自動車が誕生して普及して、そろそろ飽和してきたかの観も有った昨今、世界の人口の3分の1を占める中国・インドなどNIESの国々でモーターリゼーションが始まろうとしています。自動車先進地域(日本や欧米など)ではいかに付加価値を付けた車を開発するかで各メーカーがやっきになっている内に、いかに安く実用的な車を作るかという新たな命題に直面してしまいました。更に、新に原油需要が増えた為に燃料枯渇問題、新たに排出ガスが増えた為に環境問題というメーカーからすればお金になりにくい諸問題を克服しなくてはならなくなりました。そんな中でトヨタがプリウスを世界に先駆けて発売し現在一定の地歩を占めている事は記憶に新しい事です。しかし実際の所、最も自動車購買意欲の高いNIES諸国内で先進諸国内で占めている地位と同等の地位が得られている訳では有りません。環境問題とか燃料枯渇問題にさほど注意を払わず、現地の安い労働力で開発され、作製された自動車と価格の上でも戦えなければならないからです。全地球規模で見て全ての状況に対応できるメーカーは世界に何社有るのでしょうか。各社、生き残りを掛けて様々な手を打っていますが、自分の立ち位置を誤った会社はいずれどこかに飲み込まれ消えていくのでしょう。日本は今迄幾つかあった荒波にも負けずメーカーの数ではなんと世界一ですが、今度の波を乗り切れるのは何社あることやら。
現在冷静にスバルの立ち位置を考えると、順当に行けば残れない組ほぼ確定だと思います。(今後予想される燃料枯渇問題や環境問題への膨大な開発費を一社で負担できるはずないですから。)ジリ貧を判っていて今迄はなんの有効な手立てを打てていない以上、どこか有力なメーカーと組むしか道は無いと思います。組む相手はいろいろ意見が有るでしょうが、ビッグ3と言われたGMやクライスラーが傾く現在、最も安定な相手としてトヨタを選ぶのは極めて順当な選択と思われます。それも、スバルにまだ力の残っているうちに、対等ではないが同盟関係にできた事は森社長の大英断の賜物と思います。また軽自動車撤退に関しても衝撃的ではありましたが、今後最も生存確率の高い分野に開発生産力を集中するという点からすれば正解としか言いようがありません。過去の伝統やプライドだけで生き残れるほど甘くない現状が目の前にあるのですから。
軽自動車撤退のニュースを聞いてスバルファンの私としても
驚きと困惑と怒りを覚えました。
しかしスバルの現状を考えれば、ユーザーとしては会社存続に尽力して欲しいし、今迄の努力も
讃えたかったし。しかし
視野を広げ経営という点からすれば、オチは決まってると思うのです。
私は大好きなスバルが今後も生き残ってくれる事を深く希望します。これからも応援していきたい。その為にも折角車種を絞って闘うわけですから、スバルファンにも一般の人にも魅力的なラインナップを揃えて欲しいと思います。また開発生産から撤退とはいえ既に販売されたスバルの軽自動車群のメンテナンスには尽力して欲しいです。またいつの日か軽自動車が出て来ることを待ってます。
しかし、生き残るって大変な事ですよね~。
イギリスは買い手が着いたので壊滅状態。イタリアはフィアットを買う企業が出て来ないだけで赤字だし。日本がそうならないって保証も無いですから。sonyは外資系の企業になっちゃったし。アラブの資金が動いてるし。海外の投資ファンドも投資目的であちこち荒らしてるし。怖いですね~
最後に快くトラックバックをお許しいただいた清水和夫先生に感謝いたします。m(_ _)m
この記事は、
自動車技術の黎明期~60年代 について書いています。
Posted at 2008/04/18 01:43:10 | |
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みんから | 日記