそうで躊躇していたのだがもう時効と思われるのでここに書き記しておこうと思う(;^ω^)←おまえ元々おかしいやろ!っていうのは無しの方向で(´・ω・`)




小悪魔時代はちょうど小学3~4年生の9〜10歳の頃で作中にも書いたが神戸市内の山育ちの俺はほぼ毎日のように野山を駆け回っていた野生児だった。友達が少ないのでたった一人で('ω')



小学校の夏休みのプリントに「校区外、絶対に行くな!」と書かれていた曰く付き!?の場所が俺のお気に入りの遊び場であり俺のホームグランドだった(あとは墓場と神社と寺 ^_^;)




家から川沿いに山に向かい30分程歩き鬱蒼とした森の奥には澄んだ小川が流れ周囲には畑を持つ民家がポツポツとあり人気のない山の奥で俺はいつも日が落ちるまで一人夢中になって虫やカエルを探していた。



友達が少ない俺にはその場所がまさに「秘密の楽園」だったのである。





その日も学校が終わって家に帰ってすぐ家の玄関にランドセルを放り投げ母親に「オカン、遊びに行ってくるわ~(≧◇≦)」というや否やそのまま「秘密の楽園」へ一目散に駆け出して行ったある日のこと…













その日は俺にとって生涯忘れられない一日となるとは思いもせずに…















小悪魔外伝 ~「きっかけ」~に続く







Posted at 2022/09/19 21:13:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔スピンオフ | 日記

プロフィール

タツ1016です。函館市在住の53歳。バイクと車をこよなく愛する昭和な男です。独りよがりのくだらない日々の雑感や昔の思い出なんかを気が向いたら書き綴っていこうと...
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