





正常であれば、ここのサイドフラップはトランク裏の左右にピッタリ張り付いている。

それが少し下がり気味にダレてきたという。現状は、こんな感じです。

これがもっとダレるとマイクロスイッチが正常に作動しなくなり、ルーフ不動となる。
左右フラップを除くメカAssy一式の部品代はディーラー価格16.6万税別。あと交換に必要なショートパーツ代と工賃で、これだけなら交換費用は20万+αぐらいという。


このメカAssyは、図番200の中央がメインモータ。そこから左右に伸びているのが、モータからの動力でフラップを駆動するためのリモートワイヤ。
左右フラップの基部側は、リモートワイヤと連動するラックギヤのケーシングになっている。英語表記だと"サポーティングプレート"。

図番205は、その"サポーティングプレート"だけを交換するリペアキット。
2個1組となっており、品番は A2307500111 です。この部品だけなら、1万円しない社外品(URO)が国内で入手できる。社外品のいいところは、取付け穴に最初からネジ山が切ってある。純正品はネジ山が切られてない。純正品を取り寄せると、送料込みで1.5万ぐらい。
さてこれがディーラー価格だと、いくらだろう。日本のディーラー在庫部品の価格は、モノによっては海外の倍。しかし工賃を入れても10万いくかいかないかぐらい。
それなら20万円よりは、随分マシな感じがする。
ちょっとwebで検索すると、これが「強度不足で曲がってくるため、フラップがダレてくる。ルーフが動かなくなったら、強度対策品=リペアキットが純正部品で出ており、超高価なAssy交換ではなく、この部品だけを交換すればよい」と、非ディーラー整備派やDIY派の方々の間では、大体そういうのが定番らしい。
この部品についてYoutubeなどで交換動画を見ていると、工場装着品とリペアキットの部品は厚みが明らかに違う。なるほど、たしかに強度不足への対策部品という感じだ。

しかし動画では、分厚い対策部品でも曲がっている人がいた。ということはその動画の投稿者というか、その人の車は初めての交換ではないのだ。それを見ると、このラックギヤを押さえつける部分にかなりの負荷が掛かっているのがよく分かる。
厚みがない工場出荷状態の初期装着品だろうが、厚みを増したリペアキット(対策品)だろうが関係なく、定期的にグンニャリ曲がるということだ。

つまり私のように屋根をしょっちゅうパカパカ開閉する人は、定期的に交換する必要がある部品ということで、金属部品だが完全に消耗品扱い。そのため"リペアキット"として、安価に取寄せできるようになっているのだろう。とはいえ、おそらく次の交換は約10年後ぐらいか。
だが、そのサポーティングプレート内のラックギヤが削れてダメになっている場合は、図番205のケーシング交換では直らない。中身のラックギヤみたいな単品部品までは、さすがに入手できないようだ。

フラップ駆動側のピニオンは、いちおう存在するんですけどね。安いものは見当たらなかったが、海外取寄せで片側のピニオン1個が送料別で単体2万。左右だとピニオン2個で4万+送料だ。そこまで摩耗するほど使い込まれたら、単品修理でなくAssy交換してねということだ。
だからAssy交換する前に、まずサポーティングプレートを交換してみて「安価に直ればラッキー」的な、段階的修理がよいでしょう。面倒な人は最初からAssy交換で。
いつものディーラーマンに訊いてみると「中身を見ておらず、ギヤの傷み具合は何とも言えない」「リペアキットだけの交換をした実績がなく、何とも言えない」という。
ごもっとも。ベンツの修理で1回20万ぐらいなら、ふつう迷わずAssy交換だろう。
ここまで単品部品の値段を調べて積み上げてみると、だんだんAssyの20万は、さほど高いものじゃないような気がしてきたぐらいだ。単品で入手できない部分もあるし。
しかし私の余命を考えると、ルーフが普通に動くあいだはこのまま使い、ギヤすべりやギヤ飛びの異音がするとか、動かなくなってからの修理にしたい。何なら、これを機にDIY修理だって、真面目に考えるべきかもしれない。
というわけで、いずれにしろリペアキット A2307500111 のディーラー在庫だけは、調べておいてもらう。とりあえず今回は、ここまで。

ディーラー撮影。画像は左側のみ。シリンダ本体はカバーの奥に隠れています。
これが左右各1あり。左右は品番違いで、計2本必要。

油圧の閉回路というのは、直せば直しただけ圧力がしっかり掛かるので、その次に弱いところから順にまた漏れていく。全部のシールがしっかりしているときだけ、漏れが起きない。
私が乗り始めて最初に漏れが発生したロールバーシリンダ(A2308001872)x1本OHの際に、漏れていないシリンダも合わせて全11本を一斉に交換すれば部品代も工賃も時間もすべて節約できてよかったのだが、当時はそういう感覚が全然なかった。
シリンダが11本もあると知らず、そういう油圧シリンダが順々にシール寿命がくることも分かっていなかった。
なにしろ太古車R107の幌はフル手動で苦労知らずだったし、ベンツのメカは頑丈なのが当たり前としか思ってなかった。
まさかベンツの油圧電動オープンカーに乗っていて、重要部品に寿命がきたのに「世界中に在庫ありません」などと低次元の苦労をするとは、夢にも考えたことがなかった。
それより何より、だいいち今頃わたしはもう、この世を去っている予定だったしね。
ほんと10月中旬から急に寒くなってしまったことで、全ての計画が狂ってしまった。
2023年10月にロールバーシリンダx1本を交換、2025年の8月にトランクリッド駆動シリンダx1本を交換し、今回11月はトランクフレームロックシリンダx2本だから、残りは7箇所。

図を見るとフロントロックシリンダ以外は左右2本ずつの構成。つまりオイル漏れ修理はmaxあと4回くるなと分かる。そのたびに部品代+分解組み付け工賃が4回分。
SLに乗ってるかぎり「屋根あけない(=直さない)」という選択肢はないので、漏れたら交換するしかない。あとは私が余命を生きてるあいだに何回くるか、だけの話だな。
今回のトランクフレームロックシリンダは、2023年のロールバーシリンダのときと同様、日本にもドイツにも純正新品の在庫がなかった。
ディーラーでは部品が手配できないため、私が自己手配することになった。
前回は「それって、ど、どーすんだよ!」と目の前が真っ暗になったが、1回やったら免疫ができた。
もう今回は私も、ぜんぜん途方に暮れたりしない。「あっ、そう」ぐらいな感じ。慣れたもんだね。
それに今回はツテを介さず、私がUSAオレゴンのOH業者と直接やりとりして、取引してみたかった。
思ったよりHPの出来がよく、また特に相談したい詳細や不明点もないので、ただ商品を選んでカートに入れ、配送オプションを選んで決済するだけの、普通のwebショッピングで済んでしまった。
直接購入してみて分かったのは、今回たまたまかもしれないが、FedExの配送が驚異的に早かった。
特別なクーリエ便でも何でもなく、一番安い普通のFedEx International Priorityで木曜夜に発注して、月曜AMにはもう手元に配達された。

これなら、今後またディーラーに新品在庫がないシリンダでも気軽にOH品を手配できそうだ。
こういった油圧シリンダなんかは、新しい素材のシールリングでアップデートされたOH品の方が純正より安価かつ高性能。少なくとも業者はそう主張している。
であれば20年前の基準で作られた純正部品の、倉庫で何年寝かされたか知れない在庫品を使うよう強制されるよりも、在庫がなくて自己手配するほうが、車の健康のためには有り難いんだけどなあ。
しかしディーラーというのは急な故障とかあれば点検入庫で融通きかせてもらうこともあるし、高価な在庫部品を買ってあげたりのお付き合いは、どうしても必要だ。
修理というのは車と部品を一緒に並べたら勝手に直ってくれるわけじゃなくて、その間にどうしても人間の手作業が必要だからね。
お金の都合だけで、ものを言ったり考えたりしてはいけない。
それよか今年一杯で定年退職しちゃう今のベテランディーラーマンがいなくなったら、一体どうしよう。そのほうが問題だ。
とりあえず来週11/18(火)に修理入庫の予約が取れたので、3日ほど預かってもらうことになります。
21(金)に無事、あがってきたらいいな。












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