このクルマを購入して4ヶ月のあいだ、少しずつしか乗れなかったが、感じた不具合は全て、20年以上付き合っているディーラーマンと相談しながら、部品については国内在庫あり/ドイツ在庫あり/正規流通に在庫なく私が探す必要があるもの、など仕分け手配しながら、徹底的な修理整備のリフレッシュ計画を立てていた。
いよいよ実行。
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10日間で、今回もよく面倒をみてもらったと思う。奈良のメーター修理屋さんも修理品が到着したその日のうちに返送してくれたので、ディーラーですぐに付け戻し、液晶に故障コードを出し確認しながらの作業に最小ロスタイムで着手できたのは大きかったと思う。
色々なプロに助けられ、私は今ようやく、本当に幸せになった。
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簡単に言うと、エンジンとミッションについて、オイルやクーラントの漏れ等をシールやホース類の全交換、およびマウント類の全交換。必要に応じ、周辺ショートパーツ類の交換。
足回りはブッシュだけ単品で交換できないアーム類の全交換、前後スプリングとショックの全交換。
インテリアは運転席と助手席の機能面で全体修理、および中古車の汚いシートベルトを全交換。
ATシフトレバーの感触がR107と違い非常に悪かった件は、リンクブッシュやスリーブ類の全交換。センタコンソールリッドのゆるんだダンパー交換や、センタコンソール周辺の動作しないスイッチや配線遊びなど一掃、修理。
内装関連の留め具欠損などによる、ゆるみやガタの一掃、修理。トランクのクロージングサポートやトリム修理。
エアコン関連の点検および整備。
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足回りを新品に全とっかえしたおかげで、購入以来どうもおかしかった挙動や乗り心地が、まともになった。普通スプリングなどは廃車するまで交換しない人も多いが、今回は全てを完全にリセットしたかったので、前後とも交換してもらった。
またシートベルトも、もともと白いベルトなのに汚れた手で触ったりドアに挟んだり、以前のオーナーの汗などを吸ったかシミがあったりとカナリ気持ち悪かったので、純正で新品が出ますと聞いて、喜んで全とっかえしてもらった。
おかげで、これもかなりスッキリした。いま日本中でいちばんキレイなシートベルトが付いたR230だと、自信を持って言い切れる。
ベンツは本当に「お金をかけてでも、いつまでも気持ちよく乗りたい」そういう価値観の人が選ぶべき車だと思う。
「まだアレコレ乗りたい経験したい」という人はベンツに短期間ちょっと乗ったぐらいでは、全然いいところが分からないんじゃないだろうか。長く乗っていると色々な部品が決まった周期で、笑ってしまうほど本当に一斉にパタッと寿命がきて、乗り心地がおかしくなってくる。他メーカーのクルマと一番違うのは、修理や交換したあと本当に車が元通りに戻るところだ。
「車体の剛性が・・・」とシタリ顔で言う人も多いが、もともとベンツのSLは同じ時代の他メーカーのオープンカーに比べたら常に、とんでもなく丈夫なクルマ。それどころか世界中の自動車メーカーの開発目標にされている。
それを「SLはボディ剛性が弱いからガタガタだし内装キシミ音もする」なんて軽々しく言ってる人は、200万ぐらいかけて足回りの全とっかえと内装の完全整備をディーラーでやってもらったらいいと思います。
私が平均毎年100万ほどかけて22年半27.5万キロ乗った太古車のR107は、トータルの走行距離が33万キロを超えていたが、それでも走行7~8万キロ程度の中古国産車よりも遥かにシッカリした丈夫で美しい車だった。
今回は購入してから短期間でここまで初期化するため、ものすごい金額がかかってしまった。買い物記録のほうに積算してみたが、ちょっと馬鹿げた金額かなとも思う。
この車はディーラー整備をされてきたディーラー車だったが、ショボイ整備しか受けていなかったことが分かる中古車だった。それを1回の修理でまともに直そうと思ったらこのぐらいの金額が簡単に吹っ飛んでしまうのは確かに残念ポイント。私だって決して鼻歌気分ではなく請求書の金額を見るたび毎回、これは経費で落とせない一般民が絶対に買ってはいけない車だったなと、思い知らされる。
だが正しい修理に適切なお金さえかけてやれば、確実に喜びを返してくれるのも、また真実。人生の中でも、対価に見合う喜びを返してくれる人やモノって、そう多くありません。他の車はどんな感じだろうとか、そんなつまらない欲や煩悩を抱えたくない人間にとっては最良の選択肢と思う。
しかし私が知っているのは伝説的クオリティ時代のベンツ。いま乗り始めた2000年代の、急激なコストダウンで設計や素材に先天的な持病をたくさん抱えた時代のベンツがどれほど長持ちする機械なのかは全く予想もつかないが、今回いったん完全に初期化ができたと思うので、これからあちこち旅行に出掛け、しっかり走り込んで、SL350との生活を楽しみたい。
この車を購入して約4ヶ月が経ち、ようやく新しい生活が始められそうだ。
午前中のうちに奈良の修理屋さんへメーターを発送したく、入庫してすぐ、何よりも先に取り外してもらう。
いつも視界に入るこれが、まるで水に濡れたボール紙のような質感に見えてゲンナリ。車に乗るたび必ず目にする場所なのに、この安物ぽい質感というか違和感が、試乗の時からイヤで気持ち悪くてたまらなかった。
これを今回は左右の液晶パネルごと新品に交換して、キレイに直してもらう。車を購入したら一番にやろうと思っていたが、メーターを外した車をそのまま数日預けておける長期入庫のタイミングがなく、やっと今となった。
ガラス工事のときと、同じだね。首都圏にも業者はたくさんあったが、話をしてみると皆さん自信なさそうで腰が引けていたので、探し探してメーター液晶修理で、はるばる奈良まで。
R107からR230に乗り換えて、2000年代のメルセデスというのは一気にコストダウンを進めた影響で素材選びや設計そのもの、そしてスペアパーツの不足など先天的な問題が多いことが分かってきた。メーカーでさえ責任の取りようがない、そんな次元で持病を数多く抱えて生まれたこの車に手を掛けようと思ったら、だんだん全国規模のネットワークを再構築せざるを得なくなってきたのが、なんかすごくイヤな予感がするw
これってつい先頃R107と共に別れを告げたはずの、典型的な旧車ベンツ沼では。。。
今回の代車は2023年式、パリパリ新車のC200。HPをみると今年から値段が上がったというかいちばん安いのが600万円からとなったようだ。10日間ほどの付き合いとなる予定。まずはメーターを奈良に送るため近所のヤマト営業所へ寄ったついでに、撮影。
MB純正システムの液晶大画面は私のiPhoneと接続も一発で、AppleCarPlayも快適。
反応がノロくさい現行Carrozzeria最上位DAに比べたら、だいたい10倍ぐらい快適。
同時期に同じiPhone12で使い比べているので、いまの時点、世界中で最も信頼できる比較レビューと思ってもらってよいです。
つい3月までは太古車乗りでしたが毎回、新しい世代の代車で使い方が想像つかない新機能がないのはスゴイことだと思う。昔から他のメーカーに比べて、充実装備のわりにボタンやスイッチが少ないのも、ベンツを好きな理由です。運転以外のことに迷ったり困ったり煩わされたりしない車って、やはり運転しやすいですよ。
でも今回クライメートや各種ボリューム調整まで全てタッチパネルになったのは、便利じゃない気がします。まあ買う人はそういう部分も含めて気に入って、わざわざ買うんでしょうけどね。
おかげで自分が時代についていけない古い人間だと、クルマに自覚させられてしまう。
やはりベンツは今でも独善的で押し付けがましく、相変わらず鬱陶しい奴だった。(^^)
しばらく機器類を使ってみて、いくつか見えてきた問題点の最後。周辺機器の選定ミスだけではなく、どうやらカロッツェリアDMH-SF700本体にも問題がありそうだと分かってきた。
DMH-SF700は拡張性を考慮すると、やはりケーブル出しが必要。
iPhoneとDAのワイヤレス・ミラーリングはOtto U2-AIR Proで実現できると思う。
しかし将来の拡張性や、BT接続が不安定な時の有線対応を考えると、DAの本体に1つずつしか付いてないUSB-CポートとHDMIポートは、延長ケーブルで出しておき自由に差し替えて使えるようにしておくべきと考えた。
しかし、SF700にはよほど処理速度が低いCPUが使われているのだろうか。いまどきの機器としては、タッチ反応やページ遷移などの動作が、ものすごく遅い。タブレットやスマホが当たり前の現代、こんなノロマなタッチパネル機器は正直、さわったことがない。前方から視線をはずす時間が長くなれば事故を起こす自動車の装備として、操作をして待たされる機械というのはエアコン以外すべて危険。部品をコストダウンしすぎと思う。
そのくせ13バンドEQのような、狭い間隔で上下左右が混み合ったような場面では鈍感と敏感が共存しており、物理的スライダーのようにピンポイントで掴んで上下に動かすこともできず、昔のCarrozzeriaのようにリモコンで上下左右の移動もできないため、私のような乾いた指の人間にとってはタッチパネルしか調整手段がないのは極めて不便で困る。
古い人間かも知れないが、やはり車載機器には瞬時に直観的に確実にパラメータを変えられる物理ダイヤルや物理スライドが適しているし、必要だと思います。タッチパネルだったらスマホ並みに素早く確実に反応してくれないとダメ。他社の車は知らないが、すでに先代からメルセデスの純正システムは、そのレベルに達していた。だから競争の激しい社外品の最新機種ならもっとスマートだろうと期待していたのだが、まるっきり裏切られ、大いに失望した。自分の買った機器をけなすのは嫌な気分だがSF700の性能には、それほど本当にガッカリしている。
ちなみにタブレット用の静電タッチペンを使っても、反応と動作がノロくさいのは改善されなかった。反応が必ず1拍遅れるためどうしても2度タッチしてしまうのと、感度自体も鈍いので変更が反映されないことも多かった。それで結局、乾いた指でさわってしまうのだ。運転中にちょっと音量調整というだけのことが、かなりの危険行為となり怖い思いをする。
それは愚痴だが、とにかく、そういった処理速度が遅い機器の足を引っ張らないよう、せめて伝送ケーブルだけでも、できるだけハイスピード規格のものを使う。
ショップで検証したところ本体ポートに直結するUSBケーブルは認識の相性問題があるため付属品のUSB-Cオス/メスを使い、そこにUSB3.2Gen2x2の伝送速度20Gpsオス/メスケーブルで0.5m延長する。これはwebで探して自己手配する。
またHDMIケーブルについては、Pioneerの純正ケーブルがそこそこ細くて柔らかいというショップ意見により、それを採用。長さ0.75mか1mかはショップ手配に任せる。
両ケーブルの端はセンタコンソール下段にコロガシで出しておき、USB-Cメスのほうに普段はOttoのU2-AIR Proをつないでおく。DA本体にはUSB-C/HDMIポートが各1しかないので、必要に応じてそれら延長コードへの差し替えで対応するつもりだ。
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手直し工事の日程も決まり、いよいよ7/5(水)~9(日)で入庫する。こちらは12(水)まで構わないのだが、先方が翌週は別件で作業できないのだそうだ。9(日)までに終わらずこぼれた作業については、また別日程を組んで入庫する。
続いて、そのあと7/13(木)~22(土)は大規模リニューアル工事で、ディーラーに入庫。
エンジン整備、足回り交換、内装修理など多岐にわたり徹底的に修理交換してもらう。
その間は確実に車を動かさないのでメーターをはずして自分で奈良の業者へ送り、表面偏光フィルムにシワが寄ってブサイクな左右メーターの液晶パネルも交換してもらう。
ドット欠けや表示など不具合は全然ないが、見た目の悪いシワシワ液晶がいつも視界に入るため、とにかく気になって仕方ないのだ。
それらが全て終われば、初期化やオーディオ構成など「買った中古車の自分化」は第1段階が完了、ということになるはずだ。
私とR230との新しい生活が、そこからようやく始められる。全てうまくいけば、もうブログに書くネタもない平和な生活が送れることと思う。
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